- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101001562
作品紹介・あらすじ
肉親の失踪、理不尽な死別、名前の忘却…。大切なものを突然に奪われた人々が、都会の片隅で迷い込んだのは、偶然と驚きにみちた世界だった。孤独なピアノ調律師の心に兆した微かな光の行方を追う「偶然の旅人」。サーファーの息子を喪くした母の人生を描く「ハナレイ・ベイ」など、見慣れた世界の一瞬の盲点にかき消えたものたちの不可思議な運命を辿る5つの物語。
感想・レビュー・書評
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村上春樹氏の身近に起きたらしい都会の綺譚5編。
「偶然の旅人」
見知らぬ女性との偶然の出会いから、絶っていた家族との交流を果たしたピアノ調律師。
「ハナレイ・ペイ」
サーファーの息子を海で突然失った母親。彼を見つめるその後の人生。
「どこであれそれが見つかりそうな場所で」
都心のマンションの階段から突然失踪した男性を捜索する男。
「日々移動する腎臓のかたちをした石」
運命に関わる女性は3人と教えられた男。その二人目の女性との出会いと別れ。
「品川猿」
名前を忘れてしまう女性の本当の心の闇。
省略しすぎたかしら、読んでも思い出せないかも。
東京が舞台というところが魅力的。
短編とはいえ、村上春樹氏っぽい文章の流れと折々の会話。ですから、綺譚なのですが、あらそんなこともありそうですねと受け入れてしまう。
「どこであれ〜」が、日々東京の何処かでこんな事が起きていそうで好きですね。「品川猿」は、綺譚というより、通常の村上春樹という感じでした。-
おびさん、こんばんは(*^^*)
おびさんの“好き”なポイントがとても素敵ですね。
「品川猿」は他の短編集で読みましたが、苦手意識のある村上...おびさん、こんばんは(*^^*)
おびさんの“好き”なポイントがとても素敵ですね。
「品川猿」は他の短編集で読みましたが、苦手意識のある村上作品の中でも、いいなぁと思える話でした。2022/05/07 -
ひろさん おはようございます。
コメントありがとうございます。
村上春樹さんの作品の中では、文章が具体的でなじみやすいですよね。
なので、こ...ひろさん おはようございます。
コメントありがとうございます。
村上春樹さんの作品の中では、文章が具体的でなじみやすいですよね。
なので、これは、本当にフィクションなのかもと思って読みました。
最後に「品川猿」で我慢できないで 村上調作品投入したとか。
ゴールデンウィーク忙しかったでしょう。
明日から 仕事かな?
ラスト1日 頑張ってね。2022/05/08 -
おびさん、おはようございます(*^^*)
ほんと、ノンフィクション?!って感じさせられますよね♪苦手と言いつつ、いつかまた村上作品に挑戦して...おびさん、おはようございます(*^^*)
ほんと、ノンフィクション?!って感じさせられますよね♪苦手と言いつつ、いつかまた村上作品に挑戦してみようかな。
ありがとうございます( ´ ` *)
連休は保育園でのコロナ発生の関係で自宅待機で終わってしまいました。生きづらい世の中ですね。今日は久しぶりに子どもと買い物など行ってきます♪
おびさんは忙しかったですか?最終日、ゆっくり休めますように(๑˘ ˘๑)*.。2022/05/08
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日常に存在するけれど盲点になって見逃しているであろう、不思議レベルが大から小まで幅広いお話たち。
どのお話もおもしろくて、自分の身にも奇譚みたいなことが起こってたりしてと考え、楽しくなるのです。 -
短篇集です。『神の子どもたちはみな踊る』よりこっちの方が好みです。まあ、とにかく村上さんらしい作品集です。
村上さんはファンが多いと思いますが私はいつも理解できた気がしないです、小説が終わっても放置され取り残されたような気分になる。だからと言って好みじゃないということもないのでこれからも読んでいくでしょう。
『品川猿』はけっこうお気に入りで、『一人称単数』の中の『品川猿の告白』はぜひとも読もうと思っています。 -
初めて惹かれた一冊。
カバーに惹かれたのか、奇譚だからか惹かれたのか、いや、確実に村上ワールドに、しかも初めて惹かれた。
なんだかずっと苦手だと思っていた食べ物の美味しさを初めて知った時のような感覚。
喪失を軸に描かれる不思議なストーリーはコーヒーがドリップされて一滴ずつ落ちていくように、心に静かに沁み渡り、やがて言葉にするのが難しい感情で心が満たされていく、そんな世界だった。
「ハナレイ・ベイ」のサチの平静と動揺、このコントラスト、言葉が倍の感情の波になって押し寄せてくる感覚、そして彼女の心の叫びが確実に心のど真ん中へ響く感覚にたまらなく魅了された。 -
5つの話が収録されているが、“どこであれそれが見つかりそうな場所で“と、“品川猿“が特に面白かった。前者は推理もののようでありながらファンタジーで、後者は何より猿が面白くて笑ってしまった。よくこんな猿というキャラクターを思いつくものだと思った。
「猿の分際でとんでもないことを言うやつだ。」p241 -
2005年発表の短編をまとめた作品集。
猿‥‥かぁ‥‥ -
村上春樹氏の文章のリズム、久しぶりに堪能。
長期に渡り積読してた本書は、5話短篇集。
どれも腑に落ちない、釈然としない感の不可思議な物語。まさに【奇譚集】
何かを失い、そこから導かれるように前に向かって歩き出す。読了感は良し。
「偶然の旅人」は春樹氏自身が冒頭で登場し、実話を元にしてると念を押しているところが楽しい(^^) -
「偶然の旅人」「ハナレイ・ベイ」「どこであれそれが見つかりそうな場所で」「日々移動する腎臓のかたちをした石」「品川猿」の5篇収録。
仲違いしたままだった姉弟の身に起こったシンクロにシティを描いた「偶然の旅人」、ハワイのカウアイ島でサーフィン中にサメに襲われて無くなった息子を偲んで毎年カウアイ島を訪れるピアニストの心の情景を描いた「ハナレイ・ベイ」の2篇が結構良かった。
後との3篇は、風変わりで比喩的でちょっと訳がが分からないところのある、著者らしい作品だった。