ホワイトラビット

著者 :
  • 新潮社
3.73
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本棚登録 : 4235
感想 : 538
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104596072

感想・レビュー・書評

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  • 「籠城物」と称する作品だったが、楽しく読み進めることができた。

    黒澤は伊坂幸太郎シリーズのレギュラーだったような…

  • 前情報無しに読んでたらまさかの黒澤登場でかなり嬉しくなった!相変わらず黒澤は冷静で独特でおもしろい。泥棒なのに律儀だしね。今回は「レ・ミゼラブル」のような言い回しらしく、ちょいちょい作家目線?のような文が入るんだけどそれまた面白くて伊坂さんの書き方はやっぱり大好き。
    今回も悪党なのに何故か憎めない悪党や、本当にサイコな悪党は最後にきちんと成敗されるところとかもとても良い。
    オリオン座が好きな折尾さんとか、いとしの綿子ちゃんとか名前もおもしろくていいね。綿子ちゃんは善人なのに最後まで悪党の旦那さんを信じてて偉い。よく失望しなかったなぁ。いつも伊坂さんの書く女性は強くて良い。

  • 愉快な裏稼業の面々と、普通ではない一般人。みんな魅力的でみんないい。
    読み終わった瞬間にもう一度読みたくなる秀逸な一冊でした。

  • 疾走感あふれる展開に謎解き、散らばった話がすっきりとたたまれる結末、そして人生の不条理ややり切れなさに対する感情、どれも伊坂さんらしさ溢れる一冊だった。
    レ・ミゼラブルの筋をあらかたでも知っているほうが奥深く楽しめると思う。

  • 邪道だとは思うんだけど・・・実は私、ネタバレされてから読みたいタイプ
    その意味ではこれは分かってたんだけど、それでもやられた感満載(´ε`;)ウーン…
    回りくどい書きまわしも嫌いじゃない
    伊坂作品の中でも結構お気に入り上位かも( ̄ー ̄)bグッ!

  • 楽しかった!!

     ピタリとハマるジグソーパズル感は80%ほどかな。でも、最近の伊坂作品にハマり感が薄れてきた感じがあったものだから、期待以上ではないが期待通りの作品だ。

     トリックに驚くというよりも、登場人物の波乱万丈さが飽きない展開に厚みを加える。良かった!

  • 立てこもり犯の話。警察が来てるのに、来てないとはどういうことだろうと思ったら時間が前後していたのでした。分かりやすく誘導しているとの感想が多いが、道を曲がらないといけないところをまっすぐ行ってしまったみたい。全体は分るのだがディテイルが楽しめなかった。ワタシのリテラシーの低さである。

    それにもして伊坂幸太郎らしい軽快さ、とりわけ作者介入がここまで甚だしいのは初めて読んだ。

    『初めて登場したこの名前に、戸惑う者もいるだろう。次々と人が増えることは物語に混乱を招くが、心配無用、まったくの新しい存在ではない。』

    『それにしても、ここでまた、『レ・ミゼラブル』が登場するとは。今村と黒澤がこの小説を読んでいたのはまだ、百歩譲って良しとしても、さらにもう一人言及するのは、さすがに偶然にもほどがある、都合が良すぎる、と呆れる方もいるたろう。・・・ここでこの小説に言及することは、白兎事件を語る物語において、さほど大きな要素ではなく、都合が良すぎるも何も、大して都合は良くならない。あくまでも話を膨らませる一種の、ドライイースト、ベイキングパウダーのようなものに過ぎず・・・』

    終わり方も

    『その名前に聞き覚えがあり、黒澤は顔を上げ、店員を見た。せっかく物語が終わるところなのだから、「兎田のことを待っているのか」くらいの声をかけてもいいように感じるが、もちろん彼はそんなことをせず、実際のところ、そうならなくても幕はおりる』

    笑ってしまう。

  • 所々読者に対して説明が入る珍しい手法だった。
    そのことについても文中で説明が有り、古くからある手法なんだということだ。

    物語の中にどっぷりとはまりたい私には、この手法だと現実に引き戻され興ざめだったが、読み進める内に慣れた。

    以下ネタバレ含む。

    父親になりすました黒澤が2階から下りてきた時に、「勇介、おまえ、すまなかった。もう少し隠れているつもりだったんだが。」というシーンだけは解せない。
    勇介という名前を知る機会が無かったはず。

    誤植も2ヶ所あり、その内の1ヶ所は酷かった。
    「、」と「っ」を間違えており、「もっと」であるべきところが、「も、と」となっていたから。

  • さすが伊坂さん!
    前半の伏線をどっぷり後半で回収してくれる、気持ちの良い作品でした!
    犯罪系のお話は伊坂さんの得意分野だけれども、ここまで登場人物がことごとく罪を犯しているパターンは珍しいと感じた。
    一気に読めて、終わり方も爽快なので、伏線をきちんと拾うためにも、もう一度読みたい!

  • 泥棒とか立てこもりとか銃などが出てくるシリアスな場面なのにクスリと笑える。伊坂さんの持ち味であるユーモアが最初から最後まで展開していく。ちょっとしたミスが、まさかの出来事が、人間違えが、が変な具合に絡み合い予期せぬ方向に物事がすすむのですが、ラストはスッキリ。人情味溢れる一冊でした。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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