- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101126012
感想・レビュー・書評
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死者の奢り・他人の足・人間の羊
が特に良かった。 -
3.64/3348
『死体処理室の水槽に浮沈する死骸群に託した屈折ある抒情「死者の奢り」、療養所の厚い壁に閉じこめられた脊椎カリエスの少年たちの哀歌「他人の足」、黒人兵と寒村の子供たちとの無残な悲劇「飼育」、傍観者への嫌悪と侮蔑をこめた「人間の羊」など6編を収める。“閉ざされた壁のなかに生きている状態”を論理的な骨格と動的なうねりをもつ文体で描いた、芥川賞受賞当時の輝ける作品集。』
(「新潮社」サイトより▽)
https://www.shinchosha.co.jp/book/112601/
目次
死者の奢り/他人の足/飼育/人間の羊/不意の唖/戦いの今日
死者の奢り
(冒頭)
『死者たちは、濃褐色の液に浸って、腕を絡みあい、頭を押しつけあって、ぎっしり浮かび、また半ば沈みかかっている。彼らは淡い褐色の柔軟な皮膚に包まれて、堅固な、馴じみにくい独立感を持ち、おのおの自分の内部に向って凝縮しながら、しかし執拗に躰をすりつけあっている。』
『死者の奢り・飼育』
著者:大江健三郎
出版社 : 新潮社
文庫 : 320ページ
受賞:1958年上半期 第39回芥川賞受賞(「飼育」) -
独特の世界観がとても良く勉強になりました。
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特に死者の奢りが素晴らしかった。どこか突き放した様な、でも肉薄してくる表現、文章。短編でなかったら、星5だったと思う。
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何気ない描写や書きぶりから生々しさというか、エロさというものが溢れ出していた。文学作品は、その作品に描かれている一種の「暗さ」みたいなものに惹かれる。
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目に見えないぬるぬるとした暗さがまとわりつく短編集。何層にも折り重なった醜悪な感情に、一つひとつ、生々しくも名前をつけていきます。
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どっしりとしていて重厚な文章。
描写のしかたは流石に凄い。
昭和初期のワケわかめな文学的話でもなく
きちんとストーリーのあるお話。
なのだが、暗いよー。
楽しさや爽やかな読後感を求めている人には不向き。 -
初めて大江作品を読んだ。
これを読んだ記憶は、そうそう消えないだろう。
読みやすく、ぐいぐい読める。
気づくと、沼みたいなものにハマっている。