- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101162157
感想・レビュー・書評
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暴君のぶながのむごい仕打ちに耐えかね、ついに明智光秀は織田家に叛旗をひるがえした。しかしその天下はあまりにも短く、玉子は逆心の娘として苦難の日々を過ごすことになった。 父母一族は亡び、夫や子とも引き裂かれた玉子は、秀吉のキリシタン弾圧の中、洗礼を受けることを決意する…。強者の論理が支配する時代に、命をかけて信念を貫いた細川ガラシャの生涯を描く感動の歴史ロマン。キリスト信者ならではの視点の著者初の歴史小説。
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感情表現がすごく豊かですっと入り込めます。もちろん玉子は立派な人なのですが、忠興よりも彼をとおしてキリストを愛しているという感じで、その二人の心の埋めようのない距離がかなしい な…
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○2008/06/17
まさかというか、歴史小説でこんなに感動すると思わなかった。ドラマ・映画でよくあるように、その時スポットの当たった人物にすごく肩入れしてしまう、っていうの自分にはないと思ってたんだけど……うん、ガラシャが好きになりました。
玉子の的を得たというか、真っ直ぐで正直な言葉が一つひとつ沁みる。"生きのびることの厳しさは、同時に醜さ、むなしさでもあると玉子は侘しかった。"
前半の夫婦離れ離れになる切ない時期から信仰へと移って、最後のあたりがものすごくいい。特に初之助にぐっときた。
忠興との最後の場面に"逢ふと見てかさぬる袖の移り香の のこらぬにこそ夢と知りぬる"が来たのが、味土野でよりも印象的。
上下巻で下巻の評価の方が高くなるなんてことが初めての本だった。もらえてよかった。これはまた絶対読み返したい。 -
一気に信仰に目覚める玉子。
キリスト系書物を暗唱できるようになったり、すごい力。
まわりの人々もどんどんキリシタンになっていく。
…うまくいきすぎやせんか?
「信仰は人ぞれぞれ」という細川幽斉の考えが、私にはうらやましい。 -
上下イッキ読みしました。泣けました。明智夫妻がとてもステキです。細川夫妻もナイスです。忠興のイタさがいいんです。
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私が最も敬愛する人物、細川ガラシャの生涯を描いた本。
私もこのくらい自分の信念を貫き通す生き方がしたいものです。 -
クライマックスを地下鉄から自宅に帰る途中で迎え、涙をこらえるのが大変だった。読み終わってからウィキ先生にガラシャ、高山右近、細川忠興、興元、子供たちのことを聞いてみた。史実に近いが、やはり歴史小説なだけあって、小説の部分がかなりあったが、それを知らなければ、知っていても読んでいる時は三浦綾子の世界が真実に思えてしまうほど、上手く融合してある。ガラシャの話がヨーロッパでオペラになっているとは!是非演じてほしいものだ。(2007.3.31)
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玉子がキリスト教を信じるようになります。
三浦綾子らしさ全開。 -
暴君信長のむごい仕打ちに耐えかね、ついに明智光秀は織田家に叛旗をひるがえした。
しかしその天下はあまりに短く、
玉子は逆臣の娘として苦難の日々を過ごすことになった。
父母一族は滅び、夫や子供とも引き裂かれた玉子は、秀吉のキリシタン弾圧の中、洗礼を受けることを決意する…。<br><br>
玉子はとても聡明で自分を持った強い女性でした。
洗礼を受けた「ガラシャ」は、最後まで強く聡明でした。
そのガラシャを、幼い玉子の時代から見続け、苦難の日々も影から支え、最後も見とげ、自害した「初之助」という人の生涯にもとても興味を持ちました。
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少女漫画的時代劇。
明智一族の少女漫画ぶりはなかなか。