すべては今日から

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 419
感想 : 68
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104495023

感想・レビュー・書評

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  • 目立つ俳優さんではなかったけれど、佇まいや雰囲気に人柄のよさがあふれ出ていて、とても好きな俳優さんの一人でした。
    本当に本が好きな方だったんですね。私が好きな本が紹介されると、児玉さんも好きだったんだ!と嬉しくなりました。

  • 文章をみていると、頭のいい方なんだな、と思いました。
    漢字は嫌いではないけれど、読めない(普段使わない)漢字や言葉が
    結構あって、勉強させられもしました。
    さらっと、多くの表現力(比喩やことわざも含め)を駆使できるのが
    すごいな・・・と。
    紹介されている本が全部読みたくなってしまったので困ります。(笑)
    ご冥福をお祈りします。

  • 児玉さんがこんなに本好きだったとは!
    そして 児玉さんがこんなに古風なおじさまだったとは!
    伊達に「ハンターチャンス」じゃないね(意味不明)

  • 児玉清の海外小説ラブ注入感が満載の一冊。雑誌や新聞の寄稿をまとめたものっぽい。
    どんな本も原則褒めちぎっていて、まるで「さあ青も頑張れ」とパネルをほとんど引っくり返された解答者を気遣うかのような故人の優しい性格がうかがえる。

    お世辞にもあんまり文章は上手いとは言えない。途中から急に一部の語尾に「~だぜ」って頻発するのもナゾだ。産経新聞の寄稿には大体「~だぜ」が付いている。なんだこのキャラ作りは。悪役のイメージないから、こういうところでちょっとワイルドさ出したかったんでしょうね。違うか。

    心から本が好きだという思いが凄く伝わってきた。
    紹介されていた中で「青い虚空」ほか二、三冊を読んでみたいと思う。

  • 2011年5月に亡くなられた児玉清さんのエッセイ、書評を集めた本です。児玉さんの本に対する愛情、情熱がひしひしと伝わってきました。読書好き、本屋好きには思わず「あぁ笑」と共感できてしまう部分もあり、面白く読めました。
    最後の現代日本、日本人に向けたエッセイは読んでいて心苦しいものがあります。ただ、当たり前のことに対する想像力の欠如や公共のマナーなど、気を付けたいなと見に染みる思いです。

  • 本読みからしたら神様のような人。

    自分の書くレビューが、この人のように書けるようになりたいと思う、本当の本読み。

  • 児玉清さんは無類の読書家。蔵書は2万冊に及ぶという。本について語る文章は生き生きとしていて品がある。Win now, pay later は児玉さんがあらゆる事態に遭遇したときにつぶやく言葉。<今勝て、支払いは後だ=今、一番大事なことは何なのか、文句や嘆きや不平を言うのは後回し> 想像力を鍛える小説を読まない日本に輝かしい未来はあるのかと嘆く。厳しい語りが児玉さんらしい。もう少し長生きして欲しかった。

    玉岡かおる「天涯の船」/藤田宜永「女 ファム」/アリス・シーボルド「ラブリー・ボーン」/アニータ・シュリーヴ「パイロットの妻」/ジュンパ・ラヒリ「停電の夜に」/篠沢秀夫「軽井沢、日比谷、パリ」/サイラス・M・コープランド編「友よ、弔辞という詩」/江上剛「復讐総会」/市川拓司「世界中が雨だったら」/丸山健二「貝の帆」/真保裕一「最愛」/ジョン・パンヴィル「海に帰る日」/藤田宜永「還暦探偵」/

  • 児玉さんの文章がものすごく心地よかった。本を紹介している場面では、まるでその本を読んでいるみたいな不思議な感覚になった。テレビでは穏やかなイメージがあったが、『日本。そして日本人へ』の章は新たな一面に出会えた。政治家に対して「まずは常識人になれ」には天晴れだ。『まどろみ読書の極楽』まさしく、最高の幸せな時間だなぁ。

  • 児玉清さん。
    俳優であり、アタック25の司会者としての人物像した頭になかったので、書店で見かけ次第、即購入。

    本に目を落としてみると、あの優しい物腰の外見とは打って変わってのべしゃりぶり。
    この方の文学への思い入れは相当なもので、出てくる言葉の量に圧倒される。
    ただ、それと同じくらいボキャブラリーも備えているので、不意な表現についつい微笑んでしまう。マクドの中で。

    最後に自身の感じた、最近の日本に対する思いが書かれていたが、「なぜ小説を読まないのか。人間の心の叡智と想像力を鍛える小説を…」とある。
    これは今、並列して読んでる枕草子にも少し触れている箇所がある。「物語にめでたしといひたる男、女の容貌」とあり、要は、物語のヒーローヒロインも、想像の世界の中でこそという意味にあたる。
    本を読むことで、様々なことを想定したり、他人を思いやることが、今の日本には大切なのではと訴えかけられた、そんな心境です。

  • 1年ほど前に亡くなった俳優であり、読書家、書評家でもある氏のいろいろなところに発表された書評やエッセイをまとめたもの。
    その読書量のすごいこと。しかも仕事として始めた読書、書評ではなく純粋に「本」「本を読むこと」が好きであるというところから出発しているのでどの書評にもその本に対する愛情を感じさせる。小難しい文学ばかりではなくエンターテイメント系の海外ミステリー等がお好きだったようで、一般読者には取っつきやすい書評である。その言葉の多彩なこと。さすが読書家の文章だ。いろいろな本が取り上げられているが、私の好みに合う数冊は早速読んでみたいと思った。
    また、エッセイはその人となりが感じられる。好きな本を原書で読みたいがためにドイツ文学科に進学、その後家庭の事情で俳優の道を歩まれたが、常識人できっとまじめな方だったのだろうと想像できる。晩年のドラマでのダンディな役柄が印象的で素敵な方というイメージがあり、その死が惜しまれる。

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児玉清の作品

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