模倣犯 (上)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 714
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  • Amazon.co.jp ・本 (721ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093792646

感想・レビュー・書評

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  • 感想は下巻にて。

  • 読んだ

  • ページ数は多いが読みやすかった。
    登場人物が多く、今後の物語の展開に彼らがどう関わっていくのか、また物語がどんな結末を迎えるのかとても気になる。
    あとタイトルの意味もまだよく分かってないのでそこも楽しみ。
    とりあえず、下巻に期待。

  • 疲れた~(´Д` )

  • このバラバラなものがどう繋がっていくのだろう。
    楽園を先に読んでしまったので、滋子は何で傷ついたのだろう。
    まだ謎だらけ。あの人がこうなるんじゃないかとか、頭の中、憶測だらけ。

  • 空恐ろしい。

    ぐいぐいと引き込まれて、一気に読める。
    けれど、怖い。
    怖くて怖くて、続きが読みたいのか、ここで本を閉じてしまいたいのか、わからなくなる。
    それは、妙にリアルだから、ということに尽きるだろう。
    生々しく、彼ら彼女ら(被害者も加害者も巻き込まれた人も、関わってしまった人もだれもかれも)の痛みと言い表すには簡単すぎる、喉を掻きむしるような、救いのない悶絶が。

    最後には、救いがあって欲しい。
    そう願って、下巻へと進む。

  • ものすごいボリュームたっぷりの本だったけど、すぐに作品に引き込まれた。
    さすがに何日もかかったけど、続きが気になって仕方がなかった。

    想像するとすごく恐ろしいー…

    犯人が自分の中でわかったときぞわっとしたー…

  • こわいはなしでした。
    が、はやく続きを読みたいです。

  • 古い読書記録より。

    世間を舞台に芝居を続ける、栗橋とピースを捕まえる。
    ミステリとしての筋書きの波乱万丈、わくわくハラハラも十分楽しんだが、
    特に遺族側に立った著述にも多くのページを割かれていて、遺される悲しみが
    ひしひしと胸にこみあげてくる。こういうところに丁寧に筆をさくあたりが、人情噺を得意とする
    宮部さんらしいなと思った。

    「人はみな、真実には眸を瞑り、安易で信じやすい方を選ぶのか?」
    「オリジナルの生き方など存在せず、誰かの模倣でしかないのか?」

    実際に犯罪を起こした「模倣犯」を追いながらも、読む者に対して
    あなたたちも模倣者のひとりかもしれない、という指弾を加える。
    ”真実に眸を向けることを怠ってはいないか”
    事件に関係のない、平凡な人間のひとりであるという自覚でのんびりと本書を読んでいると、
    ふいにこんな力強い問い掛けに、頭をはたかれることになる。

  • H24.5.13 上巻を土日で読んだ。疲れた。でも早く最後を読んで安心したい。それ程犯人は胸糞悪いヤツだった。

  • 期待を裏切らない読み応えのある作品。文章量はかなり多く、登場人物それぞれの背景がしっかりと書きこまれている。丁寧に説明されているためスピード感には欠けるが、最後まで飽きることはなく、作品の世界へ引き込まれていく。流石の筆力である。

  • 最後の数ページで明らかになる
    「模倣犯」というタイトルの意味。

    たくさんの目線や時間の波に
    巻き込まれながら読む作品。
    下巻に入ってからはもう
    ぐいぐい 止まりません。

    「殺人」そのものよりも
    その前と後に派生し散らばるもの
    そこに焦点を当てた話だと思います。
    ラストの有馬のおじいちゃんのくだりには
    思わず涙しました。

  • 2011

  • これだけ読んでまだ半分。笑 無駄に長い訳ではなく、それだけ個々の登場人物を丁寧に書いているので感情移入し易いし、被害者側、犯人側と視点が変わるので飽きもこない。後半の展開が楽しみだー!

  • 力作! 映画化もされたけど、本家の方が断然面白い!

