1Q84 BOOK 3

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (602ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534259

感想・レビュー・書評

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  • そう、世界の時間は逆行しない。常に前に進んでいくだけだ。世界がずれようとリトルピープルが支配しようとしまいと、その世の中でどう生きていくのか、生き抜いていくのか。
    天吾と青豆を繋ぐ知りすぎた男牛河の3人は、それぞれにタフでクールで用心深い。ただ少し欲を出し、ステップを踏み間違えた瞬間、その世界の役目は全うする。もしくはステップを上手く踏んでいてもいつかは終わりが来る。
    人は一人で生きているようで、実は認め合える仲間が必要だ。それがどの世界でも生き残るための鍵の一つなのだろう。
    ソウル大学の教授が言っていた「強いものが生き残るのでもなく、生き残ったものが強いのでもなく、生きようとしていたら少し強くなっていた」というメイクさんの言葉を思い出す本だった。

    ところでリトルピープルというか小さなおじさんは此の世に確実に存在する。此の世では彼らは主権を握っていないが、ほんの少しだけ悪戯をしていく。例えば僕の場合だと、髪の毛の先を一本一本玉結びにしていく。あれは5年位前に1年くらい不定期に行なわれていたが、そういえば、最近起きていない。彼らはまた別の世界に行ってしまったのか?

    「ほうほう」はやし役のリトル・ピープルがはやした。
    「ほうほう」残りの六人が声を合わせた。

  • 愛が勝った
    全てを可能にしたのだ

  • これまでの村上春樹が詰まっているという印象。
    愛の強さという大きなテーマに沿いながら、宗教、社会、世界に対する人の(または村上春樹自身の)向き合い方、考え方、感じ方、などが含まれている。
    物語は幻想的で非現実的なストーリーであるにも関わらず、細部まで描写が行き届いているせいかとても現実的。
    この現実の世界は不安定で確実ではないということを、読者は思い知らされるように思う。
    青豆が階段を降りなかったら、天吾が代筆を受け入れなければ、それと同様にあのテロがなければ、あの地震がなければ、世界は今と違う世界だった、それは当たり前のことなのだけど、読み進めていくうちに強く再認識させられる。世界のレールは簡単に切り替わってしまう。
    1Q84はパラレルワールドではないと、青豆が考える描写があったように思う。そこは偽物のパラレルワールドではなく切り替わった現実の世界だ。
    私たちが生きている世界もまた、ちょっとしたことで切り替わりながら進んでいる。時間は私たちが生きる上で重要な意味を持つ。村上春樹が描いたのは、切り替わっていく現実の世界であるように思う。
    そして、宗教に対するありかたも描かれている。
    集金人やふかえりの存在、また重要な役割を果たしているにも関わらずあまりにも描かれていないアザミの存在、3の主要人物としての牛河の存在意義などわからないことはたくさんある。
    牛河は単に物語の進行役として、主要人物に抜擢されたのだろうか。
    解説本なども読んで、より読みを深めていきたく思う。何度も読んでも読み応えのある本。
    2013.3.18

    http://lite.blogos.com/article/36936/

  • 青豆と天吾の関係がどう展開していくのか…ワクワクしながら読み進めていました。 私はBook4が書かれると思っているのですが、どうなんでしょうか? 時間をおいてまた読んでみたいです。

  • やっと読み終えたはずなのに、いつまでも読んでたい。そんな気がした。
    表現のあいまいさとか、伝えたい真意だとか思いの全てがちょうど良く心地よくて、ちょうど良くわからない。捉え方はきっと人それぞれなんだろうなー。これが村上ワールドの魅力なのかも。もすこし1Q84を詳しく知りたいし、1984の世界も見てみたい。想像するしかないのだけれど。
    この本を読んだ誰もがきっと、一度は空を見上げて月を探しているはず!そんな夢あるステキな物語に☆5

  • 急に仕事が無くなって、家で一人BOOK3を読んでいたところ、不意に呼び鈴が。
    不吉なものを感じ出てみると、NHKの集金でした(汗)。
    僕のレールもポイントが切り替わってしまったのかとあせりました。

    なんて思わせてくれるのも村上作品の面白いところです。
    日常の何気ない風景に、異界をさりげなく織り交ぜる。
    謎に明確な答えを与えず読者の解釈の余地を残す。

    知らず知らずの内に読者はそこに自分の内面を映すことになる。

    そういえばタマルがユングの話をしていましたね。
    しばらく小説の類は読めそうにないし、河合先生との対談本を読みなおそうかと思います。

  • 「もし彼に会えたとして、滑り台の上でいったい何をするんだ?」
    「二人で月を見るの」
    「とてもロマンチックだ」
    とタマルは感心したように言う。(P534)


    青豆と天吾くんが滑り台の上で出逢って、1Q84から抜け出すシーン。
    最後に急展開を遂げます。
    ページを捲る手が止まりませんでした。

    ここまでなんとなく読んできてしまったけど、思っていたより深く彼らに寄り添えていたのかもしれません。

  • 予想通りの終わり方。
    雰囲気はいいけど謎は謎のまま。
    取り残された人達のその後が気にかかる。

    【図書館・初読・2/4読了】

  • 続きがありそうな・・・

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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