タタド

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 157
感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104509027

感想・レビュー・書評

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  • ブルドッグみたいな、搾れば濃い肉汁が出てきそうな、齧ってみたくなるような顔のイワモト。髭剃り後は緑色の化粧水「アロエの妖精」をぴたぴたと塗る。

    古田新太さんを思い浮かべてしまった…。

    イワモトとスズコの夫婦と、スズコの元同僚のオカダ、中堅女優のタマヨ。海辺のセカンドハウスに集まった50代の男女四人。波の音を聴きながら、庭に実るものすごくすっぱい夏みかんを頬張り、ワインを飲み、宴の夜は終わる。

    翌朝ふいに訪れる決壊。友情のような愛情のような不思議な交接。

  • ★2008年7月3日 52冊目読了『タタド』小池昌代著 評価C

  • 感想は人によると思うが、私は40代前後の男女のの生々しい関係や描写が共感できず少し気分が悪くなった。もっと大人になってから読んだら変わるかもしれないと思った一冊。

  • 眠れなくて読み始めて、睡魔が来る間もなく数時間で読み終えてしまった。

    淡々としたテンションの低めな感じは桜木紫乃さんと似ているようにも思う。しかしこちらは東京が舞台だから実際は似ているようでまるで似ていない。

    『タタド』『波を待って』『45文字』の三編が収められていて、私は三つ目の『45文字』が好き。私はやっぱり主人公は男性の方が読みやすい。

    小池さんの物語の設定はどれも変わっていておもしろい。
    「あり」そうで「ない」、「なさ」そうで「ある」、そういう感じ。
    どれも死の匂いが漂っていて、それは同時に生きるということでもあって、そういうところが「突拍子もない話」にさせないでいるのだと思う。
    ありそうでなくてなさそうでありえる現実の側に物語が引き留められている。

  • 3つお話が入ってて、どれも静かなお話だった
    愉快だ!とか感動した!とか興奮した!とか
    そういうおもしろさとは違う
    なんかちょっとイイねって感じ

    1つ目はあんまり好きじゃないけど
    他の2つは好きなお話

    いやでも強烈なインパクトはなかったので
    断片が自分の体験だったかのように残るだけかもしれない

    星は3つ

  • 短編

    海辺の家で、夫婦と妻の元同僚、夫の仕事仲間の女優の大人な宴とお泊り

    アロエの化粧水をつかうこわもてのイワモト
    そばかすだらけのスズコ
    女優のタマヨ、癌を患ったオカダ

    すっぱい夏みかん食いたいー♪

    サーフィンに目覚めた夫を海辺で待つ妻子[波を待って]

    同級生夫婦と偶然再会して絵画のキャプションを作る日々[45文字]

    45文字にまとめるって難しいな!
    別にどうってことないようだけどおもしろい)^o^(

  • 本作「タタド」で07年川端康成文学賞を受賞。
    「45文字」も面白かった。
    小池昌代さんは詩人でもあるので、音読してもリズムが気持ちよさそう。

  • 日常とか決まり事とかそういう類いのものは、
    壊されるのを待っていることが度々あると思う。

    そして、壊される瞬間よりも、その瞬間に辿り着くまでの
    クレッシェンドを人間は味わうことができる生物だと思う。

    なぜか二回買ってしまったこの本。
    長年ぼんやりしていた感覚をしっかりと言葉に落とし込んでくれた
    一節がある小説でもあります。

  • かすかな不協和音の中で大人たちがダンスをしているかのよう。危うい、空気。

  • 日常にひそむ落とし穴にはまってしまった!ような読後感。トロリとした肉の感触がまとわりつくよう。

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著者プロフィール

小池 昌代(こいけ まさよ)
詩人、小説家。
1959年東京都江東区生まれ。
津田塾大学国際関係学科卒業。
詩集に『永遠に来ないバス』(現代詩花椿賞)、『もっとも官能的な部屋』(高見順賞)、『夜明け前十分』、『ババ、バサラ、サラバ』(小野十三郎賞)、『コルカタ』(萩原朔太郎賞)、『野笑 Noemi』、『赤牛と質量』など。
小説集に『感光生活』、『裁縫師』、『タタド』(表題作で川端康成文学賞)、『ことば汁』、『怪訝山』、『黒蜜』、『弦と響』、『自虐蒲団』、『悪事』、『厩橋』、『たまもの』(泉鏡花文学賞)、『幼年 水の町』、『影を歩く』、『かきがら』など。
エッセイ集に『屋上への誘惑』(講談社エッセイ賞)、『産屋』、『井戸の底に落ちた星』、『詩についての小さなスケッチ』、『黒雲の下で卵をあたためる』など。
絵本に『あの子 THAT BOY』など。
編者として詩のアンソロジー『通勤電車でよむ詩集』、『おめでとう』、『恋愛詩集』など。
『池澤夏樹=個人編集 日本文学全集02』「百人一首」の現代語訳と解説、『ときめき百人一首』なども。

「2023年 『くたかけ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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