    原作読みました。長かったあ~~~~~~。かなりの長篇で毎日仕事の後7時~4時まで読み続けた結果、計4日かかりました。
    ラス前の日などあまりの面白さに止まらなくなり、気付いたら5時!
    最終日のラストスパ-トは途中で号泣してしまい、続きが読めなくなってしまったという。本読んであんなに声上げてワンワン泣くのは随分久し振り。泣いてる間にもそれまでの色んなシ-ンや言葉を思い出して更に泣いてしまい、復帰するのに結構時間かかりました。
    ほんとに大作です。かなり読みごたえがあるし、あまりの内容の重さ・深さに心底きます。
    この原作を読んで映画を見た人が激怒したりガッカリしてしまうのも凄く良く分かる気がする(笑)。私がもし先に原作を読んでたならやっぱり不満だったと思う。もう全然別物なので。
    原作が被害者の遺族を主軸にして色んなテ-マをガンガンぶつけてきてるのに対し(しかも痛切にこちらが参るくらいの重さを持って)、映画はあくまでピ-スVS有馬老人に絞って登場人物の誰にも感情移入できない(させない)ように作られてて、一見テ-マも分かり辛い。
    映画版『模倣犯』はかなり大胆な解釈だったんだな、と改めて思う次第。

    原作は三部作からなってて、一部は主に塚田真一(被害者遺族)、二部は栗橋浩美&高井和明、三部はピ-ス(事件完結)の話を軸に展開していきます。
    ピ-スが出てくるのは二部から。映画でもなかなかピ-スが出てこなかったけど、それは原作通りだったのでした。
    中居さんに映画のオファ-が来た時、丁度原作を読んでた最中だったらしいです。その時まだピ-スが出てくる前だったらしく「原作は読んだ方がいいですか?」と聞いたら、監督は「読んで下さい」と言ったとか。
    なのでピ-スが出てくると「ああ、オレだオレオレ」と思って読んだらしく、私もまさしくそんな感じで読みました(笑)。
    ピ-スというあだ名は笑顔が“ピ-スマ-クみたい”というところから来たんだけど、ピ-スの笑顔は誰をも笑顔にしてしまう魅力に溢れてて、拉致監禁されて恐怖に震える女性(被害者)でさえも、ピ-スの笑顔につられてふと微笑んでしまう程なのだ。
    どこへ行っても人気者で人当たりが良くて話も上手くて相手に話をさせるのも上手。
    ヒロミも二枚目でスポ-ツも勉強も出来るタイプだったけれど、ピ-スの方がなにもかも上手(うわて)で大人で、ヒロミがピ-スに心酔していってしまったのも頷ける。
    実は2人共「生まれてこなければ良かったのに」という境遇の中で育ち、ヒロミがピ-スに絶対的な信頼を寄せていたのも「自分の事を誰よりも分かってくれるのはピ-スだ」と思っていたから。
    ただしピ-スは決して自分の本当の生い立ちを周りの人々には話してなかった。
    つまり全て演じていたのだ。相手が望む理想の自分を。かなり小さい時から。(ピ-スは転校生でヒロミやカズと出会ったのは小学4年生の時)
    決してヒロミにも心を許していなかった。誰にも心を開かず誰もを自分の思うように動かし(少なくてもピ-ス自身はそう思ってる)、そして彼の欲望はどんどん大きくなっていく。

    実際犯行が行われる上巻よりも、ピ-スがマスメディアに現れ一気に時の人としてもてはやされる下巻の方が私はずっと怖かった。
    ピ-スの本性を知ってるだけに、殆どの人が網川(ピ-ス)シンパになっていくのを一部のピ-スに不信感を持つ人達同様怒りを持って歯痒く感じた。
    ピ-スのヤバさがどんどんあらわになっていくにつれ、怖さはどんどん増幅していく。
    武上刑事(ガミさん)と“建築家”が犯人の心理・動機を語り合う場面。
    ガミさんの娘が“犯人は被害者にこんな事を言ってたんじゃないか”とピ-スが乗り移ったかのように語る場面。(映画ではピ-スが実際に語ってた)
    極め付きは真一とピ-スが大川公園で対面する場面で、もうその時は最大級のヤバさ爆発! ゾッとしたなんてもんじゃなく、冷や汗さえ流れる思いだった。
    私は中居さんのビジュアルでピ-スを思い描いてただけに余計怖かった。
    そしてクライマックスのワイドショ-の場面で、ピ-スはまんまと滋子の罠に落ち、ぶざまで愚かな本性を全国の人々の前にさらけ出してしまう。
    ピ-スが自分の思い通りになると思い込んでた大衆の一人一人が、あちこちでピ-スがこぼしていったボロを拾っていって、それらがどんどんピ-スを追い詰めていくのは実に気持ち良かった!

