龍ノ国幻想1 神欺く皇子 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.28
  • (72)
  • (66)
  • (24)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 775
感想 : 64
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101802183

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 面白いよ~と聞いていたので読んで見た。まあまあ。期待通りで期待以上じゃなかったのが残念。やっぱ十二国記のほうが好き。あと烏のほうとか。まだ1作目だから、読み進めばおもしれ~ってなるのかな。

    ファンタジーとミステリー。
    ミステリーは誰がどうやって殺したか?
    容疑者少ないし、意外性も無い。動機や経緯についてはでしょうな具合。
    龍鱗はどこにある?も、まあそうですか、という感想。もっと箱について調べようよとは思ってた。観察する時間が少なかった。でもしょうがない。ミステリー小説無い世界だもんな。

    日織が神に挑み、そして、自分の望みが叶わなければ滅べば良いというスタンスは非常に好感が持てる。烏や十二国記にもいたし、86にもいた。ほんと世の中腐ってるもんな。
    まあもうすこしあくせくしようよとは思った。
    あと不津とのやりとりで相互理解出来ない相手だと理解するまでの時間がかかったのが、幼いなと思った。人と関わって来なかったもんね、仕方ない。
    もう少し欲得まみれた人間とも渡り合えるキャラが好み。

    悠花の正体は声が出せない時点で、わかってしまって、ワクワクが無かったし、こいつももうちょっと勉強とかしてきなよと思ったし27歳と19歳か、年の差は、男女だったら逆だよなあと思ったが、作者はそこ狙ってる?
    しかし、27歳には見えない仕事ぶりのような。うーん。

    一族の男は自動的に官僚、女は龍の声が聞ければ一族の者として誰かの妻になれるという世界。反吐が出る~。滅べ~。しかしその価値観でやってきたのだから、日織の考えが異端で理解されないのもわかるはずなのになあ。不津とのやりとりは世間知らずさを感じてあまり好きじゃない。

    貨幣の概念が無いめちゃくちゃ牧歌的な国家なの面白い。純粋培養。カルトじゃん。カルトだった。

    これ、ラストはどうなるんだろう。あの世界全体を治めるのか、歴史の真実を暴くのか。龍とまた再契約して終わりとか?

    薔薇王の葬列もアニメで見ていたので、まああんな感じで覇道を突き進んで欲しい。
    あと読んでないが侍女の物語もこんな風にヘドが出るような感じなのかなと想像した。
    物語ではおぞましさを描きつつも綺麗に掃除して欲しいな。

  • 面白かった!
    一見ややこしい設定が活かされた物語。
    謎もその解決も最後は見事な一本道に。
    この夫婦が今後どうなっていくのかとても楽しみ。

    2022.4.3
    53

  • 面白くて一気読み。
    よくある設定だけど、ある意味それが読みやすさとなっていて良いし、展開も面白い。
    悠花の正体も、月白の行方も今後の展開を考えるとなるほどー、そうするのがベストなのかと納得。

  • 表紙の男性が印象的なご本で気にはなっていたのだけれど未読作家の新シリーズと言うことで一度は保留。
    web記事での書評で自分の人生を切り開いていく女性が主人公ということを知り購入。
    古くからの因習により身分(性別)を偽って運命を変えていこうとする力強い主人公。
    意志の強さに一気読み。
    身分ある少年が少女に偽り後宮で過ごし生き延びようとした中華風のシリーズもありますが。(まだ全部読めて無くていつか全部読みます)
    こちらは青年の姿を借りた女性が主人公なので和風オスカル様かな。
    こういうのは設定萌えで読んでしまう。
    あとは作者の力量なので皇位を継いだ主人公と妻(仮)がどのような国作り。体制作りをしていくのか気になります。
    若干ネタバレあり。

  • 三川みり作品、男女逆転、ファンタジー……私の好きな要素が詰め込まれた作品でどうして2巻出るまで存在を知らなかったのか悔やまれます…

  • 骨太のファンタジー小説。
    神話時代の日本を彷彿とさせる龍ノ原では、龍の声を聞けない女は遊子としてひどい扱いを受け、龍の声が聞こえる男は禍皇子として処刑される。
    皇位を巡って三人の皇子が、龍鱗を探すことになる。候補の一人である日織皇子は実は女(遊子)だった。同じく遊子の姉を殺された復讐、そして世を正すため皇位に就こうとする。その過程で、無邪気な妻・月白が実は遊子で酷な目に遭っていたことや、先代に託された妻・悠花が男(禍皇子)だと知ったりと、その使命を増幅させるかのように突き動かされていく。

    龍の声を聞こえるか否か、しかもそれが男女によって解釈が違う。人々は根拠もなく遊子を殺したり慰み者にしたり。部外者から見れば愚かしい差別だが、この国では絶対だ。龍がどう出るかわからない、ここは神話の国だから。
    その根本に切り込んでいく主人公・日織が凜々しくて魅力的。性別を偽り世の中に挑む、日織の鏡のような存在である悠花もいい。そして、月白が切ない。彼女は夫・日織が女だと気づきながら秘密を守り続け、そして命を落とす。
    即位した日織はこの国を変えることができるのか、次巻も楽しみだ。

  • 設定や展開は王道を外して無いため安定感があります。日織にしっかりとした目的があって、芯があるところが魅力的。様々な陰謀渦巻く中で、弱い者の視点に立って動いていく、状況を打ち破っていく爽快さがありました。

全64件中 51 - 60件を表示

著者プロフィール

広島県出身。第7回角川ビーンズ小説大賞審査員特別賞受賞。『シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と黒の妖精』にてデビュー。温かく優しい読後感が持ち味で、登場人物の繊細な心理描写も高く評価されている。他著に「封鬼花伝」シリーズ、「箱入り王女の災難」シリーズ、「一華後宮料理帖」シリーズ、『ここは神楽坂西洋館』『仙文閣の稀書目録』などがある。

「2021年 『転生佳人伝 寵姫は二度皇帝と出会う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三川みりの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
辻村 深月
凪良 ゆう
知念 実希人
上橋 菜穂子
阿部 智里
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×