細川ガラシャ夫人(下) (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101162157

感想・レビュー・書評

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  • ガラシャの事も好きになりました。



    そして・・・



    初之助と興元。然り。

  • 今年の大河ドラマを見ていて、
    この方が気になったので読んでみました。

    三浦綾子さんの作品は「氷点」とか「塩狩峠」なんかを
    中学生くらいの時に読んだ以来でした。
    歴史小説を書いているなんてちょっと意外。

    「細川ガラシャ」夫人って名前は知っていたけど
    大名の奥様でキリシタンだった、くらいしか分からず
    どんな人生だったのか
    読んでよくわかりました。

    明智光秀の娘ということで
    なかなか大変な人生だったんですね…。
    戦国時代の大名の妻というのは
    本当に人権が無くて、
    読んでいて痛ましくなってしまいました。

    三浦綾子さんだからななのか、
    “どうして細川玉(ガラシャ)がキリシタンになったのか”
    丁寧に描かれていて
    読み応えがありました。

  • 304ページ以降の玉子の凛とした佇まいと最期には、思わず私も電車で鳥肌が立ち、ひとりマフラーに顔を埋めながら涙しておりました。
    一方でキリスト教や、神を信じることって、こうゆうことなの?と言葉にできない矛盾を感じて、この本を勧めてくれたクリスチャンの友人に聞いてみたら、やはりその時代によって信仰の在り方は様々なのではないかと…玉子の生きた時代はデウス様に頼ることしかできなかったのではないかと……
    その為この細川ガラシャ夫人という本を読んで終わりではなく、いろんな角度から宗教や信仰の在り方を見ていきたいと思ったし、信長はなぜあんなにも暴君なのかということも気になる…どういった生い立ちがあって信長が完成したのだろうか…
    兎にも角にも時代に揉まれ生きづらさを感じている玉子は自分と重なる部分があった気もするし、最期まで芯の強さは変わらなかった彼女を私は見習って、頑張って生きていこうと思います(笑)

  • ガラシャのキリスト教への傾倒がひたむき過ぎて、その描写が下巻の半分以上を占めてるんじゃないかってぐらい諄かったのでちょっとげんなりしてしまった。物語は急変直下で信長から秀吉、そして天下分け目の合戦へとガラシャが混沌の時代に翻弄され、女身としての口惜しさは上巻からずっと口にしており、しかし洗礼を受け、”御神のおぼしめすままに”を受け入れたあとの清々しさ。これがガラシャの真骨頂、時代を作った女傑の一人と謳われることになる。戦国時代、男は戦に出兵して死に、女は嫁いで死ぬ。哀れな時代であったからこそ、その悲しみや恋しさを詠まれ数多くの歌が生まれたんだろうなと思う。下巻は多くの歌が綴られており、今まであまり興味がなかったが感慨深く何度も読み直してしまった。
    ラスト、思わず落涙してしまった。史実であったかどうかはさておき、笛がことりと焼け跡にたたずんでいる風景を想像した。

  •  本巻では、本能寺の変直前から細川ガラシャが没する関ケ原の戦い直前までを描く。
     細川ガラシャという人物はキリスト教の教えに従い天寿を全うした印象が強いが、キリスト教の洗礼を受けたのは死の約10年前と割と短め。それでも洗礼を受ける前からキリスト教思想の影響を受けていたことが伺える。
     周りの人への慈愛と信仰に則った凛とした姿勢に思わず感嘆してしまう。

  • 女性が自分の意思を持って生きることが難しい時代に、芯を持ち生きるガラシャ夫人の強さに惹かれた。

    三浦綾子さんの作品では、キリスト教について触れられることがよくある印象。今回もキリスト教がかなり物語の鍵となっていた。

    宗教について色々と問題がある昨今。宗教とは何かと考える機会が多い中、この本に出会えてよかった。

    私自身には信仰がないため、信仰する人の気持ちが分からない。しかし宗教の在り方が、この本を読んで少し分かった気がする。

  • 最後に書かれているように、この人の生き方は、このあとの関ヶ原の戦いに少しは影響を及ぼしているのかもしれないと感じた。

  • 歴史小説の割に登場人物が少なく、敵味方もはっきりしていてとても読みやすい。光秀とガラシャを美しく描くために、信長秀吉三成がかなり悪役になっている。

  • ずっとガラシャ目線で物語が進んでいく
    少しはほかのキャラクターの心情があってもよさそうなのに
    上巻に出てくるオリキャラさえ知ってしまえば、下巻だけよんでもよさそうな気がする

  • 後半、ガラシャ夫人の生きざまに圧倒されつつ読み進んだ。キリシタンとしての信仰については、この著者ならではの作品になっていると思う。「み心のままになさしめたまえ」という言葉が頭から離れない。登場人物では、初之助に惹かれた。著者の創作部分かな?

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著者プロフィール

1922年4月、北海道旭川市生まれ。1959年、三浦光世と結婚。1964年、朝日新聞の1000万円懸賞小説に『氷点』で入選し作家活動に入る。その後も『塩狩峠』『道ありき』『泥流地帯』『母』『銃口』など数多くの小説、エッセイ等を発表した。1998年、旭川市に三浦綾子記念文学館が開館。1999年10月、逝去。

「2023年 『横書き・総ルビ 氷点(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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