テイル館の謎 (集英社文庫)

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087603958

感想・レビュー・書評

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  • 主人公のアンドリュー テイル(表紙の青年)に、ミス・ロメデューが言った言葉「人は決して外見では判断できないものよ。お面をつけていますからね。顔に浮かんでいる表情はほんの一部、氷山の一角にすぎないわ。そして秘密をもったまま人は死んでいくのよ。もし、一生の間に誰かを本当に知ることができたら、幸せことですよ、アンドリュー」こういうふうに書き留めておきたくなるフレーズがギルマンの物語にはあふれている。

  • 出先で寄った本屋さんで見つけ、早速読んだ。原書のタイトルは“THALE'S FOLLY”(「テイルの愚かな館」)。亡き大叔母の館と土地の調査を父に命じられたアンドリューは、そこに住み続ける人々と出会う…。一族の愚か者扱いだった大叔母の真の姿を知り、虚飾とか見栄のこれまでの生活とは違う、素朴であたたかな人とのつながりのある暮らしを通して、過去の傷から抜け出し、自分自身の本来の姿を見出していくテーマが流れています。さすが、ドロシー・ギルマン、謎めいた運びでさらりと読めます。ミセスシリーズ外の作品では、比較的新しい方(1999)みたいですが、彼女の作品は読みやすいだけでなく、何度も読み返すファンがいるというのは頷けます。

  • 「足るを知る」人の幸せは豊富な物に溢れている暮らしより、「物が無くても足りることを知ること」が何より幸せなのだと言うことを教えてくれる。互いに助け合い、知恵を出し合い生き抜いていくことが人間としての真の幸せにつながることを。

  • ○感想

    ギロチン台を前にしたマダム・ドゥファルジュ、が物事に無関心な人の代名詞ってのが面白い。
    ヴィクトリア朝の小説をギルマン氏は読まれたことがあるんだろうか、ということが何となく気になる。大きな屋敷はともかく、ロマとかね。共通点というのか。よく使われる言葉は何か思い入れがあるんじゃないかと思えてくるのです。
    神さまに対して、って感情はわかる気がする。

  • 読み進むにつれて、テイル館周辺の自然の様子が美しく憧れを抱き、また住人達の個性がキラキラして面白く引き込まれました。テイル館の平和な感じと恋、アンドリューの神経衰弱や近辺で起きる謎などが交わりあって、その巧みな物語に解決するまでとても続きが気になりました。最後はハッピーエンドで、幸せな気持ちになりました。<内容>不幸な飛行機事故で、不眠症と情緒不安定に悩まされているアンドリュー。大会社の副社長である父親に命じられて、マサチューセッツ州のテイル館に向けて出発した。大叔母が亡くなった後、野ざらしになっている館と、25エーカーの土地を今後どうするか。調べた結果を父親に報告しなければならない。ところが廃屋になっているはずの館には、数人の人影が見えた…。彼らの正体は?

  • ドロシーギルマンの本は、なぜか全部持って
    います。
    何しろ文庫本で、つい買ってしまう。おばちゃまシリーズが軽くて読みやすかったからかしら。
    でも一番のお気に入りは、「人形は見ていた」です。
    時代は、ベトナム戦争の頃。
    ドロシー・ギルマンにしては、難しい本かもしれないけど、何となく好きですね。
    反対に、完読していないのが、「キャラバン 砂漠の愛」「古城の迷路」
    「キャラバン・・・」の方は、ほんとに、途中でめげちゃいました。
    「古城の・・」は、読み始めてもいません。
    「古城・・」は、「アメリア・ジョーンズの冒険」と言う作品の中で、殺されてしまった婦人の代表作として出て来るんです。
    ファンタジーの様ですが。
    2001年05月25日まあ、思った通りの展開でしたけど、意外なサスペンスも入っていました。
    主人公のお父さんが、以外とかわいく思えたりして。
    中に出てくる老女は、「人形は見ていた」の中に出てきた婦人が、同じモデルでしょうか。
    2001年05月27日

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