ひざまずいて足をお舐め (新潮文庫)

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  • 新潮社
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レビュー : 104
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101036120

感想・レビュー・書評

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  •  というわけで、久々の小説レビュー。
     ちょっと……っていうか、だいぶ。
     読むのに苦労しました。
     うん。疲れた。
     1回挫折して、もう1回最初から読み直したんだよね、この本。ふぅ。
     こんなことになったのは、源氏物語以来だ……(源氏物語は2回挫折して、いまだに読みきれてない)

     とりあえず、この本の読みにくいところは。

     改行が少ない。
     えぇ、驚くほどに。

     会話がめちゃくちゃ。
     カギカッコ使ってないんだよ、あんまりっ!!

     というわけで、ちょっと読むのに挫折しそうになったこと∞。
     なんていうか……1ページ分くらい改行なしなんてざらっ!!
     字、字、字、字っ!!
     普段、この人の話って読みやすくて大好きなんですけど、これ、読みにくいっ!!
     初期の頃の作品だからそうなのか、それともこの本だけ特別なのか……。
     あんまり年代を意識してこの人の本を読んだことないからよくわかってないんですけど……。
     疲れた……。

     おまけにその改行なしの文章の中で、2人分の会話が入り混じってたりして、もう頭は大変なことに……。
     どっから何処までがどっちの会話なのか、ちゃんと頭を使わなきゃわからない。
     うへー……って感じ。
     おかげさまで、たいそうな時間をこの本1冊で潰させていただきました。

     でまぁ、肝心の本の内容なんですけど……。
     この本、実はこの作者さんの自伝的な小説らしいです。
     だとしたらあれだ。
     この人、スゴイ人生送ってるんだね……(苦笑)
     これくらいのすごい人生送らなきゃ、この人みたいな雰囲気の小説って書けないって言われるんだったら、僕、この人みたいな文体は諦めるよ。
     もう、絶対的な経験値が違うもん。
     レベル1の勇者が、ラスボスにケンカ売るみたいなもん。
     それくらいに全然格が違う。
     むしろ、僕は勇者ですらないかもしれない。(苦笑)
     おもしろいけどね。
     とりあえず勝負は、この文体に慣れることができるかどうか、だと思う。
     慣れたら、割とまぁまぁ、すらすら読めるようになる……と思う。

  • 山田さんの小説はなんか…どことなくかわいらしいかんじがする…。

    『どういうこと?なんて山城さんに目で問いかけると、彼は解ってくれよって言いたげに私を見る。ねえ、食べてって言って、リリーは私に柏餅を差し出すけど、私は困っちゃった。だってそれって、髪を巻くカーラーを柏の葉で巻いたものなんだもの。この女の子は普段は狂ってるようには見えないんだけど、何かの拍子に時々おかしくなるんだよね。そんな時、不気味な程、この子は綺麗に見えるから恐いくらいなんだ。』

    『若い女と寝る機会を持てるってことだけでもお金を払う価値あるってさ。~自分よか若い女、しかも、自分がそれを買うだけのお金を持ってるってことで、すっごく自分のことを上に思えちゃうんだってさ。~結局、そういう男たちは若い女の体を買うことで、自分の価値を買ってるんだね~もっとも、若い女なんてたいしたことないよって思う出来た男たちはそんなふうにお金で女を買おうとしないものだけどね、~日本人のおっさん連中ってさ、体に対するお金はけちるけど、媚に対するお金は絶対にけちらない。~良心だとか、人を好きになる気持ちだとか、そういうものを刺激されるってのが、すごく嬉しいのよ、彼らは。~お金を結局、自分自身を好きになるために使ってたの。』

    『うちの父親の会社の上司の人がねえ、可愛がってた娘さんの髪を、酔っ払って切っちゃったんだ。腰まである綺麗な髪だったんだけどね。で、その娘さん、自殺しちゃったんだよ。~でも、そのお父さん、ショックで会社も辞めちゃったみたい。何で、運命が変わるか解らないねえって、私とちかは顔を合わせてつくづく言う。狂気って幸福と隣り合わせなんだよ。』

    『母親は、だから、いつも暗い目をしちゃってさ。何だか、おじいちゃんの面倒を見るためにやとわれた奴隷みたいだったなあ。きっと、おじいちゃんと、おばあちゃんも、愛し合ってなかったんだろうねえ。』

    『差別って、たとえされたとしても相手に劣等感を持っている場合においてだけ、傷つくものだからね。』

    『嫉妬って、自分を可愛がっているからこそ、起きる感情だと思う。~でも、私の動きによっても隙間は出来るんだってこと、今さらながらに、気付いたのね。~同じ立場に男と女はいつでも立てるんだって思ったのね。』

