スキエンティア (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 455
感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091831064

感想・レビュー・書評

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  • 一冊完結の漫画を読みたいな、と思っていたらこちらに出会いました。
    背表紙に「ヒューマンSFシリーズ」とありますが、そのとおりの内容です。
    連作短編ですね。
    正直パラパラめくってみた感じだと絵も下手だしあまり面白そうではなかったのですが、
    読み始めると一変、1話目から話に引き込まれ、短編ながら大きく感動しました。余韻にひたりつつ2話目は後で読もうと思いつつも、つい読み進めてしまい全話イッキ読みしてしまいました。世界観を同じくするものの関連のない短編たちですが、佳作揃いで、いくつかは泣きそうになってしまいました。
    SFですが、世界観の説明なども最小限、物語も蛇足のないちょうどいいところで終わる、短編の良さが最大限に生きています。いやほんとに7冊分を読んだくらいの感動ボリューム。700円じゃ安いわ。

  •  戸田さんの作品は、……妙に気になるもので。
     なので購入したのだと思います。えぇ。

    1話…スキエンティア
     自殺をしたくて堪らない女性が、最期に人の役に立ってから死のうと思う。自分の体のレンタル。依頼主の脳波を飛ばし、遠隔で操られる。
     心持ちが違えば、顔付きも違う。それを理解すればあとはたやすい。

    2話…媚薬
     薬でもなんでも、人の気持ちはたやすい、からこそ、信頼関係を築く……つまり続けたいと思わせるようにしなければ、人の気持ちはぷつんと切れてしまう。

    3話…クローン
     別の人。双子だってそう、一卵性双生児で顔がそっくりでもそれぞれは別の人。
    でも人はそれを信じることができない。いつかそれに対面したとき、どうするのか。

    4話…抗鬱機
     生きるのって、つらいもの。
     そしてそれを把握できていない人の、なんと多いことか。

    5話…ドラッグ
     母が母たり得るということは、……。
     人は変わっていく。他人を思いやれなくなり、自分本位になり、それが繰り返される。

  • コミック

  • スキエンティアとは科学の女神で、基本は科学の力を借りて人の人生が幸福になる話ですね。
    どの話も泣けますが、好きだったのは第1話親にも愛されず、ろくなことがない人生だったため自殺願望のある若い女性が、四肢がマヒした車椅子の老婆に身体をレンタルします。
    「もう生きたくない」と思う若い女性と、「あともう一度だけ体を動かして生きたい」と思う老婆。
    考え方ってこんなに人を変えるものだな、と思う。

    それから最終話もよいです。
    売れないミュージシャンの二人。
    一人は魂と引き換えに、才能を全開させる機械を得ることを選び、もう一人は音楽をあきらめて結婚し、子供を得て、平凡なサラリーマン生活を選ぶ。
    あなたならどちらの人生を選ぶ?

    とにかくお勧めの漫画でございます!

  • 「香織さん、あんたもやるんだよ。
     やるんだ。できるよ。」

    科学が人を幸せにしたりしなかったりする短編集。タイトルは舞台となるビルの名前であり、「科学の女神」の名前(と言うことだけど単にラテン語で「知識」かな?)
    SFギミックが核になってるけど、SFと言うよりはヒューマンドラマ。

    登場人物の顔がみんな同じに見えるのでちょっと混乱する。表情がときどき昔の「ささだあすか」の絵に似てて好き。


    1話目「ボディレンタル」は自殺希望の女性が、車椅子の老婆に身体を貸すお話。まんま「未来ドロボウ」(藤子・F・不二雄)だけど、希望に溢れて爽やかで好き。

    ガジェットが一番好みなのは最終話「覚醒機」。
    使えば7〜8年しか生きられないが脳の潜在能力を覚醒して素晴らしい生き方ができるだろう機械を、使うか使わないか。使った男と使わなかった男の話。

    ドラマが好きなのは「クローン」。
    死んだ娘のクローンを産んだ母親の話。クローンである「妹」が「姉」が死んだ年齢を超える。ここで「妹」を別の人間として愛せるか、という方向に行くと陳腐だけど、「姉」の死を受け入れることが出来るか、という話になる。

    Amazonにオススメされる精度が良すぎて恐ろしい昨今です。

  • デビュー後すぐの著作を読んで、すこし精彩を欠く印象があったけれど、数年飛んだこの作品集は、そういうものを乗り越えた……すこし言い過ぎると、「神さまの著作」物になっている。こういう質感のお話って、いろんな書き方が出来ると思うけれど、この作品集については、そして戸田誠ニは、「誰もが“がんばりたい”のだ」っていうたった一つのメッセージに集約させていて、この表現が正しいかはわからないけれど……強かった。静かな傑作だと思います。

  • 個人的に好きな戸田さんの漫画ですけれども、面白かったような気がします! もうほとんど内容の方を覚えていないのですが…また読み返す必要がありそうです…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    SF設定のお話がいくつか入っていたかと思いますけれども、就寝前、しかも酒を飲んでいたために内容の方が…

    ヽ(・ω・)/ズコー

    うーん、でもまあ、心に残るやうな話だったかと思います! 本当にこの作家さんはアレですね、まさにヒューマンドラマを銘打ちたくなるようなお話を描くのが上手いですねぇ…。

    というわけで、さようなら…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 面白い。未来はきっと面白い。

  • とてもいい漫画だ。どん底の中から見える光。

  • ヒューマンドラマSF。

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