リヴィエラを撃て〈下〉 新潮文庫

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  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101347158

感想・レビュー・書評

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  • 長大なストーリーで、幾度となく諦めそうになったが、結末が気になり、諦めきれず最後まで読み進めることができた。

  • 物語の目線が変わっていくことで、それぞれの登場人物への理解や想いが深まっていく。
    相乗効果で一連のストーリーも間延びする事なく、初めての髙村薫作品だったが違う作品も挑戦したいと思った。

    最後の着地は、やり場のない気持ちになるが同調の意味で心地良い読書だった

  • 骨太な人物たちに引き込まれ、それぞれのを宿願が遂げられることを祈った。
    自分の後を託せる者を見つけることが、彼らが最後に抱いた最大の願いだったのだろう。

    託したい、託されたい、その重要な思いはどこで生まれるのか。
    深い信頼と、直感、その瞬間、この人しかいないとなる。
    伝える言葉は、
    これをやってくれ、
    ではなく、
    「お前の思う通りにやってほしい」。

    人生は複雑、普通の幸せ、体に染み込む言葉じゃ伝わらない何か、本当の自己犠牲
    こんなことを考えた。

    時代が違うなんて思わない。
    「次を託された者」の姿が心に刻まれた。

  • 上巻に、感想纏めてます。

  • 導入部分や話の流れ設定が丁寧でとても興味深く読めたが、結末が納得いかなかった。この結末だと、最後に適当な人を新しく出せばいいので
    せっかくの丁寧な設定が台無しに思えた。

  • 内容紹介
    CIAの《伝書鳩》とともに、父の仇である《リヴィエラ》を追っていたジャック。複雑怪奇な謀報機関の合従連衡。二重・三重スパイの暗躍。躍らされる者たち。味方は、敵は誰か。亡命中国人が持ち出した重要書類とは?ジャック亡き後、すべての鍵を握るピアニストは、万感の思いと、ある意図を込めて演奏会を開く。運命の糸に操られるかのように、人々は東京に終結する。そして……。

  • 下巻。
    上巻途中で挫折しそうになりましたが、髙村ファンの友人のレクチャーを経て、各諜報機関とそれぞれのキャラクターがどのように関係しているかを把握した上で読み進めると、物語の展開が俄然面白くなった。
    最後、ある人物がペラペラと真相を話して終わりっていうのはちょっとあっけなかった気がする。話が壮大すぎて、あれだけ死者を出して大騒動を起こした理由が、あまりピンときませんでした。
    物語も、それぞれの人間関係も、重厚すぎてとにかく疲れた。
    また時間を置いて再読したい。

  • つ、疲れた…
    これは傑作だー

    日本・アイルランド・イギリスで展開される諜報戦のスケールのでかさはあくまで設定であり、真の魅力は登場人物たちの鬼気迫る濃厚な心理描写にあると思います。

    展開は結構複雑で、上巻の半分くらいまではなかなか全体像がつかめず読みづらいです。でもあきらめないで!それ以降は目眩く展開に一気読み必至です。
    下巻のピアノシーンは圧巻です!

    ラストのある人物の独白は若干拍子抜けでしたが、この作品の良さを削ぐものではありませんでした。

    ミステリー・サスペンスとして一級品であり、文学性も高く素晴らしい作品でした。

  • 平和な時代に生まれ育った身には登場人物たちの思考に付いていけない部分もあるが、それは幸せなこと。激しい紛争の無い日本でよかったと安堵しつつ読み進めた。

    話のスケールが大きく、重く、複雑で長い。途中、登場人物の名前が「これ、誰だっけ?」と何度も判らなくなり、最初の人物紹介ページで確認しました。高村さんの本は、この人物紹介ページに助けられます。(私だけかも知れないけど)

    ラストは、これでよかったのかな?
    見方によってはストンと落ち着いて丸く収まってるし、違う見方をすると、なんてひどい話なんだ!とも言えるだろう。

    決して読みやすい本ではないけど、読んでよかった。
    これを書ききった作者の持久力に感服します。

  • 二回目読んでてもハラハラドキドキ。これ読んでから千鳥ヶ淵のイギリス大使館を見に行った事あるのは私だけではないはず。とにかく素晴らしいの一言。

  • スゴイ‼この人ほんとスゴイ‼
    なかなかどっぷり感から抜け出せなかった…なんかせつなくて。

  • スパイやら刑事やらテロリストやらCIAやら5やら6やらがいっぱいいて、登場人物を覚えるのに苦労はしました。
    でも、イケメンピアニストやらイケメンテロリストやら妖艶な美人スパイやら個性的な面々、そしてひとりひとりがしっかりとした過去を持っているので、イメージはしやすいかも。


    国の秘密、利権、国益、、忠義、友情、愛情、裏切り、憎悪、正義、勇気、真実…

    本当にこんな世界があるのだろうか。

    ひとりの人間が背負うには重たすぎるものをみんな、抱えてます。


  • 手に汗握るスパイ小説。
    描写が細かく、とにかく世界観が作り込まれている。これだけで一本の洋画が作れるのではないかと思わせる熱量だった。

  • 上巻に同じ

  • 凄く濃厚。
    台湾有事があり得る今、今だからこそ面白い小説だと思う。

  • 自分の当時と重ねながら読んだ。難解なテロリストの話なのに、人を大事に思う気持ちが伝わってくる。イギリスを、アイルランドを歩き、再読したい。

  • スケールは大きい

  • 個人的に高村薫さんの最高傑作だと思ってます。
    主人公が変わっていく作品は難しくて途中でやめてしまうことが多いけれどこれは一気に読むことが出来ました。その頃の北アイルランドを巡る情勢を全く知らなかったけれど読みながら興味を持って調べたりもしました。キムやジャックや伝書鳩など、どの登場人物も最高に魅力的です。最後までリヴィエラとは誰なのかなど様々な謎が渦巻くまま、ずっとドキドキしながら読みました。イギリスの街の情景なんかは行ったことがないのに目に浮かぶような素晴らしい取材と描写力。最後の1文が好きで好きで何度も読み返しています。

  • 2022.3.13再読、多分2回目
    1回目は先が気になって必死に読んで、ラストに愕然として細部記憶の彼方、だったような
    ジャックに感情移入してしまうと辛い

  • 凄すぎ。解説に書いてある通りのグレアムグリーンやジョンルカレの世界。それが日本人の手で書かれるなんて。最後の方は、もうすぐおわってしまうのが、辛かった。久しぶりに味わった。

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著者プロフィール

●高村薫……1953年、大阪に生まれ。国際基督教大学を卒業。商社勤務をへて、1990年『黄金を抱いて翔べ』で第3回日本推理サスペンス大賞を受賞。93年『リヴィエラを撃て』(新潮文庫)で日本推理作家協会賞、『マークスの山』(講談社文庫)で直木賞を受賞。著書に『レディ・ジョーカー』『神の火』『照柿』(以上、新潮文庫)などがある。

「2014年 『日本人の度量 3・11で「生まれ直す」ための覚悟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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