砂の器(上) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101109244

感想・レビュー・書評

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  • 言わずと知れた社会派ミステリの金字塔。上巻は刑事の執念による草の根捜査から徐々に事件の核心に迫っていく展開が非常にスリリング。しかし、下巻は一転して科学捜査に傾倒。結局、科学捜査により解明されるオチは少々興冷め気味。
    犯人が素性をひた隠しにする理由についても、もう少し掘り下げて欲しいと感じた。テレビドラマや映画がヒットしたのは、その辺りの描写を原作よりも深めているからではないだろうか。

  • 松本清張の名作ミステリー。なのだが、今読むと時代の臭いが濃すぎてなじめなかった。トリックもまあなんだか。テーマ的に読後感もすっきりしない。

  • ドラマから参戦。
    蒲田以外でも人が死んでいるのを初めて知った。
    当時の文化、風俗が垣間見られてよい。

  • 読了。
    映画が良かったので原作を手に。しかし、これは映画が原作を凌駕した稀有な例だと良く判った。まず事件の数が全然違うし、もうSFとすら言えない荒唐無稽な技術で人が死ぬし、映画で有名なあのシーンがたった数行だし、犯人のキャラクター造形も全然違うし…。でも、松本清張って社会派推理作家と言いながら、結構荒唐無稽なトリック使う傾向ありかも。怪奇作家みたいに言われる横溝正史の方が、実はプロットとトリックは本格的だったり。

  • 読んで損はなし。

  • 映画を観た後読んでみた。
    読むのが辛かった記憶が・・・

  • 再読。

    ご都合主義に進んでいく感じと、人物描写の淡々さには
    名作と言われても首を傾げることも。

    時代が違うから、というわけでもないような。

  • 何度もドラマ化されてるし、評判もすごくいいようなので読んでみた。
    期待度が高すぎたせいか「…」という感じがした。
    上巻と下巻の間に我慢しきれなくてネット検索したら「ハンセン病への差別が書かれてる」といったような内容が書かれていたから、てっきりこれは読み進んだら親子の放浪生活が書かれているんだな、と早合点してしまったせいもあるかもしれない。


    ハンセン病と言えば、何年か前に九州のホテルで宿泊拒否があったことで差別のことを知った私だけど、その時はまだどんな病気か知る由もなく。
    そういえばもののけ姫に出てくるタタラバの人たちが、なぜミイラみたいに包帯を体中に巻きつけているかもわからなかった。何かの病気なんだなと、それくらいにしか思っていなかった。
    それよりもっと前、新幹線で顔に黒い大きなできものが何か所かあり、もう顔が変形しているような人を見たことがある。あれは今思えばハンセン病の患者さんではなかったろうか。
    一緒に乗っていた母は「ちょっと、あれなんだ?」と驚きを声に出した。自分も驚いたけれど見てはいけないんだと思って目を逸らした。声を出した母親をみっともないと思った。ひどい、と思った。けれどそれは無知ゆえだったのだと今は思う。その頃の自分達の周りにハンセン病に関わっている人がいなかったからそういった病気の存在を知らなかったのだ。もしもいたらその病気がどんなものか耳にしたり目にしたりする機会があっただろうから。


    ええと、本の内容に戻ろう。
    犯人である和賀よりも友人の関川の心理ばかり読めて。これは作者が意図的に読者を惑わす描き方をしてるにしても、ちょっとあまりにも和賀の心理が見えてこなかった。
    大体、新聞に載るくらい有名な和賀にスナックの女性たちが気づかないはずないじゃないかと思うのだけれど。いくら粗末の服装をしていたとしても。○○に似てる…くらいはあってもいいと思う。
    そして吉村は別にいなくても良かったんじゃないかしら。


    ちなみにこれをブックオフで購入したのだけど、上下巻を一度に買ったつもりが二冊とも上巻だったのは105円だったのでいい思い出です。

  • 新しく始めた仕事で、本好きの人がいました♪
    そして普通は自分から言う、「じゃ、本交換しましょうよ~♪」を初めて言われました♪

    で、借りた本第一弾。堅っ!

    松本清張って言うと、多分母ちゃんが青春時代ハマリにハマっていたであろう、ミステリーの大御所。
    ただし残念ながら、母ちゃんの青春時代だからかなり古(臭)い。
    滔々と話の本筋を、延々と追って行く感じ。もうすこし、遊び心とか気が抜ける箇所があってもいいんじゃない、とゆとりは思う。
    あまりにも堅くて一本調子だから、字面を追いつつ、「砂の器って絶対にタイトルにも意味あるよなー。どういうオチなんだろう。強固に見えたアリバイも、水が入るとボロボロ崩れる系かな。どうせおっさん刑事が最後に比喩で喋るんだろうなー。」なんて頭では他ごと考えてます。

    だって堅いんだもん。
    xxxは○○であったが、**することにした。・・・はい。了解っす。
    あまりにも堅すぎて、登場人物みんな非現実的なんだよなー。

    と、言うことはだぞ!?
    今自分が絶賛してる作家も、20年後には、「堅い、アンリアル、テンポが悪い」とかになっちゃうのか!?いやだ~~!!

  • 前から読みたいと思っていた!
    が、グロいのが苦手な私には解剖の描写などがリアルすぎて、松本氏の文章の巧みさが個人的に裏目にでてしまったようだ。

    構成もさすが、かなりしっかりしており、読んで面白いというよりは、勉強になることが多いと感じた。

著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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