- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106037221
感想・レビュー・書評
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帯文:”なぜ自分で触るより人に触ってもらった方がずっとキモチイイのか。” ”面白くてタメになります!”
目次:はじめに、第1章 皮膚感覚は人間の心にどんな影響を及ぼすか、第2章 人間の皮膚ができるまで、第3章 皮膚の防御機能、第4章 表皮機能の破綻とその対策、第5章 皮膚の感覚について、第6章 皮膚が身体に発信するメッセージ…他詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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検査機器では検知できない差異を人間の皮膚は判断できる。
しかしながら、現在の科学ではそこまで検知できるとはおもえない……ということで、これからの科学の進歩が楽しみである。皮膚は第2の脳み たいですよ! -
化粧による高齢者の生活改善というところにアンテナに触れた。認知症やボケ予防に効果あり。
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☆2.5
テーマは面白いのに、読みにくくて残念な本だよ。一番面白い研究成果は、やはり皮膚にRGBの光受容体があるってところ。これが知れたという点では読んで良かったな。
引用が多くてとっ散らかっている上に「~かもしれない」で結んでいるのみで、著者の引用の意図や包括的主張がなかなか見えてこないのが残念。冗長な文も飽きちゃう。
同じテーマで、違う著者が書いた本をよんで要点を掴みたくなった。
シミュレーションに関しては、近似式を如何に導きだすかが要点であって一番難しいところだと解釈した。しかしそこを何も示さず、シュミレーションを使えば生命現象が解明できるのではないか、と単に言われても、なんだか納得できずうやむやにされた気分だよ。 -
自己意識の捉え方がとても印象的だった。知覚の積み重ねから効率的な行動を起こすために感覚を統合、コントロールするものが自己意識の始まり、それがさらに複雑になって今言われる意識、感情のようなモノが生まれた。
皮膚は自分と他のものを分ける境界であり、触覚である。
視覚聴覚などに頼りがちだが皮膚感覚というものも意識していきたい。 -
皮膚だって「聞く」「見る」くらいできる。皮膚感覚の可能性にわくわくした。
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三葛館医学 491.36||DE
誰もが持っている皮膚は奥が深く、本書では、皮膚について、生理学はもちろん、心理学や社会学、物理学、古生物学、数学に至るまで、多数の文献を示しながらわかりやすく論じてくれています。皮膚を題材とした学際的な専門書であるとともに、私たちの生活へのヒントをくれる実用書でもあると言えます。
言わば、読みながら「ほんまでっか!?TV(フジテレビ)」を視ている感覚です!
「人間は触れられると、触った相手に好感を持つ傾向がある!?」
「義手も触覚を持っている!?」
「夜7時~11時の間に入浴する時、ゴシゴシ洗いすぎると皮膚の回復が遅い!?」
「メイクアップをするとストレスが減少する!?」
「ほんまでっか!?」と思いながら著者の博識さに脱帽です!
目次(新潮社サイトより抜粋)--------------------
はじめに
第1章 皮膚感覚は人間の心にどんな影響を及ぼすか
第2章 人間の皮膚ができるまで
第3章 皮膚の防御機能
第4章 表皮機能の破綻とその対策
第5章 皮膚の感覚について
第6章 皮膚が身体に発信するメッセージ
第7章 自己を生み出す皮膚感覚
第8章 彩られる皮膚
第9章 新しい皮膚のサイエンス
さいごに
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和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=65776 -
<皮膚。内と外の境界となるもの>
皮膚は、個体と外部環境との接点となる場所である。いわば、体の最前線だ。
物理化学を学び、後に資生堂の研究員として皮膚について研究してきた著者が、最新の細胞生物学的研究を中心に皮膚のあれこれを解説する。話題は多岐に渡り、化粧が精神に与える影響や、皮膚への数理学の適用まで。
目を見張るほどおもしろい、皮膚のあれこれ。
俗にスキンシップという。肌に触られたときに、それが心理的に影響を及ぼすのは珍しいことではない。
皮膚は外からの刺激をどのように感知しているのか。その機構が徐々に明らかになってきている。
皮膚は、一本の髪の細さも感知する。従来は、神経や指紋が触覚を担っていると考えられてきたが、このように細かいものが感知可能であることの説明は付かなかった。
近年、皮膚の細胞(ケラチノサイト)自体に、圧や温度、さらには光を感じる能力がある可能性が見出されてきた。具体的には、それぞれの刺激を感知して活性化されるタンパク質が特定されてきたのである。活性化されたタンパク質はスイッチとして機能し、何らかの方式でそれが神経に伝えられると考えられる。
皮膚はまた、バリアとしても機能する。
人間の皮膚にはサルのような体毛はない。さらに体毛のある動物との違いは、皮脂の成分である。ヒトではスクアレンであるのに対して、サルやイヌなど、大部分の哺乳類ではコレステロールである。スクアレンの方が水をはじく性質があり、おもしろいことに、水中で生活するビーバーや土中にいるモグラもスクアレンを使用しているという。
ヒトは進化の途上で、体毛をなくしたわけだが、これに関して、シラミに注目した研究がある。ヒトにはアタマジラミとコロモジラミがつくが、サルには1種類のシラミしかつかない。アタマジラミとコロモジラミが分かれた時点がわかれば、ヒトが衣服をまとうようになった時期が推測可能になるのではないかというものである。この研究によれば、シラミが分化したのは10万7000年前。仮説が正しければ、ヒトが衣服を着るようになったのはそれより以前ということになる。
数理的な検証としては、バリア機能の維持に大切なカルシウムイオンの分布が、コンピュータシミュレーションで予測可能であることがわかってきた。
初期条件が与えられると、どのような信号が伝わるかを解析し、痒みや老化の研究にもつなげていきたいとのことである。
文学作品も引用した著者の考察はなかなか味わい深い。
皮膚研究の今後の進展を楽しみにしたい。 -
皮膚感覚が人間に及ぼす影響がある。著書によると、客にお釣りなどを渡す際に、手に触れると店員に対する好感度がアップし、客がたくさん買い物をするとある。ただし、「王子様」、「きれいなお姉さん」かどうかは関係ないとある。どうせ触れられるならイケメンや萌えーとなるような人の方がいいと思うのが人情だと思う。ひねくれ者のでもない限り。
人間だけでなく、ネズミでも子ネズミに毛づくろいをして大切にした場合とそうでない場合とでは、その後の人生ならぬチュー生が変わるとある。大切にされた子ネズミが大人になって子供を育てる際、自分がやってもらったように自分の子供を大切にするとある。
体の洗いすぎは、皮膚が乾燥して、ひどい場合アトピーになるので注意が必要とある。洗うと言って浮かんでくるのが、男性化粧品と女性化粧品の違いだ。前者の場合、「さっぱり」、「すっきり」、「洗い落とす」が商品のキーワードに登場する。その一方、女性化粧品の場合、「もちもち」、「保湿」、「潤い」といったようにただ洗うだけでなく、その後のケアのことまで考えている。男性化粧品は男性と同様、単細胞のようだ。
この本を読んでいくと皮膚を巡る様々なテーマが浮き彫りになってくる。いろいろな分野から皮膚を語ることができるのだなと思った。皮膚に対する注目度の高さがこの本につながったと言って過言ではない。