キケン (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 7018
レビュー : 656
  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101276328

作品紹介・あらすじ

ごく一般的な工科大学である成南電気工科大学のサークル「機械制御研究部」、略称【キケン】。部長*上野、副部長*大神の二人に率いられたこの集団は、日々繰り広げられる、人間の所行とは思えない事件、犯罪スレスレの実験や破壊的行為から、キケン=危険として周囲から忌み畏れられていた。これは、理系男子たちの爆発的熱量と共に駆け抜けた、その黄金時代を描く青春物語である。

感想・レビュー・書評

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  • 舞台はとある大学の理系サークル、「機械制御研究部」。
    略して「キケン」、カタカナなのには理由があります、エエ。

    人は、卒業と共に「学生」ではなくなってしまいますが、
    学生であったことまでもを失うわけではなく、、変わらない何かが残ります。

    全てを掴んだような気持ちで、ただ全力だった学生時代、
    何とも懐かしい風を感じた物語でした。

    そんな、甘さも苦さも伴ったノスタルジーが、
    有川さんらしい軽快な筆致で描かれています。

    そう、女性からはどうにも理解しがたい世界を「男の子」は抱えているのです、
    「空を駆ける流れ星」や「風を払う稲光」のような、なんて。

    今でも、学生時代の友人と会うとあの時代に戻れます。
    初めて出会ってからもう、10年、20年も過ぎた友人たちと。

    たまに思います、今でも親しくしている友人たちと、、
    共に時間を過ごす所から、学生を再開してみたい、とも。

    ん、戻れないからこそ、色褪せない思い出となっているのでしょうけど。

  • 「機会制御研究部」略称「機研(キケン)」。

    本が「楽しい!」と叫んでいるみたいな物語。

    機研での時間を一緒に過ごしたような気にさえなってきて、
    「最終話」の文字を見た瞬間に、この本に充満した
    楽しい時間を終わりにしたくなくて寂しくなったほど。

    ただただ夢中で楽しかった大好きで大切な場所は
    時間を経るごとに、自分の場所でなくなっていく感覚。
    寂しさは自分がココロに作った距離と感覚なのに。

    大切な時間が"思い出"へとカタチを変えてしまうことが
    いろんなことを変容させてしまいそうで怖くなる。

    いつだって自分の一番の敵は弱い自分で、熱い気持ちさえあれば
    時間なんていつだって飛び越えて、どこまでも大切なものは
    大切なまま繋がっていく。

    変わること、変わらないこと、それぞれを大事に
    今をめいっぱい楽しもう!と改めて思わせてくれる
    熱量溢れる【キケン】での時間。あー、楽しかった!

  • 某工業大学卒の学生として申します。決して危険な爆薬は取り扱っておりません。部室というか研究室は確かに根城で、生活物資がいっぱい詰まっておりました。卒業後何年たっても仲間が出会うと、やはり学生時代の無茶でおちゃめな頃の話で盛り上がります。同類です……

  • 大学生による、青春ハチャメチャ小説。こういうの好き。
    文化祭の模擬店に熱くなったり、ロボコンに出場したり、女の子の事であーだこーだ言ったり。
    最後の章で語り手が誰かがわかるのもいい感じ。

  • さすがは有川浩作品。やってくれましたねぇ。これ、小説の新しいカタチですよねぇ?!

    初めは、面白おかしい青春マンガの雰囲気で読んでいましたが、全てがラストへとつながる壮大な伏線だったとは・・・。

    「彼」は誰?ってなって、途中でだいたい目星がつくんだけど。最終回のアレには、胸がキュンと締め付けられて、何故かとっても懐かしいような切ないような、温かい気持ちになりました。

    「どうやら老いも若きもすべての男子は自分の【機研】を持っています」(あとがき)。全くその通りです!有川さん!!男じゃないのに、どうしてこんなに男子の気持ちが分かるんだろう・・・。この人はとんでもない化け物です(誉め言葉です、悪しからず)。

    「自分にとっての『らぁめんキケン』。次に久しぶりに食べるのはいつになるのかなぁ」と胸を膨らませながら、本を閉じました。

    三十路には心に染みる一冊です。

    • 円軌道の外さん

      フォローありがとうございます!

      自分も機械科で工業高卒なので
      この作品はかなり引き込まれました(^O^)

      ラーメン対決...

      フォローありがとうございます!

      自分も機械科で工業高卒なので
      この作品はかなり引き込まれました(^O^)

      ラーメン対決は手に汗握ったし
      一回生たちの成長ぶりもまぶしかったし、
      ラストのあのシーンは
      反則ですよね(笑)


