栞と噓の季節

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087718133

感想・レビュー・書評

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  • 本と鍵の季節の続編みたいな感じ。高校生男子2人コンビが謎を解きます。ミステリとしては、本と鍵の季節のほうが面白かったかな。これはちょっと無理がある感じがした。でも学校生活にひそむミステリ感はよかった

  • 本と鍵、栞と嘘。秀逸なタイトル。
    まさに栞と嘘の季節。

    どこが伏線でどこが嘘なのか、わくわくしながら読んだ。こんなに落ち着いていで賢い高校生はいないと思いながら。

    一見すると突飛な発想も、高校生という脆く儚い思春期の子達にはあり得るのだろうと思う。
    自分はもうだいぶ図太くなってしまったけれど、心の拠り所を必要としてそれを支えに生きていた時代もあったはずだ。

    続きがあるなら、また読みたいな

  • 例えば青春ミステリが好きな方へ
    図書委員の男子高校生2人が事件に巻き込まれる様を描いた人気作「本と鍵の季節」。
    その続編として「栞と嘘の季節」が発売された。

    前作は小さな事件をその鋭い推理力で解決していく短編集といった感じだったが、
    本作は1つの大きな謎に2人が挑んでいく。


    謎の始まりは図書室に返却された一冊の本だった。
    本には1つの押し花の栞が挟まれたいた。
    その花は、猛毒のトリカブトだった…。

    この栞の持ち主は誰なのか・・・?
    そしてついに、このトリカブトで起こってしまう悲劇の数々。
    この高校で一体何が起こっているのか。


    THE 青春ミステリど真ん中の作品。
    細かい嘘や伏線がうまい具合に機能していて、
    あの謎は?これはどういうこと?
    というのが終盤にかけてどんどんとつながっていきます。

    学生らしい微細な感情や人間模様、そこに隠された謎。
    自分の学生時代と照らし合わせて、どんどんと読み進められる作品でした!

  • 堀川くんと松倉くんの図書館員コンビが再び活躍する小説に、ワクワクしながら読み進めました。 
    先の話を少々忘れていましたが、
    問題なく読めました。
    高校生にしては、少し扱う内容に疑問はありましたが、小説ですからね!
    このコンビの会話が高校生らしくなくて、それが好きです。
    次巻、ありますかね?また読みたい(堀川くんと松倉くんに会いたい)です。

  • 図書委員堀川&松倉コンビの第2弾。今回は長編である。
    図書室の返却本にトリカブトの押し花の栞が挟まっているのに気づいた二人は、密かに持ち主を探すことに。そんな中、男性教師が救急搬送されてしまう。毒殺未遂だと噂がたち…
    誰もが何かを隠していて、それが少しずつ暴かれていく過程が面白い。堀川と松倉の淡白な関係も好感が持てるが、最後は少し駆け足気味のような気はする。


  • 読みたいと思っていながら
    時間が空いてしまってたが
    よーやく!

    前回よりも
    更に2人が成長している気がする

    そして
    周りの高校生も
    随分と大人びていて

    いや
    キャラ設定相変わらず濃いぞ!!!

    あっという間に
    読み終わってしまった

    その後は
    想像におまかせします
    で終わったのは
    この物語に関しては
    良かった…のかな

  • 「本と鍵の季節」待望の続編。
    一作目を読んでから大分時間が経っていたため登場人物はうろ覚えだったものの、読み進めるうちになんとなく思い出すことができた。久々の堀川・松倉コンビ。今作でも大活躍だった。

    今回は短編ではなく、一冊の本から発見した栞をめぐる長編。
    栞にはトリカブトの押し花が閉じ込められていて、これがどうやら複製され、切り札として何人かの手に渡っているらしいことが発覚。
    そんな中、教師がトリカブトの毒を盛られる事件も発生し、堀川と松倉、そして元々の栞の持ち主瀬野が犯人探しに奔走する。

    あらゆる人間があらゆる嘘を抱えており、絡み合う嘘が真実を上手く隠していた。犯人は瀬野の親友の妹だったのだが、まさか植田の彼女と同一人物とは思っていなかったのでびっくり。
    最後まで話がどう展開していくのか読めなかったので、そういう意味でも楽しめた。
    長編故に物語に深みがあって、個人的には一作目より好き。

  • 面白かった。
    小さな謎がたくさん現れ、どんどん解かれていく。

    そして、松倉と堀川のコンビがまたいい。この淡白さ。
    中学時代の同級生との関係を問われた松倉が、どうでもいい話をして堀川を煙に巻く。堀川は、そうか、と追及しない。
    この距離感がたまらなくいい。
    言いたくないとは言わず、適当な話をすることで、意図が伝わることを予測している。
    相手の事情に踏み込みたい、という思いを持たないことも、また読んでいて気持ちが良い。

    ただ、謎が多すぎて、え、そもそも何だったっけ?ってなった。読み返そう、とまでは思えず、そっと読了。

  • 独特の個性や雰囲気があってそれが好きな人にはハマるんだろうなと思ったけど、私にはあまりしっくりきませんでした。

    その時点では何でもないような些細なことを大きなことのように扱っていく展開にリアリティを感じられなかったというか、物語に入り込んでまるで自分のことのようにドキドキするという感覚は持てなかったです。

    例えば、先生が毒殺されかけたという噂が広まったあとでほとんどの生徒が昼食を食べられなくなってしまったり気分が悪くなって倒れたり…という展開がピンとこなくて、「あくまでまだ噂なのに(実際に警察が調べているわけでもないのに)そんなに多くの生徒がその噂を間に受けて倒れるほどに信じこむか?」と。
    最初に噂があってその後実際に先生が救急搬送されたという展開であれば、食事も喉を通らないくらいに怖がるというのも納得なのですが…。

    主人公の高校生二人の仲も、もう少し心を許し合っていてほしいなと感じます。お互い信頼してるとは思いますが、自宅の場所は教えたくなくてわざわざ駅まで行って別れてから本当の帰路につくとか、なんか嫌だなと。まぁでもそういう距離感の二人だからこそ醸し出せる物語の雰囲気なんだろうなとは思いますが、お金のことをどうしたのかも、「聞きたいけど聞けない」というよりかは「まいっか」という感じで聞かなかったように感じましたし、もう少し友達に執着してほしいなと感じました。

    読後感もあまり良くなかったです。このキャラクターたちならこの終わり方が似合ってるとは思うんですが、妹がはっきり罰を受けたわけではなかったので(というか本人は勝ち逃げしたと思っているので)なんかモヤモヤします。

    短編で構成されていた前作の方がより面白いと感じました。

    ただ、多分私の好みには合わなかったというだけで、こういう雰囲気が好きな人にはすごく響くと思います。ストーリー展開や会話の感じやキャラクター性などもすごく個性的で独特で、この作家さんの唯一無二な味?みたいなものがすごく出ていると思うし、そういう味みたいなものを強く出してる作家さんってそんなに多くはないような気がするので、素晴らしいことだなと感じます。

  • 高校が舞台、ってとこだけで、どうしても緊迫感や事の重大さがピンとこなかった。
    テンポのよい会話、映像が浮かびやすい描き方は、読みやすい。
    会話が多く、主人公視点がかわらないので、一貫して読めた。

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著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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