七瀬ふたたび (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101171074

感想・レビュー・書評

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  • 七瀬は列車の中で二人の精神感応者(テレパス)と出逢います。
    ひとりは3歳の男の子で読唇術を持ったノリオ。ノリオは継母に連れられて虐待されています。
    もう一人は予知能力者の青年岩淵恒夫。恒夫とはあまりよい出逢いではなかったけれど、最後に再登場したところでは泣けました。

    列車事故から救ったノリオ(継母は事故死)と七瀬はアパートで一緒に暮らしはじめます。

    そしてまた、七瀬が働く高級バーのバーテンで黒人のヘンリーは念動力があります。

    ヘンリー、ノリオと隠れ家を探しに船旅をしている時に漁(すなどり)藤子という時間旅行者(タイムトラベラー)とも出逢います。

    そして超能力者抹殺集団である、刑事を装った集団と一揆打ちをすることになりますが…。

    実らなかった初恋。
    失った仲間。
    七瀬はこれから一人でどこへ行くのか。

    テレパス同士の対決シーンは読みごたえがありました。

    超能力者は同胞のいるところでない限り、たとえそこが故郷であったとしてもやはり異邦人なのだーというテレパスの定めが哀しかったです。

    • アールグレイさん
      まことさん、こんにちは(^_^)/

      コメントをありがとうございました。
      是非とも本の紹介を!
      実は、ブックリストにもあるのですが、お正月に...
      まことさん、こんにちは(^_^)/

      コメントをありがとうございました。
      是非とも本の紹介を!
      実は、ブックリストにもあるのですが、お正月に弟に買わせた3冊、ということで原田マハさんの本が2冊手元にあります。以前フォロワーさんに影響を受けてからずっと、いつか読もうと思っていた、総理の夫。映画でありましたが、キャストが気に入らないのです。極力、TVの宣伝から目を背けていました。
      この本と家族八景、まことさんのレビューを読んで興味を持ちました。これも読みたい。
      でも、お薦め本をよろしくお願い致します。
      (‐_‐)>>
      2022/03/01
    • まことさん
      ゆうママさん。

      ゆうママさんのレビューの方に返信させていただきました。
      マハさんの世界どうぞ楽しまれてくださいね!
      ゆうママさん。

      ゆうママさんのレビューの方に返信させていただきました。
      マハさんの世界どうぞ楽しまれてくださいね!
      2022/03/01
    • タロさん
      七瀬は、今まで読んだ小説の中でも、大好きで印象深い、孤高の女性の登場人物です
      いちばん好きな能力者は、佐倉魔美です笑
      どうでもいいコメントで...
      七瀬は、今まで読んだ小説の中でも、大好きで印象深い、孤高の女性の登場人物です
      いちばん好きな能力者は、佐倉魔美です笑
      どうでもいいコメントですみません汗
      2023/07/27
  • 七瀬は、美しきテレパスを持つ超能力者。超能力者であることを隠して生きる為、母の実家へと向かう。その途中、初めて自分以外の超能力者と知り合う。
    「七瀬ふたたび」NHK少年ドラマシリーズがネットにでていたので、全編視聴してみた。知っていたつもりが、記憶にないので見ていなかったのかなあ?原作より登場人物増やして、話のつなぎが詳細にしてあり面白いけど、児童用としては、かなり攻めている。七瀬のアルバイトは、ホステスだし、そこのママさんの着物の着付けが水商売風。資金調達にマカオのカジノに行ったりする。(原作のまま)

    七瀬は、他の超能力者達と安住の地を北海道に求める。しかし、超能力者を認めない組織が、七瀬達を抹殺しようと追い詰めていく。なかなか、ショッキングなラストを迎える。

  • 家族八景から続けて読了。

    この本では、七瀬以外の超能力者が数人登場するのでわくわくします。
    ノリオ(七瀬と同じ精神感応者で子供)
    岩淵恒夫(予知能力者)
    ヘンリー(念動力者)
    西尾(透視能力者)
    漁藤子(タイムトラベラー)

    前作の「家族八景」から七瀬の冷徹さも少し加わりガラッと変わった感じがしました。「ヘニーデ姫」の章は可哀そうだった。
    最終章の「七瀬 森を走る」では超能力者と組織の闘いになっていきます。
    結末はえっ。こうなっちゃうの。みたいな感じです。
    これは「エディプスの恋人」をすぐ読まないといけないのではないか。

  • 七瀬3部作といわれるが、それぞれ趣きは違う。結構、超能力を前面に押し出して戦う。映像より、小説の方が好き。

  • 火田七瀬は宮部みゆきのクロスファイア青木淳子を彷彿とさせる。超能力者の寂寥感漂う内容で、ラストは大逆転勝ちを願いましたが、残念ながら淳子と同じ結果になってしまう。七瀬に対するえげつない警察官の攻撃は恐怖でありホラーでした。読友さんの感想で、「エディプスの恋人」は七瀬シリーズ三部作のラストのようで、七瀬は生きていたのかが気になる。後で確認しよう。全体を通して、40年経っても色褪せず、性描写のドキドキ感を堪能できた。私にとって七瀬のパーソナリティは女性主人公の中で確実にベスト3に入る大好きキャラです。

  • めちゃくちゃ面白かった!!20年以上前に見た、木曜の怪談のドラマの展開が細かく思い出せる!あれは、だいぶ原作に準拠した作りだったのか。

    主人公の火田七瀬が、テレパス(心を読む)能力を持つことで、社会に折り合いをつけるべく旅を続ける話。50年前の作品とは思えないぐらい瑞々しい作品だった。これは、もう一つのSFの完成系なのでは?と思うぐらい。

    早く次の筒井康隆作品を読みたい!!

