ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂 (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087607505

感想・レビュー・書評

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  • ジョン万次郎のアメリカ滞在期間のことをつづった貴重な著作である。聡明で進歩的な船長との出会いに恵まれ、異なる文化の中で成長していく姿が印象的である。

  • 先ず、この本を外国人が書き、その翻訳を読んでいることが面白い。この当時のアメリカに連れて行かれることは、UFOにさらわれるか、タイムスリップするくらいの経験だったでしょう。まさに数奇な運命。そして、ついに家路につくシーンは、これまでの長かった旅路のさまざまな体験と思いから、こみ上げて来るものがありました。

  • とにかく強運だった事は間違い無いが、それは結果の一部に過ぎず、その運を引き寄せたのは彼自身の人当たりの良さや好奇心と柔軟さ・臨機応変さがあってこそ、彼は多くの人から信用され協力され、生きる事が出来たのではないかと感じた。
    予期せぬ事態に流されつつもしっかりと状況を読み、目まぐるしい時代や環境の変化に戸惑いつつも最善を尽くす、その姿勢はいつの時代のどんな場所にあっても必要。
    現代においてはもっと認知されるべき偉人と思うが、捕鯨船上やアメリカ生活が主だった生涯であるが故に、大河ドラマになる事はまず無いだろうとも思う。
    鎖国がとうに過去の事になった今でも、人種差別問題は過去の事にはなっていないし、「魔法は終わってしまったが、仕事ははじまったばかりだった」というくだりは映画「ズートピア」を思い起こさせる。
    ズートピアと同じく本書も、著者が児童文学作家だけあり大変分かりやすく読みやすい文体なので、子供達も含めて多くの人に勧められる一冊。

  • 世界中どこへ行っても、ステキなもの、イヤなものどっちもある。でも全てが美しい。
    万次郎はとても聡明で、応援したくなる人物です。

  • 今年読んだ本の中で1、2を争う面白さ。

    元々歴史の中の人物で一番興味があり、大河ドラマでみたいと思っていたジョン万次郎。

    想像以上にドラマティックな半生に感動。
    漂流者になった時に諦めない、侍というか日本人の秘めたる力を発揮し、勤勉さと好奇心が良い方向に動いて本当に良かったなと
    拾ってくれた捕鯨船の船長の男気と優しさに涙が止まらず。

    最初から最後まで目が離せないという最高の傑作でした。

  • 図書館のYAの棚から手に取った本。
    外国の作家がジョン万次郎のストーリーを綴ったことにびっくり!

    著者にとってこれは初めての小説であったらしく、そしてこの本は数々の文学賞を受賞したらしい。
    日本人が一人も住んでいないアメリカでの生活を選んだ少年の話。
    歴史の名脇役というか、誰もがペリー来航のくだりで一度は名前を聞いたことがあるジョン万次郎。
    驚くほど彼の波乱万丈な歴史を忠実に小説化している。
    彼の瑞々しい感性や好奇心や勇気が折々胸を打つ。

    「地図は…招待状のようです」
    「読めないけれど"みにこい"と書いてあるんだと思います」

  • 江戸時代の頃のアメリカはこんな国だったんだ。
    https://ameblo.jp/sunnyday-tomorrow/entry-12398775328.html

  • 基本知識として、ジョン・万次郎という人物は土佐の漁師で遭難して、アメリカの船に救助されアメリカで暮らすことになり、英語をマスターして幕末の幕府とペリーとの通訳をしたということくらいの知識はあったが、どういう人物で当時のアメリカの状況や万次郎がどう受け入れられ、日本に戻ることになる状況、そして戻ったあとの状況など全く知らなかった。それが一挙にわかる本である。
    14歳で遭難して23歳で帰国、薩摩、長崎で牢獄生活の末26歳でようやく帰郷する。27歳の時にペリー来航、幕府直参の侍となり通訳、その後勝海舟、福沢諭吉と共に咸臨丸に通訳として乗船しアメリカに再度渡ることになるというのが史実。
    この小説では主に14歳時の遭難、19歳までのアメリカでの生活の詳細と22歳でアメリカを出るまでの葛藤、そして26歳で帰郷した時の様子を描いている。いづれも史実に基づく小説なので興味ある感慨深い展開に心が引き込まれる。

  • 2018/07/21読了

  • 何処で書評を読んで読もうと思ったのだろう。
    えらい子供向け文体の平易な文章だった。
    読みやすいし判りやすい。
    漂流して鳥島に流されてアメリカの捕鯨船に拾われてから日本に帰るまでに重きを置いた伝記小説。
    幕末の小説を読むと必ずチラッと出てくるジョン万次郎。
    維新以降は殆んど活躍していない印象だからか、本人の漂流経緯は全く知らなかった。
    明治政府に参加することも可能であったろうに全く表舞台には出てこなかったのが逆に潔い。

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