V. (下) (Thomas Pynchon Complete Collection)
- 新潮社 (2011年3月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105372088
作品紹介・あらすじ
闇の?現代史の?随所に?痕跡を残す?謎の女?V.。19世紀末、スパイ蠢くエジプト・アレクサンドリア。『ヴィーナスの誕生』強奪が企まれるフィレンツェ。大不況期のNY下水道で神父を慰めたのは?第二次世界大戦末期、包囲爆撃下のヴァレッタに現れた司祭は。あるいは秘境の暗号名か?もしや絵画の頭文字?単に地名のヴェネズエラ?ヴィクトリア?ヴェロニカ?ヴェラ?…V.とはいったい誰なのか。そもそもいったい何なのか?次々と現れる手がかりが空前の謎を編み上げてゆく-。そしてステンシルとプロフェインはマルタ島へと吸い寄せられる。すべての始まりであり、すべての終わりであるその地へと。V、それは命。謎が謎を呼び、解釈が解釈を呼ぶ。読む者すべてが語りたくなる。天才の登場と評され、百科全書的と呼ばれ、無数の解釈が幾多の論文と研究書を生み、著者をポストモダン文学の旗頭に押し上げた衝撃のデビュー作。怪物の登場を刻む、記念碑的傑作。
感想・レビュー・書評
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2度読み、3度読みしないと判らないという文を見るけれど、むしろ何度も読み返したくなる本だと思う。
アフリカで繰り広げられるホッテントット族への人間性の欠片もない振る舞い。ギリシャのマルタに振る爆弾の下の死と隣り合わせの日常。働きもせずダラダラと日々を送るプロフェイン。全てが等価に語られる。
エピローグでビクトリア=レンが再び登場。
上巻でも整形手術が繰り返させるエピソードがあった。マルタで時計仕掛けの義眼などを子供たちに漁られて、解体されて死んでいった女神父。
肉体改造の通奏低音ということか。他にも繰り返される暴動や革命騒ぎとか、繰り返されるイメージはあったんだろうな。死を身近にした水兵たちのバカ騒ぎとか。
例えば、ドストエフスキーはホントの主題を離れた無駄話が多くて、しかもそれが面白い。でも、この本は主題が図らないし、話はバラバラで纏まりがない。
だから、散文的な印象しか書けないけれど、とんでもない面白いものを読んだと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
個人的に好みじゃないのだ。だめ人間の自己憐憫も、執念深い人が思い込んだらそのとおりに立ち上がってくる世界も、魔性の女を追い求めるのも。そういうことで時間を使って自分をすり減らすくらいなら、拭き掃除でもすれば?って思っちゃう。当時の読者が持っていた問題意識が自分にはないから、この話の何にも行き着かない感じに苛立ってしまうのかも。
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いやいや、がんばりました。初読ではよー分かりません。黒澤映画の「どんぞこ」やジョイスを想起させるようなパラノな世界観。再読しなさい、と本がおっしゃってます。いつか、また。
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とうとう読み終わってしまった。が、とりあえず頭の中が大混乱してるので、感想は2周目以降… しかし、2回目読むのがこんなに楽しみな小説も無いよ
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上巻と下巻で第9章が分断されているので、10, 11とちょっと怪しくなってしまった。いつかまた再読する機会があったら、その辺りをもっとじっくり読んでみたい。
終盤のマルタ島のくだりも面白かったが、それ以上に旅立つ前の話が面白かったんだよな。プロフェインという人物の魅力なんだろうね。彼とは対局的な存在でもあるステンシルも魅力的で、行っては戻るヨーヨーな前者とは違い、話を広げていく。反復と拡散。
そして何より、音楽が好きな人間としては、作中に沢山の音楽が出てきて、これがまた楽しくてね。話についていけない部分が多々あったが、音楽は楽しめた。 -
読んだ。感動ではない放心だった。もう1回読みたい。そうすればまた別の体験ができるだろう。
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謎の女性という雰囲気は良い。
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