- Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120035388
作品紹介・あらすじ
猫に魅せられた作家達の珠玉の随筆集。
感想・レビュー・書評
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昭和二十九年に刊行された『猫』を再編集したもの。
クラフト・エヴィング商會の作品が読みたかったのだけど、そのほかの作品もとても良かった。
うちの猫について書かれたものが多い。
「正直なところ私は猫に飼われている。」
という一文から始まる「猫に仕えるの記」のポツダムの愛くるしさは最強かも。
もちろんシンクも可愛くて、大満足な1冊。
犬派代表・吉田篤弘さん担当の『犬』も読もうと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
猫に関する随筆集。近代の名だたる文筆家の方々で、仮名遣いも現在とは違って、「い」を「ひ」と書いたり「ゐ」と書いていたり。読めない漢字も多くて読むのに手間はかかったけれど、それはそれで楽しい時間だった。
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人がいくら死んでも、
猫一匹が死ぬのには勝てない。
一つ目に入っている話で、ボロ泣。
あとはたんたんと可愛らしい描写が多数。
お目当てだった大佛次郎の作品も
たまらなかった。
猫好き万歳な一冊。
人間のエゴであるとか、
そういうものも少し考える事が
できる作品もあり、なかなか。 -
猫にまつわる随筆集
いずれも猫に対する愛情にあふれている -
昭和二十九年に刊行された『猫』を再編集したもの。
猫好きの(井伏鱒二、大佛次郎、谷崎潤一郎など)11人の作家が猫について書いたエッセイ集に装丁と紹介文をクラフト・エヴィング商會が行っていて、思わずジャケ買いしてしまいそうな表紙です。 -
猫の随筆が心地よい。
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明治から昭和の時代に生きた作家さんたちの短編集として昭和29年に刊行された本を、クラフト・エヴィング商會が装丁をアレンジして新たに世に送り出した本です。タイトルの通り、「猫」を愛し、「猫」とともに生きた作家たちの「猫にまつわる短編」ばかりが並べられています。
いずれの作品を読んでも、それぞれの作家の猫に対する並々ならぬ愛情と眼差しを感じることができます。当時の猫は飼い猫であっても去勢されてなかったようで、矢鱈に「どこかの野良猫との子ども」を作ってしまった飼い猫が出てくるのが、往時の風俗を反映していて面白い。
11人の作家さんが出てますが、背景が他の人とやや異なる谷崎潤一郎と柳田國男の作品群が個人的には面白かったです。他の作品も、本当に何気ない猫との日常を描いているだけのようなものも多いですが、それぞれに心に残るものがあります。
猫好きかつ本好きであればぜひ。 -
2014.7.28
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"お軽"を"お経"と空目した事実が、結末で不思議な花をつけたかのような思い(有馬頼義「お軽はらきり」を読んで想う)。他にも珠玉の短編が続く…それにつけても、猫が死んでいる様というのは、その様子を淡々と文字で綴ってあるだけでも、どうしてこんなに悲しく寂しげなものなのか。
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元々猫好きだった人も、猫嫌いだった人も、猫についてそれぞれの雑感を綴っていて、読んでいて飽きない。