ホワイトラビット (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 11935
感想 : 818
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101250328

感想・レビュー・書評

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  • 初の伊坂幸太郎!
    面白かった。なんとも不思議な小説。
    推理小説ならば誰が犯人なのか?どういうトリックだったのか?動機は何だったのか?と物語が進むにつれて全てがクリアになって一件落着という流れだが、この小説は物語が進めば進むほど事件が複雑化していき物語の中では謎多き事件となってしまって混乱と共に幕を閉じるのが面白い。それなのに読者は二転三転する展開に驚きながらも、鮮明に全貌が見えて行くという天晴な構成!
    レ・ミゼラブルやオリオン座のうんちくとかけ合わせてストーリーが進んでいくのも面白かった。
    「誰が正しくて、誰が悪いのか」・・・ほんと善と悪なんて表裏一体。ストーリーはエンターテイメント性に溢れているが、出てくるキャラクターはある意味、人間味があってリアルでそこもまた良かったと思う。

  • この本は、人気作家の伊坂さんの作品ですが、話の構成が良くできていて、グイグイ読んでしまいました。
    登場人物のそれぞれの視点からストーリーが進み、徐々に話の全体がわかってくるという構成は、とても楽しめました。
    ぜひぜひ読んでみてください。

  • 偶然が重なり合い複雑となるが、作者のユーモアある語り手により、時系列と場所が切り替わりながら、テンポよく事件の全容が明らかになっていく。終始飽きさせないのは流石。
    善と悪って誰が決めるんだろう。物事の本質を見極められるようになりたいな。

  • 伊坂幸太郎ワールド全開の作品。
    彼の作品は、小説というより演出付きの舞台を見ているような感覚がする。

    小島秀夫氏の解説も秀逸で、「誰が正しくて、誰が悪いのか、訳が分からなくなってくるよな」という台詞は、正義と悪の本質への問いであるだけでなく、何が正しくて、何がミスリードなのかという本作の語り=騙りの種明かしでもある。という点は、思わず唸らざるをえなかった。

  • 面白かったなぁ、と読後ふと口をついて出るくらいに、面白かった。
    警察にも、悪党にも、人生あり。それゆえに、物語に深みが出て、のめり込み、登場人物に肩入れしてしまう。伊坂作品らしく、勧善懲悪の物語でありながら、絶対的な正義や悪というものに対して疑問を投げかける。
    ちょっとした一言だが、仕事ってのは人の人生の大半を食い尽くす化け物のようだ、その化け物のおかげで生かされているのか…といったようなセリフが印象に残っている。
    一気読み不可避。

  • 祝デビュー20周年 伊坂幸太郎さん 本業は空き巣で、副業が探偵で度々伊坂作品登場の黒澤が大活躍。レミゼラブル、オリオン座とオリオンに踏まれ可哀想なウサギ座。仙台市内で発生した立て籠り事件。伊坂幸太郎はやっぱり面白い。

  • ◆読んだきっかけ
    伊坂さんの本を読んでみたかったから。
    ミステリーランキングに入っていたから。

    ◆ストーリー
    警察官夏之目、立て籠り犯兎田、泥棒黒澤の様々な登場人物の視点で書かれている。
    兎田は新妻を守るために立て篭もる憎めない人物。
    黒澤は住人に決して危害を加えず仲間を大事にしている優しくて、舞台裏の本当の犯人を捕まえるべくシナリオを考える賢い人物。
    夏之目は黒澤のことを訴えなかった正義感の強い人物。
    3人のやりとりに引き込まれる内容だった。

    ◆読み終わって感じたこと
    折尾があっけなく死んでしまっていることに気づかず、まんまと騙されて読み進めていた。ストーリーが進むほど面白さが増し、ミステリーランキング上位に入っているのが納得の内容だった。

    ◆どんな人におすすめか
    ミステリーが好きな人

  • とても面白かった。
    泥棒の目的は金庫。立てこもりの要求は人探し。序盤は単調かと思いきや、それらの筋が徐々に交わることで、終盤の盛り上がりを生み出します。

  • 伊坂さんの作品には珍しく、頭をしっかり回転させないと置いてかれてしまう作品でした。主要人物の大半が罪(意図せずに、もあるが)を犯しているが、読後はそれぞれ収まるところに収まって、すっきり、という感じ。今日はオリオン座を眺めながら散歩しようと思いました。

  • あ~、やっぱり伊坂幸太郎は面白いや。何処にも行かない4連休の最終日に一気読み。
    あらかじめ作者のインタビューを読んで『泥棒の黒澤も少し出てくるという意味では、「ラッシュライフ」に一番近いかな』とあったのでそのつもりで読んだが、それでもやはり行きつ戻りつで読み進む。
    『今もこういうミステリーを書こうと思えば書けるんだよ』と控えめに自賛していたが、オリオン座の蘊蓄やレ・ミゼラブルの一節や何気ない会話が散りばめられて、それらが後になってきちんと意味を持つ運びや時制を違えながら進む作りは相変わらずに巧み。
    黒澤の、付き合う必要もないことにわざわざ手を貸してやるところが可愛らしいし、変わらずに“悪いことをして、自分だけは安全地帯にいる人間”に対して腹を立て続けている作者のスタンスが好ましい。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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