0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる 学ぶ人と育てる人のための教科書
- 小学館 (2018年11月29日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093886451
作品紹介・あらすじ
落合陽一の本史上最も平易!でも深い
「今のような学校教育はいらない」と語るのは、現代の論客といわれるメディアアーティストの落合陽一氏。
「人生100年時代」に本当に必要な教育とは?デジタルネイチャーの時代に身につけておくべきことは?・・・学び方のヒントがわかる“教科書”です。
「学び始めるのに適正年齢はない」ので、学生、社会人、子育て中の親、生涯教育について知りたい人・・・あらゆる世代や立場の方に響くものがあるはず。
落合氏自身の幼児期から今に至る軌跡もたどり、時代を牽引する天才がどう形成されてきたかも探ります。
読み解くのに思考体力を要するといわれる落合氏の本の中でも、平易に書かれているので、落合陽一を知る入門書としてもぜひ手に取ってほしい一冊です。
感想・レビュー・書評
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とても長いタイトルの本。そして、作者自身のもつ肩書も盛りだくさん。
人生100年をどう生きるか、がテーマの著書。
多様性の時代を生き抜くため、柔軟な心で学び続けることが必要だと主張する。
内容は、幼児教育、学校教育、大学の選び方、オンラインでの学び、
論理的思考の育て方など、多岐にわたる。
興味深いと思ったのは2点。
1点目は子供の教育について。
自身も小さい子供を持つ父親である著者。
豊かな経験が子どもの能力を育むと、経験を積ませることの重要性を強調する。
そして、『偏りのある能力』を大切にするべきだと。
これは、自分からやりたいと望んだことを経験させることで得る能力のこと。
興味を持ったことは、危険でない限り自由にさせてあげよう。
そして、興味のないことを無理強いするのはやめた方がいいと。
2点目は、落合氏自身が立ち上げた産学連携スキームについて。
国立大学の教員は税金から給料をもらうため、企業との共同プロジェクトが難しい。
そこで、大学を辞職し、大学の中に自分が経営する研究室を設立した。
自分の会社から自分を大学に派遣する形で准教授に着任。
大学からでなく、自分の会社から給料を支払う仕組みを作ったのだ。
大学から施設や設備の提供を受け、企業からの出資と人材派遣が可能になった。
そして、プロジェクトに関わる学生に賃金の支払いもできるという。
100年の人生を生き抜くためには、
頭と心を柔軟にして既成概念にとらわれることなく、
学び続けることが必要というのが著者の主張だ と最初に書いた。
この柔軟で多様性を内包する新しいスキームこそが、
その具現化のひとつではないかと、感心してしまった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一生懸命勉強するのは大学生まで、その後の社会人人生はそこまでの蓄積で生きていくー。そんな時代ではもちろんないし、むしろ社会に出るとそれまでの日本の教育とは全く違うアクティブな学習が求められてくる。
多くの人はそこのギャップに苦しんだ経験があるのではないだろうか。
この書籍では、改めて我々がどのように学習するべきで、何がその学習への態度を難しくさせているか、どのようにマインドシフトすることが望ましいのかを落合陽一氏の実体験交え伝えてくれる。
書籍中でも言及されているとおり、社会人でもロジカルシンキングできない人は意外なほど多い。
いや、できるほうが少ないのではないか。
また文系理系での区別、もっというと学科単位レベルでの区別が染みつき、自分の限界を定めてしまう人もいる。
なにより「正解」ありきでの教育の弊害か、相手の顔色を伺いながら「正解」を探そうと会話する人のなんと多いことか。
しかしこの書籍は「何才からでも学ぶことはできる」という救いを与えてくれる。
とかく難解という印象を持たれがちな落合陽一氏の著作だが、本書は非常に読みやすい。それでいて本質は他の著作と同様に深淵であり、落合陽一入門としてもとてもよい一冊。 -
ここに書いてあるように、複数の柱を作り、好きなことを仕事にしていければ幸せだろう。
でも、落合さんのように行動が実績に繋がるのはごく一部だと思う。
なので、万人に向けたものではないと思う。
トップを走る落合さんなので、どうしても一流思考がにじみ出てしまうのではないか。
例えばアートが必要という説明でも、アートを如何に言語化できるかという所に重きを置いている。
私はアートは既成の価値観から外れた、自分なりの価値を鑑賞者が感じられさえすれば、それが言語化できなくても(大部分の鑑賞者は言語化できず、頭の先がジンジンするような、涙ぐむような感動を感じるだけでは?)それこそがアートの力だと思う。
評論ができる、現代アートとしてコンセプトをきちんと説明できるというのは、説明、表現できてこそ価値がある。というどちらかというと経済的な実利的な考え方になってしまうのではないだろうか。
ムダであることに価値があると感じられること。そこまでいくと凄みが出る。
落合さんは、今後歳を取っていく中でそこまでの凄み、人間の大きさが出てくると良いのではないでしょうか。
好きなことを続けること、学び続けること、それを大切にするのは生きがいになると思うので、そこはとても興味を持てた。
