てんげんつう

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 652
感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104507269

作品紹介・あらすじ

若だんなと長崎屋の妖(あやかし)たちが、不幸のどん底に!? 大人気「しゃばけ」シリーズ最新刊! 病弱若だんなの許嫁・於りんの実家から人がいなくなっちゃったってぇ! まさか一家で夜逃げ……? こんな一大事に、兄やの仁吉は嫁取りを強要され、しかもお相手は天狗の姫!? さらに、突然現れた千里眼を持つ男は、若だんなに「救ってくれないと不幸にする」と宣言するし……。剣呑な風が吹き乱れるシリーズ第18弾!

感想・レビュー・書評

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  • 「たたりづき」若だんながおりんちゃんを嫁に頂きたいと中屋さんに頭を下げるくだりに、驚く。
    養子とはいえ、娘と思って育てたおりんが、大店の、しかもこんな誠実な若だんなに迎えてもらえるなんて、さぞやうれしいことだろう。中屋に安堵してもらいたいと思う若だんなの、なんと優しいこと。

    「てんぐさらい」仁吉さんのモテぶりと、おぎん様への愛情は本当に可愛らしい。困らされてうれしいだなんて。
    若だんなも、一の狐と取引したりと、頼もしくなってきて。

    「恋の闇」そんな若だんなを「ちょいと寂しい気もしてたんだ。しょっちゅう寝てばかりいると思ってたら・・・・・気が付いたら、どこかへ行ってしまうみたいで」と寂しがる屏風のぞき。「今日の若旦那は、五つの子供みたいだな。前と同じだ。何だか可愛いぞ」とホッとする気持ちに共感。

    「てんげんつう」寛朝さまの、解決できないとわかっていながらも長崎屋から寄進を受け取り、赤子達を救うために使う自分を反省する姿も印象的。反省しつつも、また同じことをやるのだろうと、嘆く姿。寄進は、小遣いを貯めたものだし「良き使い道を見つけて頂いたのなら、嬉しい」という若だんなも、「金のことは気にしてくれるな」という仁吉も素敵。

    「くりかえし」店主として奉公人を公平に扱い、店を盛り立てていくのは難しい。経営者って大変。

    しゃばけは本当に、ほっとできて、心温まる物語。登場人物一人一人のエピソードが増えるごとに、彼らへの情が深まるし、若だんなの成長も追っていけるし、長く続いてほしいなぁと、心から願う。

  • 畑中恵さんのこのシリーズは安定の品質。楽しく読めます。

  • 若だんなの許嫁の於りんがいなくなる話にしても、なんかのほほんとヌケ感あって、さして剣呑でもなんでもない感じ。あいかわらず若だんなは寝込んでいるし、なんとなく問題は解決するし、まあええ感じやと思いますな。上野のいつものお寺さんの近くに妖怪が住職のお寺があるのは楽しいと思う。てんげんつうの後ろ頭を叩くシーンだけは、大爆笑した。仁吉に惚れた天狗の姫さんが絶世の美少女のイメージだったんだが、読了後にふと装丁をみたら、天狗な鼻のなんともいえないのが描かれていた。そりゃないわ。

  • しゃばけシリーズ18作目。
    若だんな受難の巻。あっちこっちから若だんなに面倒ごとが持ち込まれ、若だんなが寝込む→兄や達が怒って懲らしめるっていう流れが続いて、ちょっと退屈だったかな。初期の頃みたいに若だんなが謎解きする話がもっと読みたい。
    毎度マンネリだなぁと思いつつも、愛着があって追ってしまうシリーズです。

  • 若旦那の許嫁の於りんちゃんが大変だぁ。
    ということで、於りんちゃんのために若旦那が動きます。妖達と一緒に。

  • 第18弾
    若だんなが商売人になってきた
    しかし赤子のように泣き喚く姿と屏風のぞきの親心(兄心?)が可愛らしくて印象的

    そして仁吉にはいつもいつもいつもニヤニヤさせられる
    兄やたちとの関係性からも若だんなの成長を感じる

  • 仁吉がおぎん様に振り回されているのは楽しい( *´艸`)話にちょこちょこ登場していた於りんちゃんだけれども、若だんなや妖達と楽しく遊ぶ姿が無くて残念( ´△`)

  • いつもの寝込みがちな旦那と妖たちの物語シリーズ
    ちょっと今回は
    読みづらかったかなあ
    なんとか読み終えました

  • 「しゃばけ」シリーズ第十八弾。
    ただの風邪から始まる大騒動の数々。
    ・てんぐさらい・・・仁吉へ想い焦がれる天狗姫が持ち掛けた
            神薬探し。仁吉の運命が掛かっているのだが。
    ・たたりづき・・・仙狐の息子、仙太が祟った僧は中屋の縁者の弟子。
            込み入った事情に若だんなは頭を巡らす。
    ・恋の闇・・・中屋の主人、栄吉への縁談の話は更なる縁談の話を
         もたらす。人々の思惑と妖の存在。その行方は?     
    ・てんげんつう・・・千里眼を持つ男の願いを若だんなは叶えることが
          出来るのか?猫又や河童、寛朝をも巻き込む騒動に。
    ・くりかえし・・・桜の木を覆う常世神の正体とは。
           繰り返される悪夢の先に結末が待つ。
    えにし、縁・・・人の縁、妖や天神との縁。
    思わぬ縁もあれば、新たな縁も生まれます。
    若だんなに結びつく縁の数々は、於りんの養家、中屋の騒動と
    顛末にも影響を与えます。でも毛虫の一件は於りんの縁が深まった
    ような・・・なんとも文のやり取りが微笑ましくてね(^^♪
    それにしても、このゆるゆる感と騒動の繰り返しで物語は
    続いていくのかしらん。

  • <目次>


    <内容>
    神様が続出してきて、いよいよネタが切れてきた感じだが、相変わらずミステリー的な要素も加わり、読ませてくれる。今回は千里眼、スクナヒコナ、天狗の丸薬、山姥…と登場する。

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著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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