【旧版】深夜特急1 ー 香港・マカオ (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101235059

感想・レビュー・書評

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  • 以前から存在感には気付いていたものの手に取ったことはなかったが、子供の中学で勧められていたため、初めて読んでみた。
    読む前は紀行文なのか小説なのか知らなかったが、自分ではこれまで読んだことのない2つがミックスされた内容だった。
    よく読書は擬似体験と言われるが、正に行ったことのない国へ旅したような気分になる、描写が非常に細かで具体的な小説だった。
    香港・マカオに行った気になっているし、行ってみたいとも思わせる。
    全6巻に及ぶ大作であるが、ここから先も楽しみである。

  • 旅の見方がとても変わった本だった。
    他の世界一周の本と比べ作者のリアルな日常を作者の観点からのありのまま世界を見る事が出来た。
    人はその生まれた場所が普通と思うが、それは本当に普通であるのか考えさせられた本だった。

  • なんだか数奇な巡り合わせを感じずにはいられない本書、現地入りしてから「これ、読みました?」と手渡されるのに先立って本巻の舞台のひとつである重慶大厦の内外を既に散策してしまっていたからだ。後半マカオ編は滞在中には手を出さなかったが、友人がニヤリと「まずは読まずに行ってみては?」と薦めてくれた理由は日本に到着してから本書を探しだしその残りを読みきることによってよくわかった。確かにそこには麻薬性がギラギラと存在している。これはこれでまたの機会の楽しみにとっておくことに。

    巻末の作者ともう一人の著述家による対談もまた興味深く、「海外でるには二十六歳が的確。」という説の正当化をいろんな論点と体験から微笑ましく語ってくれる。奇しくも自身が渡米したのは二十六歳の時、そんなもんで一緒になってうなずける部分もたくさんあった次第。

  • 旅行できない状況の中、気分だけでも味わおうと手に取った。

    他人の旅行にはあまり興味が湧かないということが分かった笑
    伏線やオチがない中で、風景描写をイメージしていくのが苦痛でした
    エッセイは合わないかな笑

    旅行中に宿でダラダラしながら、その日の気分で行きたいところへ行くスタンスはいいなって思った。俺の今までの旅行は、観光地を制限時間内にいくつ巡ることができるかのゲームになっていた。忙しない旅行ではなく、気分に身を任せる旅行ができるようになったらこの本の面白さも分かってくるのかな。

  • ずっと気になっいて、読む機会のなかった人気作。
    大学の先輩、で勝手に親近感。

    各地の空気感が伝わってくる。
    何も期待していない代わりに、得ようとしても得られないものが手に入る、というか。

    旅情ヲ掻き立てられる。

  • 一巻から六巻まで。これをみてあこがれて学生時代に中国へバックパッカーもどき旅行をした。ドミトリーの二段ベットも悪くなかった。

  • 【良描写】
    名作ですが、今ごろ読みました。
    臨場感ある描写がいいです!
    とくにカジノのあたりはすばらしいです。

  • なぜもっと早くに読んでいなかったんだろう。描写されている香港の情景が、目の前に鮮明に浮かび上がってきて、ぐいぐいと引き込まれて行く。ギラギラとした、雑多な香港の街並が恋しい。

  • 香港へ2週間前一人で行きました!
    尖沙咀のホテルに泊まってたのでフェリーの事やYMCAの事とかあ、あそこだと思いながら読んでました(笑) 

    読み終えて帰ってきたばかりなのにまた香港へ行きたくなりました!

  • 初めて読んだ沢木耕太郎。
    コロナ禍の今、どこにも行けない今、読むのに相応しいかなと手に取った。
    ページを開けば、香港の埃っぽい、熱い風の匂い。マカオのカジノの熱気…そういうものが感じられる。
    マカオの博奕のシーンは、私もドキドキしながら読んだ。気付けば、歯を食いしばりながら読んでいた…
    さて、若き頃の筆者と共に、マレー半島、そしてシンガポールへ旅立とう。

