ナ・バ・テア

著者 :
  • 中央公論新社
3.67
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本棚登録 : 2698
感想 : 354
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120035418

感想・レビュー・書評

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  • 森さんの作品では、S&Mシリーズはほとんど読んだのですが、このシリーズは初。

    専門用語が多く、調べるのも億劫なので、なんとなくで読み進めました。

    上記のシリーズとは毛色が違いますが、森さんらしい作品だなあ、と思いました。

    主人公の思想も森さんらしい。考え方があまり好きではないので、あんまり影響されちゃあダメだな、と思いましたね。

  • まず、装丁が素敵。

    スカイ・クロラから読むか、とても悩んだ末に、時系列で読むことを決意。

    戦闘シーンが詩のようで、何度も使われていた「ダンス」という言葉が、すっと違和感なく入ってきた。

    なんだか細かい設定は抜き落ちてるくせして、大きなテーマは揺るがずそこに在るような印象を受けた。そしてそれを凄いと思う。

    「人間が生きること自体が汚れている」という言葉は、とてもネガティブに響いてしまうけど、でも汚れているものを好むのなら、それはネガティブなだけの言葉ではない。ということ。とても考えさせられる。

    シリーズ制覇してから、もう一度評価し直すつもりなので、星の数は無視してください。

  • シリーズ中、時系列では一番古い話。
    草薙水素が、一見クールだけど、思ってたよりずっと感情的な人間だった。

    飛び続けることに執着してる草薙が、どういう経緯で地面に縛り付けられるようになってしまうのか今後がちょっと気になる。

  • スカイ・クロラに引き続き、読了しました。

    読み始めは、
    主人公が「僕」表記だったので、
    「この主人公は一体誰なんだろう?」と思って読み進めていたら、

    前作スカイ・クロラの主人公ユーヒチの上司として出てきた、
    クサナギスイトが正体でした。

    というわけで、
    本作はスイトの過去、パイロット時代の物語で、
    妊娠や出産の経緯にも触れられています。

    最後のシーン。
    あれは、辞めたはずのティーチャがスイトの撃ち落とした機体に乗っていたということかな?
    スイトがティーチャを殺し、
    それがティーチャの念願だったから幸せってオチと解釈していいのかな?

    あいかわらず洗練された表現が連発の作品でした。

  • ほぼ何の予備知識もないまま、装丁が綺麗だって理由だけでスカイクロラを読んだ後、シリーズのものが気になって読んだこの作品。
    時間軸的にスカイクロラより前の設定だったので、これがシリーズ1作目なのかと思ったけど、これが2作目ってことで良いらしい。


    スカイクロラで出てきた草薙が主人公で、彼女がまだ現役戦闘機乗りだった頃の物語。
    前作で謎だった部分が大分明かされていて、霧がはれる的なすがすがしさがある。
    そういった意味でも読み進めるのが楽しく、あっという間に読み終えてしまった。

    愛着が出てきたのかもしれないが、前作より面白く感じた。

  • 101110

  • 人間が生きていること自体汚れている。
    なぜその汚い世界で生きていくの?
    答えは簡単。
    汚れたことも嫌いじゃないから。

    神よりも自分と右手を信じている。

    空は自分ひとりだけの場所だと思っていた。

  • スカイ・クロラシリーズの二作目です。
    時間軸としてはスカイ・クロラよりも前の話となります。
    スカイ・クロラに出てきたキャラクターも数名出てきて、一作目で疑問だった点もいくつか解明されます。

    詩のように綴られた戦闘シーン、相変わらず素敵です。

    一作目よりキャラクターの人間味が増したように思われます。

  • 草薙水素が新しく配属されたのはティーチャのいる基地だった。
    新しいモデルの散香もやってきて調子はすこぶるいい。
    しかしティーチャはこの軽い飛行機が気に入らないようだ。
    ある大きなプロジェクトの後の人員補充で新しく来た比嘉澤が
    ティーチャに近づきたがっていると察し
    キルドレと大人の関係に釘を刺したのは自分だったはずなのに
    どうして街まで着いてきてしまったのだろう。
    表紙写真:Ulli Seer/Getty Images ブックデザイン:鈴木成一デザイン室

    スカイ・クロラの続編。やっぱりこの装丁がいいなぁ。
    前作では冷静な上司だった水素の若い頃は狼のような雰囲気。

    「試験でがんばって、クラスで一番の成績を上げたら、代わりに落ちていく奴がいるわけで、そいつの気持ちを考えなければならない。そいつに対する優しさを持たなければならない。ということだろうか?僕は、もし自分が落ちていく立場になったら、そんな同情は絶対に受けたくないな。まっぴらだ。」
    「ただ、自分が磨けたかどうか、自分が高まったかどうかは、他人と比較しないと判明しないという測定方法に問題があるだけの話だと思う。」

  • 空はいい。
    何も無いから。自由だから。
    信じるのは自分の腕とメカだけ。
    男女も老若も関係ない。
    壁もないし、時には重力だってなくせる。
    空で死ねたら。

    2巻から読むべきか否かだいぶ迷ったけど
    時系列で読むことにする。

    ものすごいスピードで飛んで
    余分なものを全部吹き飛ばしてフレームだけ残ったような
    ストーリー仕立てだと思う。
    詳細な設定は抜け落ちているのに
    妙にがっしりとしたテーマがある。

    リアルの世界と本の世界では
    言葉の概念がだいぶ違うんだと思う。
    大人ってなんだ。子供ってなんだ。


    地上に降りたら、僕は絶対に笑わない。
    「可哀相じゃない!」
    植物が種を飛ばして、方々に植えつけるように、
      人間の意志も見えないところで広がるのかもしれない。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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