六番目の小夜子

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103971023

感想・レビュー・書評

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  • これ本当に怖い。
    読みながら何度も心の中で「怖い怖い怖い・・・」って呟いてたよ。

    今年の小夜子のはずの”彼女”の正体は、結構あっさりわかるんだけど、
    そこからの展開が・・・

    転校してきた小夜子が如何にもって感じで怪しくて、
    しかもなにか特殊な能力でも持ってそうって気がしてならなかった。

    由紀夫と秋が小夜子に違和感覚えて警戒してたのに、
    いつの間にか仲良しグループになってたり、
    小夜子の人心把握能力の高さも怖かったし。

    更に他の要素も加わって、サヨコって一体なんなんだって
    嫌でも考えながら読むしかなくなる。

    でも、やはり体育館での全校生徒を使った「呼びかけ」
    のような劇、そのタイトルもズバリ『六番目の小夜子』
    これを演じ始めてるところがものすごくヤバイ。
    劇で使うランプのタイミングに読む速度を合わせてたんだけど、
    息苦しくてドキドキして、涙出てきたわ。
    そこで山を超えて、後はもうラストまでは緩やかに進むのかと
    思ったら、終盤で更に衝撃的な事が。

    最後まで怖かった。 
    恋愛っぽい要素もあるにはあるけど、
    怖いって感覚がずっと付きまとってたから、
    あんまりほんわかしなかったなぁ。

    小夜子なら容姿端麗だし頭も切れるし、
    マインドコントロールもお手の物だから、
    新興宗教立ち上げたら信者が沢山出来そう。

    俺は小夜子みたいなタイプ怖すぎて近寄りたくないわ。

    怖いのダメな人は読まない方がいいかも。

    学生で小夜子っぽいゲームやってみた人いないのかなぁ。

  • ドラマの内容がうろ覚えだったため、理解したくて読んだが、ますます不可解になった。
    文化祭の劇の場面が印象的。

  • ペラい。久しぶりに薄い内容の小説を読んだ。

    物凄く期待させられる冒頭。
    『六番目の小夜子』というホラー感たっぷりの伝説と
    展開する学校内。
    なのに、
    結局何だったの?という終わり方。
    いわゆるファンタジー的ホラーを描きたかったのか。
    人の心って集団になるとちょっと暴走して怖いよね、が
    描きたかったのか。
    怖さも中途半端だし、回収不足なところもあるし。

    うーんうーん。
    キャラも典型的すぎる。そこにも不満。

  • その高校に伝わる『サヨコ』の噂。
    学校の怪談話や都市伝説のようにあいまいな噂だが、そのゲームは本当に行われる。
    誰がサヨコ役を演じているのか。男女の美しい友情と青春の季節が眩しい。

    ---------------------------------

    久しぶりに読み直した。やはり文化祭のシーンは震える。
    結局のところ、誰がサヨコをやっていたのかと聞かれれば、それは教員の黒川だとは思う。加藤も津村小夜子もサヨコの一部だけど、サヨコ本体ではないというか、黒川自体もサヨコゲームを仕切っていたが彼自身もサヨコに操られているかのような感じ。
    わかりにくい文章になってしまった。

    漫画『地獄先生ぬ~べ~』の”人食いモナリザ”を思い出した。
    夜になるとモナリザの女が絵から飛び出して、校庭のウサギを食べているという噂が童守小に広まっている。
    やがて、子どもたちは動き出すモナリザの女を目撃してしまう。
    噂話が広まり、絵に魂が宿り、絵自身が自分を人食いだと思い込んでしまった、という話だった。

    サヨコの噂も、噂自体が魂を持っているような印相だった。
    黒川が調整しながら生徒を動かしているようで、黒川自身も噂に操られている、ということかな。

    しかし津村小夜子はいったい何者だったのか。エスパーなのか。

  • 学校の七不思議的なものをベースにした物語だけど、怖さよりも登場人物達が持つ爽やかさの方が際立つ印象を受けました。それでも、学園祭での芝居のシーンは、徐々に高まる緊張感にドキドキしてしまいます。読んでいて集団心理の怖さが伝わってくる場面でした。

  • anotherを先に読んでしまったせいか、anotherはまんまインスパイアしたのが分かるな。
    なにせ解説が綾辻行人だし。
    学校に伝わる『サヨコ』という名のゲームが怪談や都市伝説のようでありながらも、黙認された事実でもあるような...
    境界があやふやなところが何ともいえない。
    学園生活の一年という季節の移ろいの中でのミステリ&ホラーというべきか。
    特に秋の学園祭イベントは集団心理要素が相俟っての思わぬ展開に引き込まれていく感がなんともいえなかった。
    もう一回読まないと分からない部分もあるけど面白かった。

    恩田陸って女性なのな。

  • 面白かったけど、軽い。まあまあです。

  • 文体は古いけど面白いホラーだった。

  • 前々から気になっていたタイトルです。
    期待していた以上に引き込まれて面白かったです。
    一般的にはホラーとカテゴライズされるようですが、甘酸っぱい青春群像劇のようにも読めました。

  • 今まで何気なく見ていた「学校」というものを、こういう見方ができるのかと思いました。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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