- Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121011411
作品紹介・あらすじ
ロンドン塔は、現在の静謐な姿の裏に、九百年に及ぶ華麗にして非惨な歴史を宿している。本書は、塔以前のローマ時代の砦から、ウィリアム征服王による築城、中世から近世への流血の時代を経て次第に世俗化してゆき、今日に到るロンドンの象徴を通覧する読物である。
感想・レビュー・書評
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現地で読める説明文のような感じで、あんまり目新しい内容もなかったが、妙にずるずると読んでしまう面白さ。ロンドン塔というのはどんな方向からでも面白いという証明でもあるかと思う。
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王の居城及び要塞であり、監獄でもあり、現在ではイギリス
旅行の際の観光地でもあるロンドン塔。ロンドンの象徴でも
ある歴史的建造物はどんな歴史を辿って現在に至っているのか。
多くの王侯・貴族が幽閉・処刑された場所だが、なんといっても
凄まじいのはヘンリー8世だろう。自分勝手に次々と離婚しては
王妃を幽閉し、処刑してしまったのだから。
かのエリザベス1世も一時期は幽閉の身だったし、どこの王室も
中世から近世にかけては王位を巡る血濡れの争いがある。
有名なロンドン塔のカラスの話も収録されており、イングランド
王室の変遷とロンドン塔の歴史ダイジェストとして良書である。
尚、監獄として使用されたロンドン塔の最後の囚人はナチの副総統、
ルドルフ・ヘスである。
ロンドン塔には処刑された人たちの幽霊が出るという。一度だけ
行ったことがあるが、何も感じなかったぞ。
幽霊が出ることではロンドン塔と同じくらい有名なカナダの
ケベック州のホテルでも、幽霊さんにお目にかかれなかった。
感性が鈍いのか、私は。 -
ロンドン塔の血塗られた過去について解説している。ロンドン塔の歴史については、夏目漱石が小説にしており、本書もそれに倣うような書き方になっている。私事で恐縮ではあるが、先日ロンドンに旅行にゆき、ロンドン塔に実際に登ってみた。観光客が非常に多く、あまり恐怖を感じるようなスポットにはなっていなかったが、冷たい石の質感や血塗られた過去を考えると十分にホラースポットになるだろうなと感じた。本書によってそのような感想を抱いた。
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最近イギリス絵画が観れる美術展が多い。先日も「ラファエル前派展」に行った。行く前にイギリス関連の本でも読もうかなと思って読んだ本。
面白いって言えば面白いかもしれないし、つまらないって言ったらつまらない。ロンドン塔に行ったことがないため情景が浮かばないのが原因だと思う。歴代の王の権力争いに、さほど興味ないし。
日本の城の歴史本なども、見物後に読めば、あれはこういうことだったのか、と興味は深まるから、そもそも見物していない自分が、ああだこうだ言ってはいけないのかもしれない。
要は、この本はそういう類いの本です。
写真がもっといっぱいあったら良かった。
続けて、漱石の『倫敦塔』も読んだけど、こっちは面白かった。 -
4121011414 182p 1993・10・15 再販