栞と噓の季節

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087718133

感想・レビュー・書評

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  • こんなストーリーよく思いつくな、すごいなやっぱり面白いな。と思いながら読了。
    こんな知的レベルの高いハイセンスな会話のキャッチボールできる自分と友人が欲しかったな。

    有毒なトリカブトの栞、誰が作り配り手となっているのか追っていく3人。
    堀川くんの、会話の中でのふとした引っ掛かりから気付き見抜き進んでいく感じと、松倉とのバディ感あるやりとりが好き。
    なのに松倉と堀川くんの距離感はけして近くなく、むしろ自宅の場所お互い隠してるとか、普通の友達より距離あるよね…。
    松倉の隠してることや嘘も、割と淡々とあばく堀川くん。
    彼も只者ではないんだよなー。

  • 前作「本と鍵の季節」が面白かったから楽しみにしていた続編。前回が日常の謎を扱う連作短編だったのに対し、今回はトリカブトを使った殺人未遂を扱う長編という違いがある。
    結論から言って、このネタで長編にするには無理があったのでは?
    学園もので、図書委員男子2人の友情も描きながらちょっとビターなミステリという加減が良かったのに、トリカブトの栞をめぐる謎解きだけで引っ張るには弱い。
    案の定、ミステリとしては冗長で、途中で中弛みするわスピード感がないわで飽きてきた。
    ここはやはり連作短編で、小さくてもいいビターな謎で引き締めて、2人の関係を描いて欲しかったな〜。


  • 本格派ミステリじゃないのにスリルとハラハラ感が絶妙で素晴らしかった‼︎前作も良かったけど、松倉と堀川のコンビに加えて瀬野さんという女子が加わったことで、新たなおもしろさも生まれてる。タイトル通り栞と嘘がキーだけど、誰もが小さい"嘘"をついていて、それが交差して…先の展開が気になって仕方なかった。

  • 続編とは知らずに読んでしまいましたが、前作を知らなくても違和感なく読めました。
    忘れ物の栞に押し花されたトリカブトの謎を巡るミステリー。
    栞が作られた理由が哀しく、しんみりしてしまいますが、謎解きの過程はわくわくして、あっという間に読了でした。

  • 嘘と真実。
    後半怒涛のストーリー展開で面白かった。
    高校生二人の会話が面白い。

  • 学生向きの本。中年の私が読む本ではなかった。

  • 高校生らしからぬ思慮深さと思考力だけど、青春ミステリーとして今回瀬野さん加わりハードボイルドさが増力。
    前作のアンサーあり、ほっと肩の力抜けるが、今作も問題提起で終わり、自作への布石を感じる。

    自己顕示欲の強い黒幕の底が浅く、メインメンバーの層が厚く深いだけに、残念。物語がではなく、彼の人となりが。中二病的黒歴史といっても過言ではないので、確固たる自己をこれから成立していけるといいね、と老婆心ながら思ってしまった。

  • 前作と引き続き、短編集かと思いきや、違ったので驚きました。

    私としては最後が呆気なかったというか、もう少し結末の余韻が欲しいなぁという気持ちになりました。
    でも読んでいて目に浮かぶ情景や誰が黒幕なんだ?と考えながら読めて楽しかったです。
    大きな衝撃を与えられる!というわけではありませんが、面白かったです。

  • 前作から続く、堀川と松倉と2人の関係がいい。お互い干渉しない、というのではなくお互いを理解し尊重した上で、距離感を大切にしているのだと思う。そして、この距離感の目測を誤まれば、途端に崩れてしまうような壊れやすい緊張感もいいと思う。

    今回のお話には所々に嘘やあえて言わないことが紛れ込んでいて、何が本当かわからない。それぞれの思惑がぶつかり合うというよりも、掴みどころのない話が、いつの間にか形になっている感じで、不思議な感覚だった。

    最後の妹とのやり取りも、どっちの方向に進むのか分からず一気に読んでしまった。
    この後、妹も含めてそれぞれがどんな行動を取るのだろうと、想像させられる終わり方も好きだった。

  • こどもがはじめて買えって言った本、だと思う。覚えておきたい。それが米澤穂信とかうちの子お目が高いんじゃね?

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著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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