欲望という名の電車 (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102109069

感想・レビュー・書評

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  • 救われない。

    『カッコーの巣の上で』のようなオチであれば...

    当時のアメリカでなくとも、人が歩くレールの上では誰しにも起こり得ること。

    誰か見知らぬ者の親切に生かされながら。

    そこまで、重くないが、凄く抒情的な一冊。

  • 劇作家
    ブランチ。
    恩田陸の「チョコレートコスモス」の劇中劇だったから読んだ。必死につくろうブランチの姿が、狂った感じで良かった。
    名作にこんなちんけなレビューが申し訳ないけれど、面白かった。
    ぜひこれは劇で見てみたい。

  • よく上演されるのに、初めての観劇のための予習で読む。
    戯曲。

    よくできている。
    女優さんたちがブランチをやりたがるのが、なんとなくわかる。

    ブランチはまじめで、品行方正に育てられたけれど、本来の姿はその枠に収まらないものだったんじゃないかな。
    ステラに近いというか。
    長女と次女の違いで、こうなっちゃった、ような。
    良くも悪くも、長女は(本人はその自覚がなくても)家に縛られることが多いから。

    過去のトラウマ、本来の自分と求められてきた自分との乖離、正視したくない現実。
    そして、依存症。
    ステラにもお酒にも、男にも。
    壊れていくのは、ある意味自衛なのかもしれない。

    スタンリーが、とりわけ乱暴で、ひどい男だとは思わない。
    今の日本には少ないかもしれないけど、昭和前半には多かった男性像だと思う。

    一番つらいのは、姉と夫との間に立つ、ステラだと感じた。
    それでも現実を見て、現実に生きて、苦しいことも多いかもしれないけど、地に足をつけて幸せになれるタイプ。

    舞台を見て、友達が花売りのメキシコ女を、死神のような。。。と評していた。
    演出のせいかもしれないけど、確かにそう感じる。

  • 読んでいて背筋が寒くなった。
    プライドの高い姉が段々と本性を暴かれ、認めたくないがために自分の作った世界に没頭しようとし…あぁ、人は不幸を直面したくないためにこうやって狂っていくのか…と妙にすとん、と納得してしまった。

    場面や会話のテンポは良く、読みやすい文章だけれど読後感はかなり悪い本。

  • 演劇。
    演劇て何。小説ではないの?
    「ここでポルカが流れる」とか書いてるの。小説ではないよね。

    救われない話。英語の授業でちょっとだけ読んだけど全然印象が違った。

  • 恩田陸先生推薦

  • 恩田の「チョコレートコスモス」再読に備えて。
    脚本なので、殆ど情景描写はなく、台詞とト書きだけで進んでいく。しかし描かれたブランチの絶望はあまりにも生々しい。

  • 『チョコレートコスモス』のオーディションのシーンでこの本の第九場が題材でストーリーを把握したいので読んでみた。輝かしい過去を忘れられず幻想により欲望に生きるブランチ。新しい時代を生きるスタンリーらに翻弄され崩壊していく。でもブランチの存在によりスタンリーとステラの生活が崩壊していってたのだからスタンリーの態度はわからなくないかなあ。(追記)「チョコレート~」を再度読み返したら、このストーリーを全くの思い込み違いしていました…。内容はもっと深いですね…。

  • 昔大学の英語の講義で「ガラスの動物園」の原書をテキストに使ったことがありました。あれも救いの無い話でしたがこれも又イヤあな話だなあと思いました。

    でもブランチが苦手と思うのはどこか同属嫌悪みたいなものを感じるからなのだろうかとも思いました。一言で言うと悲しい話だなあとも。人間って難しいものですねえ。

  • 映画は見たことがないけれど、場面をすごく想像しやすいと思った。
    どぎつい原色の野性的な男性陣と上品を装ったブランチとのやりとりも、ブランチの化けの皮が剥がれていく様子も、テンポ良く進んでいて面白かった。
    最後は予想外の展開で驚きました。

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著者プロフィール

1911-1983。アメリカ合衆国ミシシッピ州生まれの劇作家。約60の戯曲と2冊の詩集を出版している。1944年に『ガラスの動物園』がブロードウェイで大成功を収め、1948年には『欲望という名の電車』で、1955年には『熱いトタン屋根の猫』でピューリツァー賞を受賞している。

「2019年 『西洋能 男が死ぬ日 他2篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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