夕顔 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101379036

感想・レビュー・書評

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  • 著者はの本は初読。
    著者はWikiによると「華族出身」だそうだが、お嬢様的な、鼻持ちならない雰囲気はあまり無く、肩ひじ張らない、謙虚な印象を受けた。
    夕顔の花が咲くのをじっと見つめて何時間も待ったけどうまくいかなかったり。

    色んな有名人の名前が出てくるが、河合隼雄氏の「中空構造」という思想が良かった。
    日本神話などの話で3人の真ん中はあまり何もしていないと。
    クライアント(患者)に対しての接し方も
    「若い時は、自分で相手の病いを直そうと思って一生懸命になった。だが、この頃は、自分の力なんか知れたもので、わたしは何もしないでも、自然の空気とか風とか水とか、その他もろもろの要素が直してくれることが解った。ただし、自分がそこにいなくてはダメなんだ。だまって、待つということが大事なんですよ」

    死生観について、著者が小学一年生の時に道ばたに犬の死骸が打ち捨ててあり、骨になるまで放っておかれていたそうだ。
    確かに今じゃ考えられない。
    臭いしうじがわいたり、気持ちのいいものではなかったが見ずにはいられなかったそうで。
    「むしろ、死から眼をそらさぬことこそ幸福に至る道ではないか」
    ハイデガーも似たようなことを言っていたような。

  • 凛とした人柄を感じさせるが、実際に交際すると気疲れしそうな気もする。育ちがいいとは、こういう人のことを言うのだろうな。今の平成の世にはいるのかな?稀に努力で身につけている人もいるのかはしれないが。(努力で身につくものではないか)

    白州さんの本は、幸いに文庫でも沢山出ているので、これからも読みたい。

  • 白洲正子や幸田文を読むと(随分と立ち位置は違いますが)、日本の知識人層の厚さや向学に感銘を受けます。血なのか環境なのか教育なのか。
    美意識と背筋の良さが文全体からひしひしと伝わってきます。

  • 白洲正子のこれら随筆は、単なるエッセイ集などと簡単に分類できるものではない。数ページの短い文章に昔から語り継がれる日本文化の真髄、語り継ぐべく伝承が詰まっている。
    なかに、死や墓に関する記述がある。この世が夢幻であることを忘れたところに現代の欠陥は生じたとの指摘が頭から離れない。たしかに、万葉の時代、死は隣にあり、生きる事を大事にしていた。

  • セクハラは女が男を誘っているせい。(p.14)

    田舎者は田舎者らしく分をわきまえよ。(p.15)

    「君死にたまふことなかれ」なんて大げさに叫びやがって。(p.21)

    みなが国歌を歌わないのは、戦後教育が悪いせい。(p.46)

    小田実「なんでも見てやろう」なんて、見れるわけないのに(プププ) (p.56)

    「恥多き人生で…」という自分の人生自慢。(p.110)


    そう。ネトウヨの主張がすべてここに載っています。

  • 少し前の女性の感性を感じられた。

  • 田舎に住んで、まともな生活をしている人々を、私は尊敬こそすれ、田舎者とはいわない。都会の中で恥も外聞もなくふるまう人種を、イナカモンと呼ぶのである。

    おしゃれに見えることは、まだおしゃれが不充分であるからで、一歩先へ出るよりも、一歩退いていることの方が、本物のおしゃれだと思う。

  • 白洲正子女史による珠玉のエッセイ集。題材は文豪たちとの交友、自然観、民芸、詩歌など多岐にわたり、豊かな教養とともに綴られる文章には思わず惹き込まれる。

  • (「BOOK」データベースより)amazon
    明治、大正、昭和、平成―四代を経てますます優雅に最先端を生きる人生の達人が、庭の草木を慈しみ、吉田健一や小林秀雄を偲び、愛する骨董を語り、生と死に思いをめぐらせる。対象の核心を射ぬく小気味よい文章は、自ずと、まやかしの横行する現代の風潮への批判ともなっている。植物の感情をテーマにした表題作等、ホンモノを知る厳しいまなざしにとらえられた日常の感懐57篇。

  • すっごーい面白い。面白いけど、物事をなにも見ずにこれを最初から読むのは良くない!と思う。だから読むのを途中でやめちゃった。

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著者プロフィール

1910(明治43)年、東京生れ。実家は薩摩出身の樺山伯爵家。学習院女子部初等科卒業後、渡米。ハートリッジ・スクールを卒業して帰国。翌1929年、白洲次郎と結婚。1964年『能面』で、1972年『かくれ里』で、読売文学賞を受賞。他に『お能の見方』『明恵上人』『近江山河抄』『十一面観音巡礼』『西行』『いまなぜ青山二郎なのか』『白洲正子自伝』など多数の著作がある。

「2018年 『たしなみについて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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