      コメントや花丸頂ければ
      必ずお返しに参ります。

      今後ともよろしくお願いします(^_^)v


      2013/07/21
  • この本は私にはたまらない郷愁を呼び起こした。私も大学時代は理系。やっぱり女子はほとんどいず、99%男子の世界。文系の学部の方がうらやましくてしょうがなかった。はるか昔のことなのについこの前のように思い出してしまう。有川さんの作品にはそんな力がみなぎっている。私の場合は、理系の部活はやっていなかったが、自分たちの代で仲間たちとサークルを起こした。テニスにスキーに、バカ騒ぎをしたものだ。さすがに爆弾はないが 笑 私もいまだから言えるが、悪いことしちゃってます。当時の大学があった京都から、信州のペンションまで大量のビール瓶を購入して、こっそり運んだのだ。何人かの限られたメンバーだけでこっそりと。目的は、、私が一度やってみたかったあれ。プロ野球選手が優勝したときにやるビールかけ。合宿の打ち上げに派手にやろうぜって、こっそり打ち合わせ。行きのバスの中で発表したら、物議を醸しだし、「やめるべし!」という部員もでてきて、モメモメ。でも会長特権で「うっせー。やるったらやるんだ!」と強行。合宿の最終日に、隠していた大量のビール瓶を持ち出して、なんもないひらけたところで、「おめーら いくぞぉー」の掛け声とともに一斉にビールを掛け合う。背中にもぶち込んだり、もうハチャメチャ。いやぁ楽しかった。。 で、宿に帰った部員たち。当然ビールでびしょ濡れ。ペンションのオーナーは「隠れてビール持ち込みしやがった」と激怒。平謝りに平謝りで、とにかく謝った。一生懸命、説明して謝りまくった。今考えればマナー違反もいいところ。地元の皆さんにもほんと申し訳ない。でももう相当昔なんで許して下さい。。そんな懐かしいメンバーとも、大学は京都だったので、男同士はやっぱ転勤やらなにやらで全国へ散っていく。次第に年賀状だけの仲に。いまだに会っているのは、バカをやった中心人物のうちの一人だけ。

    この「キケン」は、そんな男子の心情を見事に描いている。この人ほんとうはやっぱり男性じゃぁないの?と思うぐらい、うまい!主人公が、卒業後に学祭に行けなかった気持ち、まったく一緒だ。どうしてこんな気持ちわかるんだろうって思いました。私も、自分たちで立ち上げたサークルが、もう自分たちのものでないような寂しさを感じ、なんとなく行けなくなっていました。
    しかしラストシーンで、10年後に学祭に行った主人公。懐かしいメンバーの黒板のメモ(というか落書き?)を見る。私もまったく泣く予定のなかった小説で、ボロボロっと泣いてしまった。。多分自分に重ねてしまったんだろう。あぁ、なんて素晴らしい仲間なんだ。。本当に素敵だ。。

    ちなみに私が仲間たちと立ち上げたそのサークル、いまでも健在で、はるかに若い子たちが運営してくれているようです。どんだけ長く続いてんだって驚き。

    でも首都圏に来てしまったから、、というのを言い訳に、やっぱり見に行けない。男って面倒でしょ? 笑 そのくせ毎年の年賀状で、「まだ続いているみたいですよ!」とお互い言い合う。何気にお互いチェックしているんだな 笑

    有川浩さん、いっきにタイムスリップさせてくださってありがとうございました。ストーリーの引き込み力は抜群だし、エンディングも最高!

    • kanegon69 さん
      いいですねぇ。当時の仲間たちとの再会場所に出来ると楽しいですねぇ。今度はビールかけなしで! 笑
      いいですねぇ。当時の仲間たちとの再会場所に出来ると楽しいですねぇ。今度はビールかけなしで! 笑
      2019/04/21
  • 青春だな~。
    機械制御研究部・・・略称「機研」
    奥さんに昔話をしているという形で進んでいく。
    ガチャガチャした大学時代と現在のおちついた感じの対比も心地よい。

    単純に楽しめた!

    真剣にバカなことをやれるこの年代が懐かしくうらやましくなる。

  • ぼくの読書感を変えた運命の3冊のうちのひとつです。
    爽快。

  • 某県の工科大学、【機械制御研究部】略して【キケン】での学生時代を語った話。
    ユナボマーとアダ名される文字通り危険な部長率いる、無駄に熱い学生時代のイベントの数々。

    本気で楽しむ、という姿勢が学生ならではで本当に楽しそう。
    いくつになっても仲間と呼べる友達の存在は有り難いものです。

    あとがきにあったけど、
    「全開状態の【キケン】を女子は直に観測することが出来ません」
    とあるのは、ホントそうだと思います。
    残念だなぁー
    とは思うけど、全開状態の女子会も男子は観測出来ないから、お互いさまなんでしょうw

  • 「こいつらバカだなぁ」とほんわり読んでいて、最後には思わず「うっ」ときた。ずるいよなー、やってる事などは違えどこういう時代誰にでもあるもの。確かに、無意味に全力でバカをやれたのって学生の頃とかで、それはまあもちろん今思えばの事で、当時はそれが無意味でバカな事だなんて気付きもせずやっていたから、今考えると、そういうくだらない事が自分にとっての大切な宝物なのですよ。

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著者プロフィール

有川 浩(ありかわ ひろ)
1972年高知県生まれ。PN由来として、「有川」は書店に本が並んだ時に「あ」から始まる名前として、著者五十音順で棚の最初のほうにくるから。「浩」は本名から。
2003年『塩の街 wish on my precious』で第10回電撃ゲーム小説大賞を受賞。2006年『図書館戦争』で「本の雑誌」が選ぶ2006年上半期エンターテインメントで第1位を獲得し、さらに2008年には同シリーズで第39回星雲賞日本長編作品部門を受賞。映画化もされた代表作となる。
『植物図鑑』で第1回ブクログ大賞小説部門大賞、『キケン』で第2回ブクログ大賞小説部門大賞を2年連続で受賞。2011年には『県庁おもてなし課』で「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2011」で総合1位と恋愛小説1位、第3回ブクログ大賞小説部門大賞を3年連続で受賞。2012年『空飛ぶ広報室』が「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2012」で小説部門第1位。
その他、ドラマ化作『フリーター、家を買う。』、映画化された『阪急電車』『県庁おもてなし課』『植物図鑑』などが代表作。

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