伊賀の残光 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101200910

作品紹介・あらすじ

その誇りに、囚われるな――。鉄砲百人組の老武士、山岡晋平。伊賀衆ながら伊賀を知らず、門番の御役目とサツキ栽培で活計(たつき)を立てていた。だがある日、伊賀同心の友が殺される。大金を得たばかりという友の死の謎を探る中、晋平は裏の隠密御用、伊賀衆再興の企て、そして大火の気配を嗅ぎ取った。老いてこそ怯まず、一刀流の俊傑が江戸に澱む闇を斬る。『流水浮木―最後の太刀―』改題。

感想・レビュー・書評

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  • 謎解き自体はそれほどひねりがある訳ではないが、主人公の歳をとってからの友情のあり方とか、自身の生き様に胸がジンと熱くなる。

  • 身分を隠し「隠密」として長年「門番」として務めていた武士に他の藩での「雇われ隠密」が増え始め、暗殺事件が発生、藩の内部抗争に巻き込まれる物語である。現代で言う企業が「私立探偵」を雇い、その探偵が深入りしすぎて抹殺される事件となる。社会が不安定になると「不安」解消と「自己防衛」の為に「探偵・警備」を強化する事に値する、そんな探偵が事件を解き明かしていく。

  • その誇りに、囚われるなーー。鉄砲百人組の老武士、山岡晋平。伊賀衆ながら伊賀を知らず、門番の御役目とサツキ栽培で活計を立てていた。だがある日、伊賀同心の友が殺される。大金を得たばかりという友の死の謎を探る中、晋平は裏の隠密御用、伊賀衆再興の企て、そして大火の気配を嗅ぎ取った。老いてこそ怯まず、一刀流の俊傑が江戸に澱む闇を斬る。『流水浮木ー最後の太刀ー』改題。
    (2015年)
    — 目次 —
    伊賀の残光
    解説/葉室麟

  • 面白かったし、相変わらず読んでて心地よい。伊賀者が大久保百人町にいたとか知らなかったから興味深かったけど、仲間がポンポン死にすぎだし、娘婿都合いいし、魅力的なキャラ2人が途中退場してそれっきりだし、オチでああこの暗殺やったのかなって仄めかして終わりは不完全燃焼だったなあ。

  • 大久保の伊賀同心は元は伊賀者だったが今は月に数回大手三門の門番以外はさつき栽培に精を出している!山岡晋平は剣の達人なのに剣にとらわれ無いで淡々と日々を過ごしていた。幼なじみの死に友人や娘婿迄も関わっていたことを知る!自分の出自が気になるのね、

  • 2013年『流水浮木 最後の太刀』の改題文庫化

    家康の危地脱出に手を貸し公儀隠密となった伊賀者は、吉宗が既存の隠密を信用しなかったため、30俵の扶持で江戸城の門番となっており、百人町の大久保組の者は内職でサツキを育てていた。
    剣の使い手だが山歩きをしてサツキの株を探して栽培することに心血を注いで老境に到った山岡晋平にとって「伊賀者」であることはほとんど意味をなしていなかった。幼い頃から一緒だった3人が「伊賀者」であろうとアイデンティティを求めることで次々と命を落とす。
    晋平は最初の一人の死から、私的な隠密稼ぎが横行している事を知り、残る二人も頼まれ仕事から放火事件を未遂に終わらせたもののそのために命を落としてしまい、事件の真相を探り始める。娘婿が実は本当の公儀隠密の家柄で、探ろうとしてくる者立ちの目くらましの役を負っていて、協力を受ける。(ちょっと都合が良すぎ。私は一番怪しくないのが犯人かと最初娘婿を疑った。)

    時流に逆らってひたすら伊賀者であろうと私的に訓練していた親に育てられた子が成人し、軽業師に身をやつして晋平に伊賀者の再興を求めてくるという時代錯誤は、全然話の本筋ではなく肩透かし。

    解説を葉室麟が書いていて、久しぶりに文章に触れて嬉しかった。

  • 老いてなお、自分のよりどころを求める主人公・晋平とその友人たちはなかなか魅力的です。晋平の娘婿もさわやかですし。
    やや、ストーリーを膨らませ過ぎ、作りすぎてますね。その分ちょっと無理を感じるし、情緒が削がれた感じです。もっとシンプルにして生き様の方を前面に出した方が良かったな。
    とはいえ、やはり青山さんは良いですね。

  • L

    地に足がついてる感じ。
    たしかにそんなことを思いながら年老いていく人たちもいただろうね。今の時代は自分の祖の出自なんて知る方が難しいけど。
    サスペンス風でどいつがどれほど関わってるんだと思ったら後半は肩透かしなので注意。
    最後の悩みは人を初めて斬ったことに苛んでいたけど、そこ?!って思った。ここまで来てそれに苛むか。
    今思い返すと、蝦夷に去ったあの人や伊賀を極めたあの人!なんだかなぁって感じです。存在感あったのに勿体無い。

  • 160

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著者プロフィール

作家

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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