書くことについて (小学館文庫) (小学館文庫 キ 4-1)

  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094087642

感想・レビュー・書評

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  • だいぶ積読にしていたが、ここ数週間で思いついて読んだ。この手のジャンルでは自己評価最高の星四つ。

    スティーブン・キングは修飾表現がまどろっこしくて苦手であったが、本書を読んで人物は好きになった。でも小説はキリスト教批判が強いので好きではない。

    本書によると本人がその修飾表現を痛く気に入っていることが分かった。

    いま、終末表現を研究したくて「ザ・スタンド」を250頁程(上巻四分の一ほど)読んでいる。キングと同じ人気の度合いのクーンツの本は読んだことはないので、「邪教集団トワイライトの追撃」を手に入れて読むつもり。「ザ・スタンド」は図書館からの借り物なので、さっさと返して読了にしてしまおうかと検討中。

    本書は物書きの心得のような本。クーンツも同じことを「ベストセラーの書き方」で言っていたが、キングはクーンツと違いプロットは重視していない。

    結論的には自分の表現活動をしていない時は、他人の書いたものを読む、という事。これはクーンツも言っていた。読んで読んで読みまくり、書いて書いて書きまくる、との事。(クーンツの表現)。

    また時々読み返したい。

  • 売れっ子のベストセラー作家である著者による、小説作法と随筆を合わせたような本。『小説作法』として出版された本を読んだことがあるはずなのだが内容を覚えておらず、初めて読む本として楽しむことができた。
    内容は:著者の半生の回想録、書くための基本的なスキル、応用的(?)なスキル、そして著者が事故に遭ったときの出来事から成る。
    「徹底的に無駄を省け」と述べつつ、本書はそれなりのボリュームがあるけれど、軽快な語り口で読みやすい。
    文章の書き方については、自分の方法で正しかったと再確認できた部分と、新たに学んだ部分があった。学んだ主な点は:プロットはなくてもよいこと(というか、著者はプロットを不要だと述べている)、副詞は削除すべきこと、三流が二流になったり一流が超一流になったりはできないが二流が一流になることは可能であること。
    物書きの必読書。

  • 星10個あげたいくらいの名著

  • 棚番:A06-01

  • ・途中で投げ出すのはご法度だ。いやでも書き続けなければならない。地べたにへたりこんでシャベルで糞をすくっているとしか思えないようなときに、いい仕事をしていることは結構あるものだ
    ・地獄への道は副詞で舗装されている
    ・会話を説明する言葉としては”言った”がいちばんいい

  • アメリカ人の思考だから文化的な拘束感などを感じる面も多々あるが、ものの書き方、作業手順、読書の勧めなど、参考になる点は多かった。

  • スティーブン・キングがなぜかハマらない

  • 小説に関する限り、いいアイデアは、文字通りどこからともなく湧いてくる。



    我々がしなければならないことは、そういったものを見つけ出すことではない。そういったものがふと目の前を通り過ぎたとき、それに気づくことである。



    まだ剃るヒゲもない若さでは、楽観主義は挫折に対する最高の良薬である。14歳になり週に2度は髭を剃るようになると、釘はたまりにたまった不採用通知の重みに耐えられなくなった。

  • 以前の訳と読後の印象はきっと似ているのだろう。が、なぜか今回は、よく伝わったような気がする。言っていることがよくわかる。イコール書けるではないけれどいい話が聞けたなぁという感じはする。キングのケースについて具体的で彼以上に説得力のある書き手はそう何人もいない。丁度いいバランスの書き手だと思う人にはとても参考になると思う。

  • Twitterで良いと言われていたので購入。
    書くと言うことに、キングがいかに真摯であることが分かる一冊であった。
    キングの本初めてがこの本だったのだが、大丈夫かな?

    「書きたいものを書く。友人や人気出そうな話を掻こうとしない、失敗するから」という一文に勇気をもらった。

  • やる気でる。
    要再読。

  • いつだって始める前がいちばん怖い。始めたら、それ以上は悪くならない。(スティーヴン・キング)

  • A great great great book! キング、生きててくれてありがとう!

