天平の僧行基: 異能僧をめぐる土地と人々 (中公新書 1178)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121011787

作品紹介・あらすじ

奈良時代、寺院建設はもちろん、道路や河川・池溝の整備や掘削、あるいは架橋と、多くの事業を行ったという行基の実像は俗説の奥に隠れて未だ明らかではない。行基はなぜこれほど多くの事業を成し得たのか。行基像、あるいはその背景を、文献資料だけでなく、事業の足跡を実地に検証するとともに、彼の行動の背後にある有力な渡来人と技術集団、また同時に彼らによりもたらされた神や神仙思想を、行基八十余年の生涯にとらえる。

感想・レビュー・書評

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  • 歴史地理学の専門家で、歴史上の地名の現地比定などの仕事をおこなっている著者が、各地に伝説をのこしている行基の業績の実態を解明することを試みています。

    本書ではまず、行基と渡来人によって日本のもたらされた文化とのつながりについて検討をおこない、彼を取り巻く技術的・宗教的なバックボーンについての考察をおこなっています。そのうえで、行基がおこなったとされる土木事業や寺院建設にかんする業績について、その歴史的事実にせまる試みがなされています。

    著者の論証の妥当性については、わたくしにはまったく判断がつかないのですが、行基のバックボーンについての解説などについてはおもしろく読みました。

  • 東大寺設立で最大の貢献者とされている行基の菩薩行に注目。
    昔のお坊さんは活動的だよね。

  • 行基が行きた時代の資料は少なく、また不確かであるが、いくつかの資料を元に行基の人生をたどってみたもの。
    著者は朝鮮からの移民(と言っていいのかな)との繋がりがあったお陰で様々な建築や土木工事がなし得たのではと。
    関東在住者には関西の地理がわかりにくかったかな。

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著者プロフィール

1942年奈良県生まれ。
京都大学大学院文学研究科博士課程修了。追手門学院大学文学部助教授、奈良女子
大学文学部教授を経て、1995年4月、国際日本文化研究センター教授(2008年定年
退任)。現在、国際日本文化研究センター名誉教授・奈良県立図書情報館館長。
博士(文学・京都大学)。
受賞=濱田青陵賞、日本地理学会優秀賞、奈良新聞文化賞、古事記出版大賞。
著書=『地名の巨人 吉田東伍―大日本地名辞書の誕生―』(角川書店)、『古代
の風景へ』『古事記の奈良大和路』『古代天皇誌』(東方出版)、『平城京遷都』
『古事記の宇宙(コスモス)』『古代飛鳥を歩く』(中央公論新社)、『古代日本の
王権空間』『聖徳太子と斑鳩三寺』(吉川弘文館)、『こまやかな文明・日本』(N
TT出版)、『京都まちかど遺産めぐり』(ナカニシヤ出版)、『まほろばの国か
らⅠ』(豊住書店)、近著に『飛鳥の覇者』(文英堂)、など。

「2017年 『奈良・大和を愛したあなたへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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