心臓のない巨人 (1) (プチフラワービッグコミックス)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 84
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091722126

感想・レビュー・書評

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  • 初版

  • LGBTQの本棚から
    第51回「バビロンまで何マイル」

    今日の本は、というか、マンガは
    「バビロンまで何マイル」
    です。
    作者は2010年に亡くなった佐藤史生(これは砂糖と塩のもじりだそうだ)のもので「心臓のない巨人」に収録されています。
    (川原泉に、同じタイトルのマンガかあるので混同しないよーに)

    佐藤史生は私は日本一のSF作家だと思ってますが、なぜか山岸凉子や萩尾望都のように小学館が選集を作ってもらえなかった……。
    ドットコムが作ってくれたけど全部じゃない……。
    なんで?????
    といつも思うよ。

    でもこの本はまだネットで買えるはず(現役だってことですね)。

    SFなんで、その設定に慣れなきゃいけないわけですが、これは同じ顔をした(超美人)女性たちの集団の話です。人類は、銀河規模で宇宙に広がっている設定です。
    彼女たちはその美貌を利用して要人たちと結婚し、金を貯める……。
    追っ手に誰か殺されれば逆らうことなく集団で逃げ出す……。
    そうしてまたどこかで……ということにある刑事が気がついて彼女たちを追いかける(もちろん殺人事件を解決したいからですが)という話ですが、ミステリーなんでこれ以上説明できない……。
    そんな高い本でもないから読んでよ、なんですが、こういうとき、公共図書館にマンガがないのは不便なんだな。
    もういい加減、そういう差別はやめて欲しいよ、まったく!
    必要な資料を読めないじゃないのさ。
    テーマは、直接LGBTQじゃないですが、女性差別です。
    彼女たちは、自分たちが自由になれる星を求めて、惑星を一つ買う気で金を貯めていたのです。

    女だって、女から搾取するんだ、という話を、鮮やかに魅力的な物語に紡いでくれている、その手腕には脱帽です。
    一度読んでみて損はないよ。

    2018年06月04日

  • このお人の作品中でもこっついSF系のお話。人類が宇宙にはびこっている時代。惑星間を長い年月をかけて移動する宇宙船の中心「マザー」と外から婿入りした「キング」。ふたりの願いをたまたま吸収したナノマシンが終焉へ向かって船を巨大化させるあたりに哀しみを感じました。
    何が残念って、佐藤史生先生は数年前に鬼籍におはいりになり、もうこんな本格的SF漫画が読めなくなる事なのだ。今、思い出しても辛い。

  • 佐藤史生さんのマンガが好きです。
    特に「複合船」のシリーズが好きです。巨大な宇宙船に、巨大なファミリーが住んでいて、星々と交易して生活している。と「汎人類教会」という言葉に、ピピっと反応してしまいます。こういう細かいところで、作品がリンクしているのがまた面白いんだよねー。

  • 佐藤史生さんの作品は、マンガだけど並みのSFより面白い。
    だから私の中ではSFとして分類されてます。
    未来の宇宙で生きるってことは予想もつかない問題にぶちあたる。
    起こる事件も奇想天外。特に同時収録の「バビロンまで何マイル」には度肝を抜かれました。
    母星を手に入れる為に身体を売って生きるアタラクシア修道会の尼さんたちと、それをつけ狙う暗殺者たち。
    犯人が何者なのかなぜ狙われるのか、彼女たちは知っている。
    そしてひたすら逃げ続ける。ただひたすら、母星のローン完済を目指して。

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佐藤史生の作品

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