天下城〈下〉 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (450ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101223209

感想・レビュー・書評

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  • 戦国時代の城郭の石垣積み職人「穴太衆」を主人公にした珍しい歴史土木小説。面白くて一気に読んでしまった。

    主人公は子供のころに戦乱にまきこまれ金山に人足として売り飛ばされる。なんとか脱出して、兵法者の家来になって諸国放浪とかするが、近江の穴太衆に加わって、あちこちの城郭の石垣の仕事をするようになり、段々、出世していき、最後は総棟梁として安土城の石垣を積むようになる。

    でてくるお城は、琵琶湖周辺の観音寺山城、小谷城、安土城、比叡山延暦寺、奈良の多聞山城、堺の町の濠、最後に大阪城など。信長、秀吉、武田信玄など戦国スターもでてくる。

    琵琶湖周辺の山城は最近登ったことがあったのでなじみがありました。安土城跡はよくわかります。

    この話、ほとんど創作で主人公達は架空の人物。続編があって、息子が欧州にいって築城するらしい。

    作者は「エトロフ発緊急電」などのスパイ小説や現代警察もので有名だけど歴史小説も書くのを知らなかった。

  • 完結。

    史実に即した物語である分、感慨深く読み進められた。小説というよりは、戸波市郎太という石積み職人の伝記を読んでいるかのような。

    ★3つ、7ポイント。
    2016.06.03.図。

    ※最大の山場は、「長篠の戦い」か。手に汗握って読み耽ってしまった。

  • 意外とあっけない幕引きとなったが、
    次作があるので、そちらも読んでみたい。

  • 信長、秀吉の時代
    石垣積み職人の主人公・市郎太の人の良さ、誠実さに温かい気持ちになります。

  • 2013/11/03完讀

    市郎太承接了松永久秀多聞山城的工程,搭建了後世聞名的多聞櫓。之後他陸陸續續開始承接近江大名的工程,例如浅井家與朝倉家的工程,也見證比叡山被信長焚燬;之後他又接了織田家及織田家家臣的例如木下秀吉的工程,也修建了長篠城,並且見證中尾辰四郎取得山縣的首級。

    市郎太抱著想要修建難攻不落的天下城的意念,協助信長建造安土城,並且讓自己的次男遠度南蠻,想去學大教堂的石造技術,將來可以用石頭堆出挑高的建築。安土城完成之後因為石垣崩塌(源太郎負責的)的意外,被信長逐出安土(自己的妻子也在這場意外中死亡),無緣替信長修建本能寺,信長亡故之後,親眼見證自己一手搭建的天下城被焚燬。他去堺和千草一起住,辰四郎也來團聚,一年半後亡故。最後他無緣替秀吉建造石山城,但秀吉照他的遺願,修建了超大護城河。

    我覺得市郎太的一生大致上可以說是幸福的,尤其是他最後還得以和千草、辰四郎團聚。千草說,「故郷とは、土地のことではなくて、けっきょくひとのことではないかと」。對她而言,團聚在這裡,就是故鄉。

    --
    雖然對城池的術語略有涉獵,但讀起來還是有些吃力,因為完全無法想像(要是有圖解就會有趣一百倍以上),有些可惜。這點就像大教堂的建築介紹一樣,需要等到與一本圖文並茂又能引起興趣的書相遇,才會覺得興味盎然吧。

  • 安土城をつくった石積みの視点から戦国時代が語られる。プロフェッショナル好き。
    さすが佐々木譲、読みやすい。

  • 戦国時代を背景としているが、主人公は武将ではなく、石積み職人。数奇な運命を辿りながら、近江の石積み、穴太衆の職人としての道を切り開き、天下の名城・安土城を築くまでにいたる主人公・戸波市郎太の一代記である。単なる石積みではなく、戦における攻守の戦略に基づき、かつ風雅をも兼備えた石垣作りの様はとても興味深かった。有名な武将、合戦がいくつも登場するが、それを石積み職人から見るのも面白い。こういう本を読むと、各地の城巡りをするのもいいかなと思う。

  • 戦国武将たちは、自城の守りを固めるため、城造り・戸波市郎太の力を求めた−−−。織田信長の再三の要請を受け、市朗太は覇王の言う「天下城」を造ることを約束する。その機会が訪れる前にも多聞山城や合戦前の長篠城を手がけ、技術を磨いた。乱世を平定した信長は、近江に城を築くことを決めた。伝説となった安土城の栄枯盛衰。そして数奇な運命を生きた鬼才の生涯も幕を閉じる。

    2008.11.10 読了!

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著者プロフィール

1950年北海道生まれ。79年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞しデビュー。90年『エトロフ発緊急電』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を、2002年『武揚伝』で新田次郎文学賞、10年『廃墟に乞う』で直木賞、16年に日本ミステリー文学大賞を受賞。他に『抵抗都市』『帝国の弔砲』など著書多数。

「2022年 『闇の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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