- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121506160
作品紹介・あらすじ
読者待望、「知の巨人」による初の対談本! 混迷の時代を読み抜くこの130年の、この150冊!
松岡 本はコストパフォーマンスもいいし、折ったり、赤線をひいたりしながら読めます。ダブルページ(見開き)単位で内容を追っていけるのもいい。スクロールでは、かなり段落を短くしないと読みにくい。
佐藤 僕も「本は汚く読め」といっています。
松岡 賛成。僕も「本はノートにしろ」と言っている。
佐藤 どうしても綺麗に読みたければ、二冊買えと。一冊は書き込んで、一冊は保存用にすればいいのだから。(本文より)
第一章 子どもの頃に読んだのは
第二章 論壇からエロスも官能も消えた
第三章 国内を見渡す48冊――ナショナリズム、アナーキズム、神道、仏教……
第四章 海外を見渡す52冊 ――民族と国家と資本主義
第五章 「通俗本」 50冊 ――ラッセル、養老孟司、島耕作 !?読むとは、従属じゃない。守って破って離れることだ!
感想・レビュー・書評
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『中央公論』で昨年から今年にかけて4回にわたって連載された対談。
創刊130周年にちなんで東西の論壇130年を振り返ります。
松岡正剛氏に言わせると「読む力」には三つのAがすこぶる有効。
アナロジー…その本から何を類推できるのか、何を連想したかということ
アフォーダンス…その本によって何が制約されたのか、攻めこまれたのかということ
アブダクション…その本によって何を前方に投げられるのか、どんな仮説がつくれるのかということ
「130年を理解するための100冊」が紹介されていて、
その中で私が読んだのは大川周明氏の『日本二千六百年史』だけ。
「読み方や意味のわからない言葉が毎ページ数個あり、
辞書で調べながらやっと完読」と記録あり。
でもとても面白かった記憶あり。
だから他の99冊も、きっとおもしろくて難しいのだろうなと想像します。
機会があったら…。
いっぽう「通俗本50冊」では『バカの壁』『火の鳥』を楽しく読んだことがあるけど、『ソフィーの世界』は何度か挫折、それっきり。
通俗本だからといって、簡単に読めるというものではないみたい、私レベルでは。
ところで、この本にエピソードとして米原万里さんが二度登場しました。
とても頭の良い素敵なかただと思いました。
彼女のようになるのは到底無理だけど、目標とするモデルとして、心にのこしたいと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
刺激的な本だった。教養エンタメといえば、エンタメなのかもしれないけど。気楽に読んで、すごく知的好奇心を刺激されるんだよね。通俗化の価値とか、なるほどなぁと思うところもあったし。本書に出てきた150冊を読破したら、頭よくなるだろうか、なんて頭の悪い夢想をするのも楽しい(笑)。
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知の巨人。博覧強記。
人間というのは「読む」という知の蓄積行為によって、ここまで果てと底が見えない人間たるのか。
と、人間の可能性を感じさせられる一冊。
自分にはまだまだ知らないことが、山のようにあるのだとワクワクさせてもらえる。
勉強すればするほど、謙虚になる。
未知が見えることが楽しい。
読書の醍醐味は、未知との遭遇であり、人生もまた然り。 -
読んでいる、けど、読めていない、と感じる。
文字を追っている、けど、点で切れる感じ。
面白いと思う箇所もあるけど、「ここまでの知識」を知っていることを前提に話しているし、きっと私にはスラスラと読めない本が羅列されている。
タイトルからすると、普遍的な取っ掛かりをこの高名なお二人から得られるのではとワクワクするのだけど、感想としては断絶された感だな(笑)
「地球上から二週間に一つの言語が消えていっている」という英語の功罪の部分だけ、残しておきたいと思う。 -
哲学と思想についての知識がないとついていけないが紹介されてる本は多い
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知識の泉対談的な本
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自分で選ぶと、どうしても選書に偏りが出るので、時々指南書的なものを紐解くことにしている。過去の名著から、ごく最近の話題書まで。
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面白いけどレベルが高すぎてついていけない
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●東浩紀や北田晩大が始めた「思想地図「と言う仕事がありますよね。現代の思想を俯瞰すると言う。荒れる、松岡さんも佐藤さんも入っていない。入りようがないのでしょう。大澤真幸くんに「松岡さんは、松岡正剛と言う職業を作ってしまったので、手が打てない」と言われた。
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稀代の知識人が本にまつわる個人的なよもやま話をしたという感想。読書のテクニックとかは期待しないほうがよい。ここでの挙げられた150冊を見たが、結構専門書も多くリストにあがっているので、正直、自分にはとても読めるものではないと思った。読めそうなものだけに絞って楽しみたい。
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新書に
無理やり -
読書家であり知の巨人でもある二人による対談、そして東西の論壇130年を振り返り150冊を選ぶという主旨。
読みたい本が又増えて困る。 -
松岡正剛と佐藤優という知の巨人の対談本。
