- Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104509027
感想・レビュー・書評
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ブルドッグみたいな、搾れば濃い肉汁が出てきそうな、齧ってみたくなるような顔のイワモト。髭剃り後は緑色の化粧水「アロエの妖精」をぴたぴたと塗る。
古田新太さんを思い浮かべてしまった…。
イワモトとスズコの夫婦と、スズコの元同僚のオカダ、中堅女優のタマヨ。海辺のセカンドハウスに集まった50代の男女四人。波の音を聴きながら、庭に実るものすごくすっぱい夏みかんを頬張り、ワインを飲み、宴の夜は終わる。
翌朝ふいに訪れる決壊。友情のような愛情のような不思議な交接。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
★2008年7月3日 52冊目読了『タタド』小池昌代著 評価C
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感想は人によると思うが、私は40代前後の男女のの生々しい関係や描写が共感できず少し気分が悪くなった。もっと大人になってから読んだら変わるかもしれないと思った一冊。
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眠れなくて読み始めて、睡魔が来る間もなく数時間で読み終えてしまった。
淡々としたテンションの低めな感じは桜木紫乃さんと似ているようにも思う。しかしこちらは東京が舞台だから実際は似ているようでまるで似ていない。
『タタド』『波を待って』『45文字』の三編が収められていて、私は三つ目の『45文字』が好き。私はやっぱり主人公は男性の方が読みやすい。
小池さんの物語の設定はどれも変わっていておもしろい。
「あり」そうで「ない」、「なさ」そうで「ある」、そういう感じ。
どれも死の匂いが漂っていて、それは同時に生きるということでもあって、そういうところが「突拍子もない話」にさせないでいるのだと思う。
ありそうでなくてなさそうでありえる現実の側に物語が引き留められている。 -
3つお話が入ってて、どれも静かなお話だった
愉快だ!とか感動した!とか興奮した!とか
そういうおもしろさとは違う
なんかちょっとイイねって感じ
1つ目はあんまり好きじゃないけど
他の2つは好きなお話
いやでも強烈なインパクトはなかったので
断片が自分の体験だったかのように残るだけかもしれない
星は3つ -
本作「タタド」で07年川端康成文学賞を受賞。
「45文字」も面白かった。
小池昌代さんは詩人でもあるので、音読してもリズムが気持ちよさそう。 -
日常とか決まり事とかそういう類いのものは、
壊されるのを待っていることが度々あると思う。
そして、壊される瞬間よりも、その瞬間に辿り着くまでの
クレッシェンドを人間は味わうことができる生物だと思う。
なぜか二回買ってしまったこの本。
長年ぼんやりしていた感覚をしっかりと言葉に落とし込んでくれた
一節がある小説でもあります。 -
かすかな不協和音の中で大人たちがダンスをしているかのよう。危うい、空気。
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日常にひそむ落とし穴にはまってしまった!ような読後感。トロリとした肉の感触がまとわりつくよう。