  • みほさん

  •  軽い前書きの後、まずはスティーブン・キングの生い立ちが描かれる「履歴書(C.V)」p.13~。子供のころの家族との思い出、タビー(奥さん)との出会い、そしてもちろん、これまで手がけた小説の紹介といくつかの創作秘話、彼の成功と失敗の軌跡などが本書の三分の一ほどを占めている。これだけでも一つの小説(一人の架空の主人公の自叙伝)としておおいに楽しむことができる。タビサと出会えたことは最大の幸運であり、幸福であったのだろう。うらやましい限りである。
     後半はキング流小説の書き方が説明されている「書くこととはー(On Writing)」p.135~。以下に個人的に気になった点を箇条書きで記す。これがすべてではないし、これ以降も順次気づいたことを書きとめていくつもりである。
      道具箱を用意、段数は多くても6段、あと引き出しも
      一段目は語彙、少ないことを恥じる必要はない
      最初に思いついたものがたいてい一番よい
      大事なのは、それが適切な表現かどうか
      一段目には文法も
      受動態は好まれない、能動態で簡潔にすべき
      副詞は友人ではない、
      特に会話を説明する地の文では
      書くという作業の基本単位はセンテンスではない、
      パラグラフである。リズムを体得すべし
      初めのうちは一日千語、週一で休むのもいい、
      それ以上休むとストーリーが間延びしてしまう
      部屋とドアがいる、ドアを閉める決意も
      目標をはっきり定める必要もある
      小説は、叙述、描写、会話の三つから成り立つ
      描写は簡潔に、明白に、詩的なものもあり
      状況をしっかりと設定すれば、プロットは不要
      見せることができるなら語るな
      ストーリーに始まって、テーマに終わる
    テーマが何かを常に把握、何を書こうとしているか
      初稿は扉を閉じて書き終えてから6週間寝かせる
      二次稿は象徴性とテーマの補強
      2次稿での手直しは多いほうがいい
    統一感を出す、見直し終えたらドアをあける
    気がついたことをメモ書き、事務的作業内容のみ
      公式:二次稿=初稿-10%
     九死に一生を得た話として、p.335~「生きることについて(On Living)」が描かれている。ここを読むだけで、キングの人生がどれだけ書くことと家族に捧げられているかを知ることができる。物書きになるなら、瀕死の重傷を負った5週間後には書くことを再会すべきである。始めたら、それ以上は悪くならないのだから。

  • 2016年1月16日読了。スティーブン・キングの「小説作法」というノンフィクションの新訳文庫版。キングファンの私だったが未読だった、幼少の記憶からの自分語りもこの人にかかると立派なホラー&エンタテインメントだな。肝心の「書くことについて・小説を書くテクニック」も実践的。「たくさん読んで書いて、6週間置いて読み直し、推敲ではとにかく削る」というのがその極意か・・・。99年の自動車事故についても、なんとなく知ってはいたが読んでみて「死んでいても全然おかしくなかった」その状況に改めてぞっとした。生きていてくれてありがとう、「最近のキング作品は変わった・つまらん」なんてことは間違ってももう言わないし書かないよ・・・。

  • ホラーが好きでは無いので、好きな作品もあまりないが、それでも作家としては力を思い知らされると思う本著者、書くことについてと言うことで、興味を持って読む。

    著者が子供の頃から接した書くことについて、ホラー作家なので、暗い体験の事やトラックに引かれ瀕死の状態になったことなど生々しい体験踏まえての書くことについて。作家の様子のイメージが膨らみ、とても興味深く読んだ。
    今年私自身も初めて小説を書いてみて、楽しかったのもあるし、初めてにしては上出来じゃないか、地道に少しずつ続けてみようかなと思ってみたが、本書を読み、そんな中途半端なもんじゃないよじゃとボッキリ心を折られる。

    ミザリーを読んでみようかな。

    【学】
    あなたが何かを書けば。必ず誰かにこきおろされる

    ドアを閉めて書け、ドアを開けて書き直せ

    公式 二次原稿は一次原稿の10%マイナスの文章量にせよ

    いつだって始める前がいちばん怖い。始めたら、それ以上は悪くならない

    これは小説作法全般に当てはまることだが、いい会話を書く秘訣は誠実さにある。誠実で有ろうとすれば、非難の嵐を覚悟しておく必要がある。私のところにも言葉が下品だとかのおしかりの手紙が一週間以上来ないことはない。

  • 小説を書くことについて書いているけれど、その経緯や考え方はデザインを、考える時や漫画のストーリーを考える時と同じものがある

  • スティーヴン・キングさんの本を書くことに対する流儀がよくわかります。11/22/63とか面白く読めたですし。とにかく本をたくさん読んで表現を学べということに尽きますね(自分は文才がないので書けませんが…)。

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著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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