作品紹介・あらすじ
禁断の男女×逆転STORY、ついに完結!
男らしい姫君と女らしい若君。
それならいっそ、とりかえてしまいませう―――
性に翻弄された沙羅と睡蓮、二人の姉弟が選ぶそれぞれの道とは…!?
激動の完結巻!!
【編集担当からのおすすめ情報】
「円舞曲は白いドレスで」「花冠」「少女革命ウテナ」と数々の名作を生み出してきたさいとうちほ先生の新たなる代表作が、ついに完結!
生まれながらの性と、生きていく性の役割に翻弄されてきた姉弟の数奇な運命。
その結末をぜひ、見届けて頂ければと思います。
感想・レビュー・書評
絞り込み
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すべて解決の最終巻。
内裏炎上などスぺクタクルありで、クライマックスらしい展開。
混乱の中、帝の前に現れた二人の沙羅双樹の右大将。でもバレたら絶対絶命と思いこんでいたのは、当人たちのみなんじゃない? だって、沙羅を好きな帝は、さほど気にしている風じゃない。(うすうす分かってたんだよね?)これまでの関白左大臣家の皆さんの苦労は、一体何だったのか?というぐらいの拍子抜け感。
また、沙羅の悪美僧やっつけ方は無理があるだろう。あの態勢でああいう風に刀は使えないんじゃ??
物語は沙羅が妃になった後もタラタラ続くので、もうちょっと大団円に工夫がほしかった。
ただ、最後の梅壷の扱いとか優しい終わり方だとは思う。
沙羅と睡蓮の真相を知らない石蕗が、最後に睡蓮にからかわれる場面は痛快。
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銀覚が倒れる、夢を見た幻覚。
復習は火付け。
身を寄せている右大臣亭にて火を放つ。
梅壺が逃げようとした時同じ牛車に乗り込んだ幻覚。
元東宮、朱雀院にいるが、吉野の君の見舞いに行きたい。
名代として三の姫が行くことに。
梅壺と一緒に幻覚が内裏に。
そこで沙羅に手が伸びる。
その時、持っていた睡蓮の衣装と刀に手が届き、
首を絞められている沙羅は幻覚の背に刀を刺してご加護の水晶を投げつけて難を逃れる。
最後の力を振り絞り、幻覚は内裏に火を放つ。
お上を守りたい一心で、男の姿をして沙羅は駆けつける。
ご動座(移動すること)を進言して、決意するお上。
沙羅だとうっすら気付いている様子。
お上の輿が襲われ、逃げた先で沙羅と睡蓮は男姿で鉢合わせ。
沙羅の持っていた水晶をお上が「天に聞いてみよう」と空にかざすと雨が・・・
その時、関白左大臣が駆けつけ、我が家に身を寄せてくれと申し出る。
それを受けてお上は左大臣家へ。
その時から沙羅は、女御となった。
銀覚は死んだと報告があり、幻覚は背に刀が刺さったまま焼けていたと聞いたと。
沙羅の付け毛は幻覚と争っている時に引っ張られ取られた。
一夜を共にした沙羅は、お上に全てを打ち明ける。
桜の夜に姿を消したこと、一度ややを授かって死産したこと。
それでも女御にという望むお上。
吉野の宮は倒れて、朱雀院に運ばれていた。
実は、元東宮の父は吉野の君。
育ての親は朱雀院。元東宮は何も知らない。それでいい。
三の姫は吉野の君に惹かれている。
一緒に過ごすお上と沙羅。
ついに懐妊。
内裏に戻っているお上に、沙羅が倒れたと知らせが届く。
嫌な夢を見る二人。
巻き付いていた珠が弾けて事なきを得る夢。
そして無事男子出産、沙羅も無事。
梅壺は出家しようとお上に申し出る。
その時、幻覚に貰った数珠を祈祷させたことを告白。
出家した梅壺に弓弦親王を引き取ってもらう。
元東宮は睡蓮と一緒になる許しを得る。
三の姫は一途に元東宮の元に居るが、想い人は吉野の君。
良き日が続いていく。
上手くまとめたなぁ、流石!
アレコレ色んな人が書いてるが、漫画バージョンは初めてなので、非常に面白く読ませていただきました!
いや、やっぱり面白い物語だよ、コレ!
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最終巻は、誰も彼もが幸せな大団円。
そういう意味では、これまでの物語が収束していくだけで、ちょっと物足りないところもあったけど、ハッピーエンドってそんなもんだな。
原作とはだいぶ違った終わりかたで、しかしこちらの方が現代的で、女性の幸せを優先させている分、とてもいい結末だったと思う。女東宮も両思いになれたし、帝はすべて別ったうえでふたりを受け入れたし、沙羅双樹(涼子)も心から幸せになれたし、不幸なまま打ち捨てられる幼子はいないし。梅壷でさえ、最終的に沙羅双樹の命を救う手助けをして、あんなに望んでた子どもを得たわけだし、素直に良かったなーと思えた。
石蕗が最後の最後で混乱するのは、原作どおりで、彼のおバカさんぶりが際立っていて、おもしろかった。
ドラマチックなストーリーと、優雅で華麗な絵柄が最高にマッチしていた、すばらしい作品だった。さいとうちほは洋風乙女ちっくな話が多いが、実は平安時代ものに向いているのでは?
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完結。
あー、終わったって感じです。最後までハラハラしてしまいました。
何事にも強い沙羅が主上の前では、本当にただの女の子になってしまう時が、とにかく可愛いのと切なくなっていました…。本当にこの結末を待っていて、予想通りであっても満足でした。
最初は嫌な感じの姫たちも、最後には可愛くなっていて好きでした。
個人的に…この最終巻だけ、バタバターって終わったイメージがしてしまい、もっとゆっくり読みたかったな。と思ってしまいました…。
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「女は、初めて契った男に背負われて三途の川を渡る」という、原典にもある言い伝えを、「好きな男に背負われて、天の河を渡り生還する」に置き換わっていく展開が見事。
石蕗が、双樹が男と知るラスト、原作通りの滑稽さが際立っていてよかった。
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おもしろかった。
つわぶきはもっと痛い目にあってもよかった。
男どもがみんなホモホモしかった。
男装の麗人にときめくのは本能的な面では自然なのだが、頭では男と思っておきながらもんもんとしているので問題であるし、男の娘にときめくのも問題である。
男は同性愛者しかいないのか。
睡蓮と東宮の取り合わせに関しては百合っぽい印象はなかった。清らか。なぜか。
講談社学術文庫の『とりかえばや物語』も買ったのでまた読んでみる。
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完結したので後半一気読み。
まどろっこしい問題が愛の力で解決し双方ハッピーエンド。
石蕗はなんだかんだで最後まで憎めないし不憫だし。
吉野の君がすてきです。
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完結おめでとうございます。
最終巻待ってた。
吉野の君、P127のシーン可愛い。
幸せになってくれ(>_<)☆
帝、ぶれなくて格好良かった。ちゃんと迷うけど進んでいく。
たまに、女だけ貞節が求められるの何やねんって思う。貞節なくても人生は続くよ。選んだ事じゃなくても、自分だけで終わらせられないのままならぬものよ、って感じです。本人の心の落とし所次第だよね。
赤子誕生の所で、「国中の罪人に恩赦を」と命じるシーンが印象的。昔の人って、こういうお触れ出してそうやなって。
作者が言ってた「男として出世したり、女になっても最強の勝ち組になった沙羅なのに「ちっとも喜んでいない」」という所も印象的だった。せやろなって。
自分で選べる事と、選べなかった大きな物に飲まれ(運命)ってあるもんな。
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さいとうちほの作品