悪の引用句辞典 - マキアヴェリ、シェイクスピア、吉本隆明かく語りき (中公新書 2226)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121022264

感想・レビュー・書評

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  • 引用に絡めて現代社会を論じる。この時点で私の期待した「引用句辞典」ではなかったのだが、またその論調も私に合わない。新聞連載の書籍化ときいて、ようやっと腑に落ちた。

  • 限りなく、5つに近いのですが、いくつかは、なんとなく自分と共感できない部分が感じられて(一冊の本が人生を変える?)その部分でちょっと-です。でもよい本がたっぷり挙げられていますので、いくつか読んでみたい本を見つけられました。とてもよいブックガイドです。

  • 手軽で面白かった!ただなんとなく著者の言説の自己矛盾がいろいろなところに出ているので半分ぐらいに読むとちょうどいいと思う。主に著者がいうところの自己中心的な人がマジョリティで生きている世の中で果たして利他的に生きることは可能か?というところだ。たいていの場合、仕方なく自己中心的に生きざるを得ないことになっていてそれが連鎖している。

    いずれにせよ、諦めがつくまでがんばらせることを許すというのは非常に大切だ。

    欧米人にとって言葉はすべて他人の言葉であり、人間のオリジナリティは言葉の運用部分にしかないという認識がある。

  • 「悪の」とついているのは、引用されているのが悪人という意味ではなく、「善は変数だが、悪は常数」という著者の理念によるらしい。

    内容は、古典や論文の一節を引用し、それと現代社会とを照らし合わせた著者の考察が記述されている。約70の著者・作品が紹介されていて、それぞれについて概略がつかめるのも良い。またテーマが政治・経済・教育などに分類されていて、それぞれについて多用な視点も得られる。
    毎日新聞の連載の書籍化ということで、特に政治について時事ネタが魅力を失っているのが残念。

  • いろいろ引用、おもしろい。でもそれで、使えるかというと、、、

  • 毎日新聞の連載を結構見落としていたので単行本になって嬉しい。

  • フランスのバカロレアでは、引用がどれくらい効果的に行えるか、という能力が試される面もあるという。
    引用重視は聖書読解からくる文化では、と。だからなのかわからないが、僕は名言集は好まない。
    しかしこの本は、引用句辞典といいながらも、引用句を巧みに操って「ついでに」自分のイイタイコトを言う、というものである。しかも「悪の」。
    いきなり「愛国心は悪党の最後の隠れ蓑だ(サミュエル・ジョンソン)」。アハハハハ。そして著者は「愛国心は悪党の最後の隠れ蓑だ、という言葉こそ悪党の最後の隠れ蓑だ」と。もう、悪党だらけだね。
    夏目漱石の「現代日本の開化」から、「面倒くさい」と「楽しい」を「考える」で結ぶことを忘れると亡国へとつながっていく、と。おお、まさに亡国一直線だ…。

  •  p.208に「生涯の伴侶を選ぶときには好きなものが一致する人よりも嫌いなものが一致する人を選べ。」という一行が印象に残った。
     確かに我々は好きなものに目を向きがちなんじゃないかと思う。視点を変えて嫌いなものが一致する相手も選ぶのも悪くはないだろう。

  • 連載の1回目からパンチが効いてますね、、、「愛国心 誰もが口にするが誰も見たことがない」
    参考:「鹿島茂書誌 堀江敏幸書誌」←労作ですね
    http://homepage3.nifty.com/cassima/syoshi.htm

    中央公論新社のPR
    「シェイクスピアから吉本隆明まで古今東西の名句を紹介し、社会の深層と人間の本性を見抜くコツを伝授。毎日新聞好評連載を書籍化。」

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著者プロフィール

1949(昭和24)年、横浜に生まれる。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。2008年より明治大学国際日本学部教授。20年、退任。専門は、19世紀フランスの社会生活と文学。1991年『馬車が買いたい!』でサントリー学芸賞、96年『子供より古書が大事と思いたい』で講談社エッセイ賞、99年『愛書狂』でゲスナー賞、2000年『職業別パリ風俗』で読売文学賞、04年『成功する読書日記』で毎日書評賞を受賞。膨大な古書コレクションを有し、東京都港区に書斎スタジオ「NOEMA images STUDIO」を開設。書評アーカイブWEBサイト「All REVIEWS」を主宰。22年、神保町に共同書店「PASSAGE」を開店した。

「2022年 『神田神保町書肆街考』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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