世界史としての日本史 (小学館新書 は 9-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098252800

感想・レビュー・書評

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  • レビュー省略

  • 日本史を考える際には、その当時に世界では何が起こっていて日本にどう影響を与えたかということも考えないと本当の意味での理解はできないという当然といえば当然のことだが、日本の歴史教育では、そこがなおざりにされている。

  • 週刊ポストの対談で歴史的要素はあまりない。読者層にレベルを合わせたのか、歴史好きのサラリーマンに歴史作家がお付き合いをしたという印象。特にサラリーマン出口氏にはコンプレックスが感じられ世界史至上主義なので自虐史観で話を面白おかしく盛ろうとする(自尊史観も劣等感の表れには同意)。年齢差による上下関係も顕著であり対談本の悪い所が出ている。独特の歴史認識で総じて面白いとは思うのだが、この2人を指して「巨頭」は言いすぎでしょう。
    確かに、日本を相対化すれば、地理的には田舎で辺境だし世界史的に見て歴史は浅い。が、文明と文化は違うわけで、日本に限らず文化的にはどこも特殊。そこを意識的に否定しつつも無意識的には気が付いているのか、序盤早々から歴史は関係なくなって日本(人)論という比較文化の話になっている。あとは時事放談(半藤ヨイショで昭和史に関連付けてはいる)で、日本史の話は少ない。企画モノなので仕方ないかな。

  • 面白かった。

  • 『昭和史』『日本のいちばん長い日』で知られる半藤一利氏とライフネット生命代表取締役兼会長の出口治明氏の対談本。ともに歴史に造詣が深い方かつ、流れや補足説明がきちんと盛り込まれているので読みやすい。

    2020年の新学習指導要領「歴史総合」にもつながるような「世界史の中の日本史」が描かれている。グローバル化かナショナリズムかが問われる現代だからこそ、世界全体を見渡し、戦後から現代へのつながりを見つめ直す、契機となる一冊。

    特に印象的だったのは以下の2点。

    ・自尊史観(日本は素晴らしいと語ること)は、自虐史観の裏返しで、元を辿れば同根である

    ・「経線思考」(本来は違うのにイエスと言い続けて現実との乖離がどんどん大きくなると、もはや後戻りができなくなること)によって、日本は戦争に負けた
    例)日露戦争で息も絶え絶えになんとか勝利した戦況を、国民の戦意喪失を恐れて正確に伝えなかったために、日比谷焼き討ち事件が起こり、反米感情が生じてしまった

    また、理解を深めるためのブックガイドつきでさらに深掘りしたくなる。全ては難しいが、幾つか読んでみたいと思う。

  • こんな狭くて国境線がやたら長い国土で真ん中に大山脈が走っていて、平野部は海岸線にしかなく、そこに原子力発電所が50以上もある。こんなに守りづらい国はない。守ることなどできない。それこそリアリズム。

  • 最近思う、日本のメディアリテラシーの無さに対して、少し回答が得られるような対談。個人的なまとめとしては、もっと多視点から物事見ようぜ!ってこと。多視点を得るには色々な視点を積極的に手に入れないといけない。

    では、どうやって手に入れるか?。ヒントとして、日本史と世界史両方から見ていくことが大切という事に気づけた。この時点で少し視点が増えたことになるわけで。

    偉大な人生の先輩方から学ぶことが多すぎる一冊。もっと勉強、旅しよう。

  • 近年よくある、〈日本は、日本人は素晴らしい〉といった本やTV番組に不安感を抱いていた。
    日本が特別な国だと思いたい気持ちは理解できるが、冷静にその思い込みを捨てたほうが良いと思う。
    自尊史観の危うさを見事に喝破してくれた。

  • <目次>
    第1章  日本は特別な国という思い込みを捨てろ
    第2章  なぜ戦争の歴史から目を背けるのか
    第3章  日本が負けた真の理由
    第4章  アメリカを通してしか世界を見ない危険性
    第5章  世界のなかの日本を知るためのブックガイド
    第6章  日本人はいつから教養を失ったのか

    <内容>
    『昭和史』の半藤一利さんと『全世界史』の出口治明さんの歴史をキーワードとする対談集。二人の意見は一致していて、”無教養”な日本人(それは、現在だけでなく、明治期はOKだが、戦前の指導者も無教養だったと著者たちは言う)が、日本を誤った道へと導きつつある中、世界史を踏まえた日本を学び(それは「本」を読むことに尽きるが)、殊に20世紀の歴史が大事だとする。そういう意味で、高校の歴史の教科書を通常の形でやると、1年間では到底20世紀には到達しない、私たちの教え方(もしくは教科書の配分)に問題があるのだろう。しかし、学校のせいにせず、自ら学ぶ姿勢がここでとても大事になるわけで、このテキストは多くの人に読んでほしい。

  • 対談形式なので、さらさらーと読める。
    主に世界大戦の話。エッセンスをかいつまんで読めるのがよいと思う。
    青銅器は文藝春秋(p24)という表現が、面白かった。

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著者プロフィール

半藤 一利(はんどう・かずとし):1930年生まれ。作家。東京大学文学部卒業後、文藝春秋社入社。「文藝春秋」「週刊文春」の編集長を経て専務取締役。同社を退社後、昭和史を中心とした歴史関係、夏目漱石関連の著書を多数出版。主な著書に『昭和史』(平凡社 毎日出版文化賞特別賞受賞)、『漱石先生ぞな、もし』(文春文庫新田次郎文学賞受賞)、『聖断』(PHP文庫)、『決定版 日本のいちばん長い日』(文春文庫)、『幕末史』(新潮文庫)、『それからの海舟』(ちくま文庫)等がある。2015年、菊池寛賞受賞。2021年没。

「2024年 『安吾さんの太平洋戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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