ほとんどよく分からないけど、なかなか面白かった。&おすすめ150冊のうち、読んだことがあるものが1冊だけどいう現実に愕然。(^^;; -
"松岡正剛さんと佐藤優さんの会話は異次元の世界である。お互いの読書量と時代背景や宗教観、視座など示唆に富み、どちらが本の題名を言っても必ず読んだことがあり、内容を理解しあえている。しかも全集ものも含めて。
博識乱舞" -
かなり硬い本の紹介が多い。
なかなかこれだけ読むのは難しいかな。 -
佐藤優さんの底なしと思わせる知識には、いつも敬服する。
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知の巨人2人の対談に圧倒された
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●いったい「読む力」とは何かというと、たんなる読解力のことではない。国語の試験問題に答えられるようにすることではない。著者の「意図と意表のあいだ」にどのくらい介入して、そのうえでそれなりの「傷」をもって帰ってこられるかということだ。
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150冊のうちの最初の100冊は私には難しすぎた。あとの通俗本50冊はなんとかついていけたが・・・。
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伝えたい相手がいるから大学で講義をする。論壇でガンガンやるけど、数奇者の思想を持つ。
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明治時代の論壇は、江戸時代までの儒教や国学や仏教を中心にした体系知の系譜と、解明欧化思想の系譜の2つがあった。一方は教育勅語や国語改良を、他方は欧米自由主義や社会主義やヘーゲル哲学を見つつ、様々な本が刊行された。
日本の環境論者は、ほとんどがかつての新左翼のメンタリティを引きずっている。新左翼は、ソ連崩壊に直面して自信を失い、環境問題に向かった(佐藤)。 -
混迷の時代を読み抜くこの130年のこの150冊。松岡、佐藤「知の巨人」、初の対談本
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まったく個人的なことだが、僕はあと数年で還暦を迎える。老眼は進むし、集中力の減退を感じる。数はこなせないのだから、読むべき本は、よく考えなければと思う。
これからの読書の方向を探るつもりで購入。
最初は、子供の頃に読んだ本などの話があり、平松洋子さんと小川洋子さんの共著「洋子の本棚」を連想したが、‥。
松岡さんのような、ある年齢層の方たちは、殆どマルクスを体験しているんだな。革マル派の指導者やレーニンの名前も出てくるが、僕が大学の頃、マルクスなんてまともに読む気しなかったもんなあ。
その後はポストモダンだ、脱構築だと云っているうちに、思想が無くなってしまったと云う。そうなんだろうね。
しかし、この二人の知識量は呆れるばかり。科学や数学や宗教から漫画まで語っている。
さて、この本をきっかけにして、何をよもうか。 -
松岡正剛と佐藤優の対談『読む力』を読み終わった。
佐藤優はいまいちピンと来ないことが多かったが、『知性とは何か』が優れていた。
あとがきで佐藤優が「松岡正剛学という学術分野が成立すると考えている」と書いているが、松岡正剛がそれほど優れた人物なのか、私には分からない。
しかし、一人の人間がどこまで本を読めるかに挑戦した人物のように思う。
また、松岡正剛がまえがきで指摘した3つの「読む力」は興味深い。すなわち、
①アナロジー(類推する力)
②アフォーダンス(意味を見出す力)
③アブダクション(仮説的推理力)
の3つであるが、この3つの力を鍛えるのが、読書の効能と言えそうだ。
全体的には、本の紹介が役に立つ。内容の濃い本ではないが、これからの読書の手引きになる。 -
東2法経図・6F開架 B1/5A/616/K
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現代の知の巨人の対談を通して、130年の日本と世界を語る150冊の書籍を選ぶ教養書。150冊のうち、専門書として50冊は日本、50冊は海外、残り50冊はそれらを一般向けに理解できるような通俗本として 紹介されています。
圧倒的な知識をもつ2人なので、対談で出てくる単語、キーワードが双方通じているものの、知識が浅い私はついていくのがやっとでした。断片的ながら高校の倫理をかじっていれば多少は単語はわかるものの、それぞれの言葉の意味のつながりまでは洞察できませんでした。「知」を極めた人であればこれくらい簡単なことなのか、、、
ただ、この本のいいところは、専門書としての100冊の後に、通俗本が紹介されているところだと思います。巨匠2人の議論は一部の理解者だけに対して閉じてはいません。一般に広く現代世界の理解のために分かりやすい本として挙げられている50冊ならば、この本を読んだ意義を自分でも見つけるために読んでみようと思します。
2人の言う「読み力」とは、これらを読み込めて初めて培われるのだと思います。 -
松岡正剛氏と佐藤優氏の知識量の多さには驚かされた。
松岡氏が読んだ本はだいたい佐藤氏も読んでいるし、その逆もまた然りだったのは、対談前から、取り上げる150冊がだいたい決まっていたからなのだろうか。それとも、これほどの読書家になってくると、面白いと思う本、読むべき本がだいたい収斂されてくるものなのか。ちょっと不思議に感じた。 -
巻頭の対談と、最後の通俗小説紹介はそれなりに理解も出来た感じ。ただ、真ん中の本気で100冊紹介の部分は、殆ど分かりませんでした。基礎知識が違い過ぎる。そして、紹介されている本の殆ど全てを読んでいないってのも、なかなかいみじきものです。とっかかりとしては通俗本だと思うし、最後の50冊の中から何冊かつまみ食いする、くらいがやっとだと思います。