原稿零枚日記

著者 :
  • 集英社
3.51
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本棚登録 : 988
感想 : 201
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087713602

感想・レビュー・書評

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  • 2011 6/8

  • 淡々とした語り口で語られる、ちょっとおかしな日常。何も不思議なところはありませんよと言いたげな語り手の態度が好き。すごく小川洋子らしい作品。

  • 日記形式で描かれる女性作家の日常(?)。現実なのか、幻想なのか、あいまいな世界感なのだが、主人公が女性作家ということもあり、これは小川洋子さんの体験談なのかなと思わせる。ユッタリトロトロとした空気。ノスタルジックな雰囲気。苔料理を私も食べてみたい。

  • なんかエッセイなのかと思ったが、何気ない日常の生活からちょっと逸脱していて独特な雰囲気が描かれている。読後はじわじわと身体中に余韻が浸る感じ。苔料理とか、え?苔?って感じですが。あらすじ係とかパーティー荒らしの話とか面白かった。ちょっと視点をずらすだけで日常の生活も特別なモノの変わっていくのかな~。題名からくる原稿○枚ってどういう意味なのでしょう。

  • 小川洋子「言葉の標本」より。

    。。。これが私の理想である。
    小説が書けること(たとえ上手でなくても)、犬が元気なこと、タイガースが勝つこと。この三つさえあれば十分。他には大した望みはない。
    。。。。。

  • 日記形式で書かれている作品。主人公の「私」は原稿がまったく進まない作家。

    心地よい文章と描写だけど、自分ができないことを自分の感性が人とは大きく違うっていうことを開き直って言い訳にしちゃってる感が出ててちょっと読んでて息苦しかった。

    あと、おそらく独身で子供のいない「私」なんだけど、近所の小学校の運動会めぐりとか子供系のイベントにこっそり顔出したり新生児室の前で新生児を眺めたりするエピソードになんか引いた。

  • 苔料理、譜めくり、あらすじ係、暗唱倶楽部。奇妙な主人公のまわりには奇妙なことが起こる。決して表舞台にはあがれないひっそりとした影を描くのが小川さんはうまい。

  • 静謐な雰囲気の中、ところどころに狂気を感じる。
    小川さんの描く、静かに狂った女性の雰囲気がとても好き。

  • 日記形式の小説。
    なぜか毎日ありえない状況に迷い込み、時には異界に引きずり込まれる。 エッセーに載っていた洋子さんの実生活が見え隠れするのも楽しい。このような妄想自体が洋子さんの実生活か・・・と思わせる。
    どうしてこういう発想が出来るのか。上手いなぁ。
    洋子さん好きには大歓迎の本です。

  • 独特の雰囲気が溢れ出してきて、背筋をぞわぞわとさせた。不思議というか、奇妙というか。個人的には奇妙という言葉が似合うような気がしたのだ。ほんとのことなのかそれともただの想像上のことなのか、境目がすごく曖昧で、それがまた怖い。世にも奇妙な物語を観ているような気分になる。
    小川洋子の作品は、あまり触れたことがないのだけど、文章が醸し出す雰囲気がひんやりとしていて、それが静かな世界を作り出しているようなきがする。この作品に関しては、奥の奥にある静かな狂気がじわじわと滲み出ていて、それを触るたびにぞくっと震えがくるような。
    単純に、こわいな、と思った。

    (240P)

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著者プロフィール

1962年、岡山市生まれ。88年、「揚羽蝶が壊れる時」により海燕新人文学賞、91年、「妊娠カレンダー」により芥川賞を受賞。『博士の愛した数式』で読売文学賞及び本屋大賞、『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞、『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。その他の小説作品に『猫を抱いて象と泳ぐ』『琥珀のまたたき』『約束された移動』などがある。

「2023年 『川端康成の話をしようじゃないか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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