    だけどこの作品が恐ろしいのはピ-スが逮捕されようと自爆しようと何も解決しない事なんだと思う。そう、そこがなんとも言えず気持ち悪いのだ。何も解決しないし、何も終わらない。
    ピ-スは罪悪感なんてこれっぽっちも感じず自慢話するかのように本を書き続け、人々は翻弄され続けるのかもしれない。
    下手したら時が経てば事件を直接見聞きしてない若い人達はピ-スの言葉を鵜呑みにしてしまうかもしれない。
    実際のところピ-スは主犯だったけれど、直接殺人を犯してはいないから刑だって軽くなるかもしれない。
    この事実を知った時は本当に寒気がした。暴力をふるったりレイプしたり突き落としたり窒息死させてたのは全てヒロミなのだ。ヒロミが死んでしまった以上真実を知る人はいないわけだし、母親殺しだってヒロミになすりつける事ができるかもしれないじゃないか。(もしかしてその件は時効かもしれないし)
    ピ-スの思うつぼになってしまう可能性は十分にあって、それを思うと気が重くなるばかりである。
    何より殺された被害者達は帰ってこない。遺族の自分で自分を責める日々は続く。
    ヒロミもそうだった。加害者だけれど。
    姉の亡霊や両親によって20数年かけて少しずつ少しずつ殺されていった。(この表現は悲しすぎて身に詰まる思いがした)
    カズによってやっと目が覚めたのに、ピ-スの嘘にやっと気付いたのに、ヒロミがどんなに苦しんでたか、事故にあうまでの2人の壮絶な闘いも含めてピ-スや世間にその内実を知られる事なく死んでいってしまったヒロミとカズが哀れでならない。

    原作はピ-スについては深く突っ込んで書いていない印象を受ける。
    主役は塚田真一だと思うし、女性ばかりが被害者になる理不尽さ、遺族の悲しみ、報道被害に重点を置いて書かれてる本作のテ-マは本当にズシッとくる。
    登場人物が40人以上と多いけど、それぞれにキャラ設定が事細かにされてるので
    かなりあとになって再び登場した時に「ああ、あの時の!」とすぐに思い出せる。
    話の組み立て方がとても上手いし、どんどん引き込まれていってしまう。
    映画には登場しなかった真一に対する樋口めぐみのスト-カ-ぶりとか(恐ろしい!)、カズの視覚障害についてとか、早くからピ-スが犯人だと気付いてるアナウンサ-とか、面白い要素が盛り沢山でホントにドラマ化するなら押さえてほしいポイントは沢山ある。
    私はガミさんと“建築家”がとりわけ好き。ガミさんは最初から鋭くて頼もしかった。
    あとピ-スとヒロミにナンパされそうになった女性が証言する場面とか凄い緊張感だった。(なのに映画ではとてもあっさり・・・)
    相変わらず映画の公式サイトのBBSは賛否両論で大賑わいだけど、この前凄い解釈を発見してしまった!! 思わずテンションが一気に上昇した程の凄い説。
    その人は映画否定派なんだけど、映画はピ-スが書いた本を映像化したものなのか?という説。それだと何もかも辻褄が合うのだ。あまりの斬新な考えにホント目からウロコだった。自分自身それで折り合いをつけてスッキリしたいぐらい(笑)の強力な説。そういうことにしてしまいませんか? なんつって。

    最後に。映画でヒロミがナンパしようとした時、ピ-スが「やめろヒロミ! その女は背が高すぎる」と注意してやめさせるシ-ンがあるんだけど、背が高いと何故ダメなのかの理由は特に説明されていなかった。
    その事についてBBSで「原作を読めば分かりますよ」と言う人がいたんだけど、原作でも実は直接なんでかは書かれていないのだ。つまり原作を読んだ人はそれぞれに殺害方法から推理してたんだよね。それを知った時は「ウ~~~~~ン」と唸りました。

    (2002.7.10日記より転載・修正済)

  • おもしろい!一番おすすめな本は?って聞かれたら迷わずこの本を選ぶ。
    自分にとって衝撃的な本でした。

  • 2回読みました。
    ボリュームがありますが読みきってしまう面白さ。
    様々な視点から事件を見ていく。

  • 5

  • 話題になった本はだいたい読む派だったけれど、この本を切欠にそれを変えた。相性があるんだとしみじみ思った作品です。なので下巻は読んでいない。
    10年経った今読めば、また違った感じ方をするのかもしれないが。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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