    『私、憎いと思い始めていた。私よりも彼女に降りかかった幸運がね。考えてみれば、彼女がどんどん美しくなる速度より、私が、どんどん醜くなって行く方がずっと速かったかもしれないのにね。その時の私にそんなこと気が付く余裕なんてなかった。~私、口をきけなかったな。私のしたこと、一体、何だったんだろうって。』

    『いいじゃないの。そうやって生活してて、結局毎日苛々してんのはあの娘なんだからさ。~ここにいる時はあの娘のことで頭に来たりしちゃうけどさ、ここを一歩離れれば、あんな娘のこと考える時間なんかないじゃない。でも、あの娘にとってはそうじゃないじゃない。何で、私がこんなことしてんのよってのが店の外までずっと心の中にあってさ。ずっと苛々してんのよ。ああいう娘にとっちゃ、嫌なことがすべてだからね。気の毒じゃないの。』

    『ようく見るといいんだ。人間、誰でも体の造りは同じだってね。どんなに綺麗な造りの人間だって、どんなにいいお育ちをした人間だって、四つん這いになってる恰好なんて誰もが同じなんだから。人間の優劣を決めるものなんてそんなとこにはないんだよ。』

    『もう、大好きでねえ、見てるとなんだかにくったらしくなって、ほっぺたつねったり、けっとばしたりして喧嘩をしかけちゃうくらいなの。もっとも、向こうは相手にしてないけどさあ。で、恋する相手を別にみつけちゃうの。~私と彼は求め方が全然違ってるけど、でも、お互いを必要としてるのはすごく同じ。~もう、私と彼の間って、空気みたいな感じだったから、~ねえ、ねえ、私たちってちっちゃい兄妹みたいだねって、私が言うと、うん、うん、なんて、彼、頷いてたよ。~その寝顔見ながら、私、この男と、もしかして血がつながっているんじゃないかなあなんて変なこと考えちゃったものね。~憎むなんてとても出来ないよ。』

    『どうして、同じものを書くのにこうまで違う人間たちがいるのかなって、私は時々思っちゃう。』

  • 友達から借りて。

    SM嬢のお話と言われたので、SMについての本かと思い読み始めたらそれだけの内容でなく、深い人生観をふまえた物だった。
    2人の主人公がお喋りをしながら進められていく様で、独特な書き方が特徴的であった。
    プレイの話だけでなく、その2人に関わる人々の話や、自分達自身の考え方等、とても密度が濃く語られ、まるで他人の頭の中を覗き見た様だった。
    語り手である2人の主人公の考え方もそれぞれ異なっており、様々な見方があって面白かった。
    一方の、小説家である主人公が作者によく似ていると聞いたので、作者自身の事も知りたくなった。

  • 著者の虚構的半自伝小説と銘打たれた、忍姉さんの一人称で物語られる、主人公ちかの話。「私のフィルターを通すと、私の小説が出来あがる」と言う彼女はこうも言う。忍姉さん自体が文学、だと。つまり忍姉さんの一人称を追うことでしかこの小説を読み進められない読者にとって、彼女はちかのフィルターと言うことだ。徹底した文学観念に驚く。

  • 普通という概念がわからなくて、価値観に悩まされていた時に読んだ本。読んだらスッキリして救われた。息苦しくなった時、悩んだ時、何度も読んでる大好きな一冊。

    人の内面や感性を、目を背けたくなくらいにストレートに表現していて、山田詠美ってなんて素敵な人なんだろうって思った。

  • 忍姉さん、なんかかっこいい。

    切れ目の無い会話文が、女性同士のころころ変わりながら続いていく会話を表してるなと思った。
    誰の台詞なのか分かりにくい所もあってちょっと読みにくかったけど。

  • ほんとに、SMだしエッチだし猥雑なんだけど、「下品」なのと「品がある」のとを綺麗にわけてあるような感じ。

    凄いタイトルでエッてなりそうだけど、中身は結構真面目な文学!

    名言 「今も昔も、作家は素敵に不良であるべき」は胸がすーーっとするような素敵な言葉です!

    「おねえさん」も主人公もママも素敵。

  • まあまあ。

  • ひええ、SM女王様のお仕事事情に詳しくなれるよ!

  • 図書室になんでこんな本置いたの!?と言いながら借りて授業中も読んでいた本。

    これが思春期特有の潔癖さ(笑)なのか、微妙に受け付けませんでしたが、人生色々を思い知らされるような気がした1冊です。

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著者プロフィール

山田 詠美(やまだ えいみ)
1959年、東京生まれ。明治大学文学部中退。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。同作品は芥川賞候補にもなり、衝撃的なデビューを飾る。87年には『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞受賞。89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年 『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16「生鮮てるてる坊主」で川端賞を受賞している。その他の著書に『無銭優雅』『学問』『タイニー・ストーリーズ』『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』などがある。

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