ビニール傘

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1103
感想 : 98
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  • Amazon.co.jp ・本 (124ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103507215

感想・レビュー・書評

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  • たぶん、登場人物は実際に生きている人たちの多くの人生の断片を写し取って描かれていて、だから少ない登場人物であるにもかかわらず、読んでいてある種の混乱を巻き起こすんだと思う。この人の文体は優しい、そしていつも寂しい。それがクセになる。

  • 二つの物語。
    「ビニール傘」「背中の月」

  • 殺伐としているけど、からっぽではない。

  • あまり読んだことがないタイプの小説。ぼーっと読んでいると今、誰の話をしている??となる。
    日々の何気ない生活、何か虚しくなる感じ、読んで良かった

  • 社会学的な要素は興味をそそられるが、全体的には印象に残らない。余韻が残るところはよい。

  • 表題作、大阪の片隅で非正規労働者として働く男女のモノローグ。少しづつ重なり合い、物語が見えてくる。ずらしたパズルのような入り組んだ設定が技巧的すぎて好みがわかれると思う。併録の「背中の月」は亡くした妻と暮らす男の話。こちらのほうは素直に心に届く。

  • 侘しさ、人恋しさ、明日をも知れぬ不安感。大阪の片隅で暮らす、若く貧しい“俺”と“私”(「ビニール傘」)。誰にでも脳のなかに小さな部屋があって、なにかつらいことがあるとそこに閉じこもる――。巨大な喪失を抱えた男の痛切な心象風景(「背中の月」)。絶望と向き合い、それでも生きようとする人に静かに寄り添う、二つの物語。
    (2017年)
    --- 目次 ---
    ビニール傘
    背中の月

  • 芥川賞候補作。
    なんとなく好きそうな雰囲気かなと思って読んでみたけれど、いまいち掴み所が分からなかった。
    大阪という賑やかで雑多な街の、とても断片的で寂しい風景ばかり。
    表題作よりも、妻を亡くしてしまった男の「背中の月」の方が読んでいる実感があった。
    社会学者である書き手は、この二編を通じて社会のどんな部分を描きたかったのだろう。

  • 1ページ目でやられた。好きな小説に出会うのは意外に少ない。

  • 恋人たちとどこか通じる世界観を感じた。

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著者プロフィール

岸政彦(きし・まさひこ)
1967年生まれ。社会学者・作家。京都大学大学院文学研究科教授。主な著作に『同化と他者化』(ナカニシヤ出版、2013年)、『街の人生』(勁草書房、2014年)、『断片的なものの社会学』(朝日出版社、2015年、紀伊國屋じんぶん大賞2016)、『質的社会調査の方法』(石岡丈昇・丸山里美と共著、有斐閣、2016年)、『ビニール傘』(新潮社、2017年)、『マンゴーと手榴弾』(勁草書房、2018年)、『図書室』(新潮社、2019年)、『地元を生きる』(打越正行・上原健太郎・上間陽子と共著、ナカニシヤ出版、2020年)、『大阪』(柴崎友香と共著、河出書房新社、2021年)、『リリアン』(新潮社、2021年、第38回織田作之助賞)、『東京の生活史』(編著、筑摩書房、2021年、紀伊國屋じんぶん大賞2022、第76回毎日出版文化賞)、『生活史論集』(編著、ナカニシヤ出版、2022年)、『沖縄の生活史』(石原昌家と監修、沖縄タイムス社編、みすず書房、2023年)、『にがにが日記』(新潮社、2023)など。

「2023年 『大阪の生活史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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