- Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105900373
感想・レビュー・書評
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子どもの頃、父親の実家には、牛がいてうさぎ小屋があり、鶏を放し飼いにしていた、のを思い出した。海はなかったけど。
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静謐で美しい風景と、厳しい生活を黙って受け入れる素朴な暮らし。読むと癒される。
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一つ一つのお話がすごく景色を感じさせられます。自然の厳しさの中、そこに同化している力強い人間模様がとても素敵でした。また読みたい本です。
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「完璧なる調和」のラストに堪らなくなる。
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2009.07 冬の読書案内。
-厳寒の島に暮らす少年と犬の別れを、淡々と描く。 -
マクラウド後期の短篇8篇。
地縁血縁、世代と時代の隔絶、孤独、自然、といったテーマは相変わらずだが、前期8篇に比べるとよりスコットランド人としての「血」を意識した作品が多い。
そういう意味で、日本人にとっては前期8篇より共感はしないかもしれない(「理解」はできるが)。
『灰色の~』のほうが心にスッと入ってくる感じがあった。
それと・・・
この作家の作品は静かで、悪く言うと地味なので、あまり立て続けに読むよりも、寝る前に1篇、というペースでゆっくり読み進めた方がじっくり味わえたのかもしれない。 -
カナダ東端の島を舞台にした8つの物語からなる短編集。『すべてのものに季節がある』11歳の少年と家族が、運搬船で働く兄の帰省を待ち侘びているクリスマスの出来事。大人の世界への境界線を越えた日でもあり、「人生の「よいこと」をできる限り手放さないようにしっかりつかんでおきなさい」「誰でも皆去ってゆく、よいことを残して」という父の言葉が温かくも寂しい印象を残した。『二度目の春』学校の課題「子牛クラブ」がきっかけで、1頭の雌牛の繁殖を約1年かけて初めて行おうとする少年の挑戦。農作業や生きるための労働、季節とともに暮らすということを、こうやって学ぶ機会が今あまりにも少ないと感じた。責任を伴う働きから得られた達成感で少年のその後が変化したところが◎。『冬の犬』役立たずで力持ちの犬と少年がある日の午後の体験。溺れそうな少年を助ける犬はけっして悪い犬ではない、少年にとっては。だから、最後の父の謀は胸が痛んだ。「まだあの犬は生き続けている。私の記憶の中に」のくだりは涙腺が緩んだ。『完璧なる調和』ゲール語民謡最後の歌い手といわれるある老人の半生。自分の信念にひたすら忠実な男。わずかな時間しか共に過ごせなかった最愛の妻。妻と息子の死後、男はますます孤独になる。ラストはしっくりこなかったが良作。『鳥が太陽を運んでくるように』大きな灰色の犬にまつわる言い伝えを背負った一族の話。『幻影』数世代にわたる人々の運命が連なって今の自分に繋がる。スコットランドの伝説。『島』灯台のある孤島で生まれ育った女性の生涯。孤独感が常につきまとう日々を、ひたすら地味に暮らす。島を訪れた青年との恋愛もつかの間、会えなくなり薄れ行く記憶…。孤独な中で人生を終わると思って迎えたが、予想外のラストが秀逸。『クリアランス』羊毛需要にともない領主がスコットランドの住民、小作人たちを追い出したた歴史。考えてみればカナダも移民の国なのだ。いままで漠然と抱いていたイメージがハイランド色に変った気がする。どれもシンプルだが深い逸話だった。読むたびに、きっと印象もお気に入りも変わるだろう。
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カナダの離島を舞台にした、スコットランド移民の物語
ゲール語を話す人々の哀惜、家族、時代の流れが切なくもすばらしかった! 古典的で普遍的なテーマ、とどこかの書評でみたが確かにその通り、象徴的なのが失われゆくゲール語かな
スコットランド臭がとてもよかった
第一次世界大戦の休暇でスコットランドに初めて行き、ゲール語で祖先のふるさとの人と話し、牧羊犬を譲ってもらう男の話がよかった(これもまた象徴的、「クリアランス」)
時代が流れ、祖先たちが切り開いた地に観光客が押し寄せ土地は切り売られる 牧羊犬はもはや羊を追えない でも、だからこそ、いまやほとんど話す者のいないゲール語で男は犬に話しかける 「俺たちは、こんなことになるために生まれてきたんじゃない」
「鳥が太陽を運んでくるように」も良かったな 良かったという言葉は不適当なんだけれど… こう、ずしりとのしかかる悲哀のような美しさとでもいったらよいか
すごく適当に手に触ったから読んだ本だったけれど、それがこんなに素晴らしい本で幸せ
とりあえず、とにかく、スコットランドとハイランダーに萌えた…! -
雪の世界のなかで浮き彫りになるみたいな鮮烈なイメージ。のこる。ムーム聞きながらよんだ。
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1日1話ずつ読んでいるところ。