  • 「家族八景」に続く、七瀬3部作シリーズの第2作。
    前作は住み込みの家政婦としていろんな家を転々とするテレパスをもつ美少女・七瀬を通して、8組の家族模様がえがかれる作品だったが、今回は一転してSFサスペンスだった。

    ・孤独なテレパスの七瀬が、同じ能力を持つ子ども・ノリオと出会う「邂逅」

    ・ノリオと暮すため手持ちの鉦を増やそうとホステスとして働く七瀬が、店での事件に巻き込まれる「邪悪の視線」

    ・フェリーで進む七瀬たちが殺人事件に巻き込まれ、そこで新たなる能力者と出会う「七瀬 時をのぼる」

    ・テレパスを使い金を稼ぐためカジノに向かった七瀬は、とてもよく喋る“ヘニーデ姫”と出会うが、帰りの船内で自分を狙う強い意志を感じ、難を逃れようとヘニーデ姫と行動をともにする「ヘニーデ姫」

    ・七瀬たちを滅ぼそうとする不気味な集団との最終バトルをえがいた「七瀬 森を走る」

    本書はこの5つの作品から成り立っている。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    七瀬たちが次第に追い込まれ、しかもその相手の目的もよくわからず、ただ強い殺意だけは明確。
    その不気味さは後半にいけばいくほど濃くなり、逃げ場のなさに恐怖を覚えた。

    ラストシーンも「えっ、これで終わり?3部作の第2作なのに、この終わり方??」と呆然となり、すぐさま3作目を図書館で予約した。
    「七瀬 時をのぼる」も少し消化不良で、窮地をある人物に救われた七瀬がそこからどんな策で展開をひっくり返すのか?が書かれないまま、お話が終わってしまった。そこからの展開もぜひ読みたかった…

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    もんのすごく3作目「エディプスの恋人」の展開が気になっている。
    しかし真相を知ってしまうと3作目を読めなくなってしまうらしく、必死にググりたくなる衝動を抑えている。

    2作目となる本作を読んだ限りでは、これが3部作だなんて信じられないのだが、全部読み切った方にとっては納得の3作目ラストらしい。
    2022年中には「エディプスの恋人」も読みきって、新しい年を迎えたい。

    今年のサスペンスは、今年のうちに。

  • テレパス七瀬シリーズ第二弾。
    超能力者は七瀬だけではなかった。短編を追うごとに次々と増えていく、超能力者たち。彼らは敵?それとも味方なのか?

    家政婦として働き、孤独な超能力者として描かれた七瀬だったが、今作ではすでに別の仕事を転々としながら、身をやつしながら生活する。相変わらず、人の心が読めてしまうがために、のらりくらりと危機をかわしながら過ごす。

    しかし残念なことに、世の中には、超能力をよく思っていない人達もいて、中盤から、能力者と、非能力者の戦いが始まる。

    前作の日常風景から少し離れて、物語の規模が大きくなった気がします。パプリカとはまた違うテイストの世界観に、筒井康隆さんの才能、特に心理描写が色鮮やかで、書く上で非常に参考になりました。

    三部作と言われておりますが、いったいこの話、どう続くのでしょうか。そんな不思議な読後感でした。

  • 七瀬ふたたび
    テレパス(読心力)、未来予知、透視、サイコキネシス(念力)、時間遡行•••。

    超能力。

    高校時代はわくわくしたのだが、ストーリーはハードだな。

    【あらすじ】(最初のみ)
    ①邂逅
    お手伝いを辞めた七瀬は実家に戻る列車の中で、同じ能力を持つ人間に初めて出会う。

    ②邪悪の視線
    高級バーで働き、幼いノリオとアパート暮らしをする七瀬。しかし、バーの同僚が紛失した指輪泥棒の濡衣を着せられる。

    ③七瀬 時をのぼる
    北海道に向かうフェリーの中、ノリオは今にも目の前で起きそうな殺人を感知し、七瀬にテレパシーを送る。

    ④ヘニーデ姫
    マカオのカジノで生活費を稼いだ七瀬は、道中仲良くなった瑠璃(ヘニーデ姫)と飛行機の中で、何者かの”殺意”を感じ取る。

    ⑤七瀬 森を走る
    明確な意思もなく、北海道の林をうろうろする予知能力者の恒夫。自分の行動が七瀬を救うことになる予感はあるのだが。

    約40年前、前作の読後感を期待していた僕はショックを受けたと思う。(うる覚えだが)

    話を膨らませることができそうなキャラクターを惜しげもなく使い切っている感じ。

    ただ、当時最高と感じた本作は、初読から40年を経てこのくらいの評価に。

    現代の作家たちが世に送り出す小説のレベル(=面白さ)が、それだけ上がっているということなのだろうと思う。

  • 三部作の2巻目に当たる本作は、読み終わってふと思い返すとSF小説だったのだと感心する。
    特殊能力者の一致団結力はアベンジャーズを思い出させるような活躍で、映画を観ているようにすらすらと情景が目に浮かび読みきってしまった。

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著者プロフィール

筒井康隆……作家、俳優。1934(昭和9)年、大阪市生まれ。同志社大学卒。1960年、弟3人とSF同人誌〈NULL〉を創刊。この雑誌が江戸川乱歩に認められ「お助け」が〈宝石〉に転載される。1965年、処女作品集『東海道戦争』を刊行。1981年、『虚人たち』で泉鏡花文学賞、1987年、『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、1989(平成元)年、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、1992年、『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。1997年、パゾリーニ賞受賞。他に『家族八景』『邪眼鳥』『敵』『銀齢の果て』『ダンシング・ヴァニティ』など著書多数。1996年12月、3年3カ月に及んだ断筆を解除。2000年、『わたしのグランパ』で読売文学賞を受賞。

「2024年 『三丁目が戦争です』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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