サーカスの夜に

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103311928

感想・レビュー・書評

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  • サーカス見に行けばよかった。
    さいたま市で開催されてたサーカス昨日が千秋楽だった。
    グレーテストショーマンが、思い出された。
    「このサーカスは、自由なんでしょっ。国籍も、宗教も、性別も、肌の色も、年齢も、政治的な信条も、あらゆる境界線から解き放たれている。」主人公の少年が叫ぶシーンが好き。

  • 【あらすじ】
    サーカスに魅せられ、綱渡り師を目指す少年の冒険と生長。心躍る物語。離ればなれになった両親とかつて一緒に見たサーカス。忘れられないその不思議な世界の一員になることを目指して入団した少年の前に現れる、自由で個性の強い人々。クラウン、ピエロ、ブランコ乗り、ジャグラー、そして美味しいお菓子やスープを作ってくれるコック。少年は少しずつ綱渡りを学んでゆく。新鮮な長編小説。

    【感想】

  • 離れ離れになった両親とかつて一緒に見たサーカス。その魔法のような世界に魅せられて、少年はサーカスの一員となる。「人を笑わせたり喜ばせたりするって、素敵なことだね」雨上がりの空に虹を見つけた時のような素敵な気持ちになる綱渡り師を目指して、少年は一歩ずつ歩んでいく。少年の見た光景が目に見えるようで、物語に引き込まれました。小川糸さんの話なのに、翻訳本みたいで不思議な本でした。

  • 面白くてするする読めた。
    日本ではないどこか寒い国の一昔前の話かと思いきや、スマホやインターネットが出てきて驚いた。
    更に『ナットー』『ミソシル』『トロ』なんて名称も出てきて親日の国なのかなぁなんて。
    スーパーサーカスはシルク・ド・ソレイユがモデルだろうか?
    病気を治す薬のせいで10歳の体から大きくならなくなってしまった設定は、盤下のチェス差しリトル・アリョーヒンを思い出させた(小川洋子さん『猫を抱いて像と泳ぐ』)。

    登場人物皆優しく面白く魅力的だった。
    最初から最後まで少年の名前は明かされず、最後に芸名(皆好きな食べ物の名前を付ける)のソリャンカとだけ呼ばれる。
    それもローズの言う『大事なことは、めったに他人に漏らさない。』ことの1つなのだろうか。
    それにしても、サーカスを訪れてまず力を入れたのが汚いトイレを綺麗にすることで、毎日毎日人が嫌がることを率先する少年はものすごい徳積みをしているなぁと思った。
    少年ならきっと『雨上がりの空に虹を見つけた時のような素敵な気持ちになる綱渡り師』になれる。
    今後どんな活躍をするのか少年とレインボーサーカスとナットー=ズフラ(金星・宵の明星)のその後が気になります。

  • 主人公の少年の目線で描かれているので、サーカスの舞台裏を知って行くワクワク感があった。

  • 魔女の宅急便みたいな
    ジブリの映画みたいな物語でした。
    少年が前を向いて少しずつ進んでいく
    みんな色々あるけれども前向きに生きていく

    一生懸命に誠実にいると自然とまわりの人たちもついてきてくれる

  • 10歳くらいの身体からは大きくなれない少年、サーカス団に入団するお話。出てくる人物一人一人皆んな悲しい事情を抱えつつ、懸命にサーカス団の中で生きていく。
    昨今の事情もありつつ、旅する場末のサーカス団の大変が描かれ、その中で成長していく少年。コックとのやりとりが暖かい。
    食べ物の描写はどれも美味しそうでサーカスの技は細かくやり方が描かれるが出来そうにはない。あーだから皆んな観に行くんだもんねー

  • 「もしかするとサーカスっていうのは、悲しみを忘れて笑っていられるようにするための、ちょっとした可愛い魔法なのかもしれない。魔法は、あっという間に消えてしまうけど」と、語る。だから、虹の上を渡るような綱渡り。それが、掴んだ道。

    私自身、サーカスを実際に見たことはなく、映画やアニメのサーカス場面の理解のため、レインボーサーカスのイメージが勝手にデフォルメされているのかもしれない。(きっと、グランマと発想は同じ)と感じながら。

    「このサーカスは自由なんでしょ。国籍も、宗教も、性別も、肌の色も、年齢も、政治的な信条も、」叫ぶ姿に、サーカスの団員一人ひとりの悲しい過去が浮かび上がるようです。主人公だけでなく、誰もが過去を捨てて、寄せ集まっている姿が哀しい。
    そして、誰もが、現状に甘えずに、虹の上を見ているようです。「あなたが想像できることは、実現できることよ。道は、自分で切り開くものなんだから!」その気持ちを集めた集団なのかも、と。

    最後、自分の道を見つけられてよかった。13歳。大冒険の始まり、ですね。
    我が身を振り返るのはよしましょう。今回だけは。

  • サーカス団に入るため奮闘する、13歳の少年の成長譚。舞台は恐らくフランス、様々なバックグラウンドを持つ団員とサーカスの芸、厨房で作られる美味しそうな料理、少しずつ役割を得ながら自分と向き合う少年。
    読み始めは「子ども向けかな…」と思ったけど全然そんなことなかった。少年の成長に自然とエールを送ってしまう、あたたかい物語。


  • 成長していく姿、努力する姿にとても心動かされる小説でした。

    特に、海での巡業のシーンや、ナットーとの別れ、冷蔵庫に写真を貼るシーンは、とても感動でした。

    どの情景を思い描いても、サーカスの光や海辺の波がキラキラしていて..

    そして、ローズはもちろんですが、
    コックや団長の、大雑把で、でもとても心が広くてあたたかく、たくましい姿にグランマの代わりに感謝を伝えたくなりました。
    (最後にグランマと少年と、サーカスの家族たちで暖かく、談笑できているといいなぁ.)

著者プロフィール

作家。デビュー作『食堂かたつむり』が、大ベストセラーとなる。その他に、『喋々喃々』『にじいろガーデン』『サーカスの夜に』『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』『ミ・ト・ン』『ライオンのおやつ』『とわの庭』など著書多数。

「2023年 『昨日のパスタ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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