- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101802183
感想・レビュー・書評
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龍の棲まう地、龍ノ原。
そこに住む人々のうち、皇の一族に連なる女性は龍の声を聞くことができる特性を持つ。
声を聞くことができない女性は遊子(ゆうし)と呼ばれる。翻って男性で声を聞く者は禍皇子(まがつみこ)として、いずれも闇に葬られる定め。
生まれ持った特性で命を決められることの理不尽を打ち砕くため、
日織皇子は重大な秘密を抱えて、皇位を目指す。
遊子や禍皇子は現代の差別の比喩だと強く感じる。
遊子への不津王の態度や考え方と同じような人は、悲しいかな現代日本に少なからず存在するであろうことは想像に易くて。
なにが寛容な態度だ。傲慢以外の何物でもないじゃないか。
不津王に対して、ふんぬ〜!と鼻息が荒くなる。
人死にも出るサスペンス色もありつつ、日織の秘密が暴かれちゃうの?!とドキドキするファンタジー。
安倍智里さんの八咫烏シリーズにも通じるところがあるかも。
続きも楽しみなシリーズです! -
★4.5 オススメ!
日本の古代を舞台にしたすめらみことをめぐるファンタジー。
話はわかりやすく、登場人物も多すぎず、物語がグダグダしていなくてどんどん進むので、楽しく読み進めていったら先が気になって止まらなくなってあっという間に読み終わった。 -
造り込まれたファンタジーの上に、ひとつの能力を以って異端と言えるのか?異端だったとして、排除されても仕方がないのか?という問いが重なって、濃厚で面白かった。
女性ながら妻を二人娶り、しかも年下の愛らしい娘とミステリアス美女という贅沢な取り合わせで、ヅカファン的にも楽しかった。過酷な運命なれど……
これからがいろいろあるんだろうなと思われるので続刊楽しみ。 -
書店で、中華ファンタジー好きにお勧めとして売られていた本。中華?と思ったけど、読んでみたら、やっぱり中華ではない…
設定は「後宮に星は宿る」、世界観は「八咫烏」ぽいかな。
明るいシーンはほぼなく、ただただ鬱々とした世界に主人公の日織だけが希望の光。
女装はいいけど、男装はな~とか思いながら読み始めたけど、続きが気になりすぎて一気に読んでしまった。登場人物少ないのに、次々と意外な展開で飽きさせないストーリーはすごい!