好きなことをやれば、おのずと生きていけるというのは、やはり選ばれし者だけではないのだろうか、仕事もきっちりやるけど、好きなこともあって続けられるというのが幸せなのだと思う。 -
自分がこれまで生きてきた時代と、今から生きていく時代は既に全然違ってて、これからますます変わっていくんだろうなぁと。そんな時に、自分がこれまで受けてきた教育を同じように今の高校生に与えていっていいものなのかなぁと思ってた時に出会った本で、いろいろ刺激を受けた。
人に理解させるためのプロセスにはサービス的な「説明型」と禅問答のような「対話型」がある。どちらの技術も必要だけど、特に今からの教育では後者が求められるんだろうなぁ。自分もそちらにウェイトを置いていきたい。
これからは誰かの基準で良し悪しを判断するのでなく、常に自分をアップデートして、自分の考えがその時の時代や状況に合っているのかを考え続けていかなければならない。
また忘れた頃に読み直したい1冊、買って良かった。 -
落合陽一氏の子供の教育に関する書籍。
ここ数年、著書を定期的に出されているようですが、著書を読んだのは初めてでした。
初めてお名前を聞いたのも著書が大学生の時で、ご結婚されたこともお子様がいらっしゃることも存じませんでした。
たまに知らない言葉がでてきますが、比較的読みやすいように感じました。
世代の違う人と話す機会があまりない私にはこういう本をたまに読むのも刺激があって面白いなと思いました。
家族を大事にしているところが文面から伝わってきて、教育は家族からも受けていた。といっているように感じられました。
私が印象に残ったのは、
観察眼を磨く
頭で考えることも必要だとは思いますが、感覚を磨くことも能力を高めるというところで有効なのかもしれないと思いました。
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現代の魔術師と呼ばれる著者の考えてる事をまとめた本。羅列すれば、当たり前の事だが実践できる人は少ないだろう。
とにかく好きなことに注力するに限る。文系理系両刀遣いになる。観察力を高め、世界を見る目の解像度を上げる。アートを鑑賞するときは自分の物差しを持ち、誰かの受け売りにならない。どう感じるかは自分だけのもの。 -
学び続けること、自らをアップデートし続けていく姿勢を持つこと、またそういった人を育んでいくことについての、落合さんの考察。
超早口で難しいことを喋っている印象とは全然違って、めっちゃ分かりやすく書かれていて、あぁ、頭の良い人はこういう文章も書けるんだなと尊敬の念を感じながら読み進めた。
そんな落合さんがどんな環境で育ったのかが分かる二章が一番面白かった。とにかく子ども自身の興味関心を追求させること、多様性のある環境に身を置くことが大事なんだなと改めて感じた。 -
人生100年時代を生き抜くために。
第1章ではQ&A方式でなぜ学ばなければいけないか、何をどのように学んでいくのかについて。
第2章では最終学歴、東大学際情報学博士課程修了の本書著者である落合陽一はこう作られた、生成過程について幼少期から父親としての佇まいまで。
第3章では「STEAM教育」時代に身につけておくべき4つの要素について。
プロローグにて「親子で一緒になって読めるように気をつけて作った」とありました。その通り、学の低い私のような人間にも分かりやすく書かれており、子どもが中高生くらいの時に本棚にあってほしいと思えるほどの読みやすさでした。
私自身はこれからの子ども達を育てていく中で必要と思える考え方、自分が100歳まで生きると仮定した時に何を学び続けるのがいいかを考えるきっかけになりました。
子ども達が成長する中でこの本をもし読んだとしたら、人口減少の日本の未来は暗いものでは決してないし、明るいものにするために今自身がすべきことは何かが描かれていると感じました。
親に学がなく、子育ての中の教育のローモデルがいないため、今やこれからどんな風にアプローチしていくのがいいかを模索しているところでしたので、この本はまさに「教科書」そのものでした。
私自身は従来型の日本の教育、所謂詰め込み教育になんの疑問も持たず受け入れ続けてきた古いタイプの人間で、本書に書かれている通り、多数派少数派ではなく自分で考えて判断し、それを伝える能力が著しく欠如していると感じています。
そしてそのままでは今後生きていけないということもよく分かっています。だからこそ自分の子ども達には、学ぶことの楽しさや、学んだことが自分の生活のどこにどう影響するのかをよく知ってもらいたい、その上で何をしたいかを自分の頭で考えて決めてもらいたいと思っています。
本書はその手助けになると強く思うので、やはり手元に置いておきたい一冊です。
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正解はないが、考え多様なアプローチで切り取り思考する。
◯教育にある「コンテンツ」と「トレーニング」という二つの要素
→たくさんの新しいことを習得し、それを実際の現場で使おうとしたか
◯日々の生活の中で議論していく練習を始める
・先入観なく、様々な経験で五感を鍛える
◯目指すべきあり方として「貯金しよう」ではなく、「お金を調達できる人間になろう」
・ロジックと直感の行き来
→佇まいの意識
◯STEAM教育
・言語(ロジック化など)
・物理(物の理)
・数学(統計的分析とプログラミング)
・アート(審美眼・文脈・ものづくり)