- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121017079
感想・レビュー・書評
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宗教書ですが、インドの旅行書として有用です。日本文化底流にあるヒンドゥー 例えば輪廻転生、業(カルマ)や浄・不浄感などが理解できるし、ヨガやベジタリアンについてりかいが深まります。そのほかインドの偉人、カンジー・Rタゴール・ロマンローラン(仏)・スリーオーロビンド・シュリー・ラーマクリシュナについて記述もあります。
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博識なヨガの先生に触発されて読み始めた。内容は難しいし、知識のもともと少ない私からはまとまりがないように感じて読みにくかった。しかし、古代インド人の思想の一端にふれることができてうれしい。
つぎは、バガヴァッド・ギーターやヨガ・スートラを読んでみたい。
でも、イスラームや仏教も気になる… -
ヒンドゥー教の過去から現在に至る有り様が、うまく整理されている。様々な引用も読者の理解を助ける。新書としてはけっこう分厚いが、文章は読みやすいし、著者のインドでの研究・滞在経験が紹介されることが多く、最後まで興味深く、さほどの忍耐も必要なく読むことができた。著者の滞在経験は40年程前のものだが、今読んでも問題は感じない。
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厳格なカーストに菜食主義、ガンジス川での沐浴...そうした断片的なイメージしかないヒンドゥー教の有様を実体感ある筆致で書き下した本。新書にしては分厚い。
ヒンドゥーとは何かという問いに対して、明快で秩序だった解を用意してあるわけではなく、著者が実際に見聞きした内容や、各種の引用を交えつつ、いろいろな面から、この文化・信仰を紹介している。体系された章立てではないが、きっとヒンドゥーなるものが体系化困難で混沌としたものなのだろう。特定の開祖がいたり、具体的な教義があるわけではなく、それが故に、「ひとつの宗教」というより「純粋な信仰のあり方」という印象を受けた。キリスト教や仏教にみる「宗教」というスキームの概念を少し広げる必要があるかもしれない。 -
ヒンドゥー教のふかーいところというより、庶民の目線を含めて俗っぽいところから聖なるところまで、エッセイチックに解説してくれます。
その解説がどこまで正しいのか、よくわかりませんでしたが・・・。
最終章のラーマクリシュナについては、とても興味を惹かれました。
顔はボビー・オロゴンっぽいけど、中身は完璧に聖人です(笑) -
新書ながら400ページもある本。疲れました。
単に教義や信仰形態について文献的に迫るのではなく、筆者の体験からかかれている部分も多いため、全体として読みやすい。
内容として面白かったのは聖牛信仰について。牛、特に牝牛を殺してはいけないという教義が存在するのはその乳牛や糞が現実生活において非常に重要なものだったかららしい。
また、バクティ信仰と日本仏教との類似が指摘されており興味深かった。
エピローグで紹介されているラーマクリシュナの思想に関してはもっと詳しく知りたいと思った。ラーマクリシュナは19世紀の人物。ヒンドゥーやイスラム、仏教においてそれぞれ神秘的な体験を経て普遍宗教的な思想に至った人物らしい。
本文では ガンディーやタゴールの記述がたびたび紹介されていたが、これらに関する著作にも触れていきたい。 -
聖なるものと俗なるもの。これはインドを理解するための重要なキーワードになると思う。
インドに行く直前に買っていて、飛行機の中で読んだ本。
結局読み終わったのは帰国してからですが、むしろ逆に、現地の空気、感じたこと、みたものなどが新鮮な時期に読んだことで、思い出深い一冊になっています。
ややまじめな本ですが、「地球の歩き方 インド」のお供にどうぞ。笑。 -
インドについて知りたくなったので、その代名詞とも言えるであろうヒンドゥー教を手に取り易い新書で読んでみた。
どうしてもヒンドゥー教はカースト制度などから固定観念としての異質さを抱いていたのだが、本書は著者の経験を交えて明快に解説していたように感じた。
なので入門書としては十分な出来となっているのではないかと思う。
ただどうしても理解できない文化・慣習もあった。
信愛の解脱という道がありながらなぜ差別があるのか、ということに関しては個人的に納得がいかなかった。
しかし、よくよく考えてみれば宗教は概して差別的だったりするので、ヒンドゥー教だけの問題ではないのだろうし、内部批判めいたエピソードもきちんと載せてあったのでバランスは取れていたと思う(エピローグは特に必読)。
先にインドの詩人タゴールを作品を読んであまりピンとこなかった自分だが、少しは理解を深めるのに役立った一冊だった(実際にタゴールのエピソードも多く載っている)。
他のレビューで「専門用語やカタカナが多く難しかった」というようなことが書かれているが、巻末に索引もしっかりあるので、それを上手く活用して読めばさほど難易度は気にならないはず。
他にも興味深い著作があるようなので、これを機にインドの深遠な世界に少しでも触れていきたい。