  • 観光地は巡らない、住むようにその土地の様々をその日の気分で体験する。ていう感じなのかな?ふわふわと地に足のつかない、気ままな旅。

    ぼられたり、危ない目にあったり、きったないこととかあったと思うけど、そういうゲスいことは一切書いていない。作者がそういうことを気にしないからそういうことを書かないだけかもしれないけど。
    綺麗な(思い出?)面ばかりでちょっと美化されてるかと思うような描写ばかりだったけれどもまあ、こういう旅がしたい人は憧れるんだろうなぁという本でした。

    高級リゾートに憧れている私とは真逆の旅でした!こんな旅はできない。。

  • 旅の本の傑作だと思います。
    他にも色々な旅の本を読んできましたが、色褪せることのない面白さ♪
    わたしが好んで旅の本を読むきっかけを与えてくれた本です。

  • 遥か昔に友人が、「大沢たかおのドラマが面白いよ」と教えてくれて(結局私は観ていないが)以来ずっと頭の片隅に残っていた『深夜特急』という題名。
    いつか本を読もうと思っていた。

    私の脳内の(思考ではなく)嗜好では現在ポルトガルブームが巻き起こっているのだが、その関連からこの本にたどり着いたので、きっと今が読み時なのだろう。
    ということでやっと読んだ。

    著者が旅した本書の内容は、もう半世紀近くも前のことになるのだろうが、異国情緒が感じられて面白かった。
    香港もマカオも行ったことがないが、この半世紀近く前の香港の描写を読んでみても、民族性はさもありなんと容易に想像できるほど、たぶん現在も変わっていないと思われる。

    マカオでの博打へののめり込み具合も興味深かった。
    私はこういう賭け事はやったことがないにもかかわらず、著者同様、やったらきっと自分もこうなるだろうと想像できるほどにリアルだった。
    というくらいの描写力・表現力に長けているということだろう。
    続きも是非読み進めたい。

    対談も良かった。
    沢木氏とは違い、私のように地図読みと知識だけで、その街に妙に詳しくなってから出かけるタイプの人もいることがわかったのも面白かった。

  • 面白かった!興奮して読んだ。著者が26歳の時に、インドのデリーからロンドンまでバスで旅行することを計画し、その珍道中を描いたノンフィクション全6冊の1冊目。2000米ドル程度の資金を手に始まった貧乏旅行である。
    文章がとにかくうまい。インドに行くつもりが、タダで香港に立ち寄れることがわかり、旅は香港から始まる(本書ではなぜかインド旅行記が先に来ている)。しょぼいインド航空の話が面白くて、声を出して笑ってしまった。
    続く香港も、独特の雑多でカラフルで熱気にあふれた感じが伝わってきたし、読んでいるこちらまでワクワクしてきて、楽しかった。
    マカオでは大小という賭博にのめりこみ、何とか負けを取り返そうと勝ちの法則を読みにいく。これも面白かったが、他に比べるとやや冗長だった。旅はユーラシア大陸へ向かう。先が楽しみだ。

  • 2019.16th
    再読。
    ☆×4

  • まるで自分が一緒にバックパッカーとして旅をしているみたいだった。
    風景や匂いや熱気なんかを近くに感じることができた。
    これを読むと旅に出たくなる!
    自分の感覚が地図になっていく様もカッコよくて理想だった。
    やっぱいいなぁ。
    香港はまだ行ったことがないので、めちゃくちゃ興味がわいた!

    最後の対談もとても良かった。

  • 小心者故、「こんなにお金使って大丈夫?!」とすぐに心配して、落ち着いて読めなかった。終わった話だけど、ドキドキする。

  • 2005年度のチラシが挟まっていたので、10年以上積読本だった計算になるが、あの当時では全く良さが分からなかっただろう。海外出張は毎回楽しみより不安が勝ってしまう小心者の自分には【私】のフットワークの軽さが羨ましい。光と影が色濃く介在する香港の街に魅せられる様も、マカオのカジノで【大小】にのめり込みすぎる様もその情景が浮かんでくるようで何とも興味深い。現地の人々との忌憚なき触れ合いも一人旅ならではの醍醐味なのだろう。カジノの場面で【私】の懐具合にハラハラしてしまうのは小心者ならではの御愛嬌ということで…。

  • 深夜特急は運命から脱出するための決死の手段。ユーラシア大陸横断を経験できる本です。

  • 前半のアジア辺りがとても面白かった。
    文章が読みやすいので他の作品も読んでみようと思う。

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

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