文化人類学入門 (中公新書 560)

著者 :
  • 中央公論新社
3.50
  • (23)
  • (59)
  • (100)
  • (3)
  • (4)
本棚登録 : 974
感想 : 51
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121905604

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 第1章 文化人類学の世界
    第2章 人間は文化をもつ
    第3章 文化の進化・文化の伝播
    第4章 経済の技術・生活の技術
    第5章 言語ーその構造分析
    第6章 婚姻・家族・親族
    第7章 超自然の世界ー宗教と儀礼
    第8章 文化・心理・民族性
    第9章 文化の変化がもたらすもの
    第10章 残された諸問題

    付録・文化人類学を学びたい方のために

  • 文化人類学全体像の解説本。文化人類学を学んでみたいとおもい購入。自分が学んでみたい人類学の分類が分かりました。なかにのっている情報は古いらしいがなかなか良い本だと思う。

  • もし人類がこれから一つの方向に向かって行くとしたら、それぞれの文化の違いと変容の歴史を理解して適度な相対主義でゆるく文化変容を受け入れて行くことが大切かなと。

  • 授業で使えるネタがないかと読んだのだが、そこまでうまく利用できなさそうだ。しかし、良い復習になります。

  • 学問の位置づけ、歴史、扱う分野を説明したうえで、生業、言語、婚姻・家族、宗教・儀礼などについて取り上げる。一般向けであることを意識していることが伝わってくるほど、わかりやすく丁寧に説明されている。学生時代に読んでおきたかった。

    ・日本語は、南方系の言葉があったところへ、あとから大陸系の言葉が入り、混合してできあがった。南方系の言葉としてはオーストロネシア語、ドラヴィダ語(タミール語)が、大陸系の言葉として朝鮮語、ツングース語が候補としてあげられている。
    ・無文字社会では結婚適齢期の年齢差が男女で開いていて、適齢期の男性の人数が少ないことが多妻制の要因のひとつ。
    ・妻が夫の住居に移って住む夫方居住婚の社会が68%を占める。
    ・日本で夫方居住婚が始まったのは、鎌倉時代の武士のあいだにおいてであり、庶民の間で一般化したのは江戸時代の中期と推測される。
    ・母系制社会では、父親の財産は姉妹の息子(甥)に継承される。
    ・平行イトコとの婚姻は厳禁されているが、交叉イトコとの婚姻は優先されている場合が多い。父系制社会では母型交叉イトコ婚が多く、母系制社会では父型交叉イトコ婚が多い。
    ・東北地方に広く分布していたイタコと呼ばれる巫女は、視力を失った女性たちを救うための制度。

  • 定番の書だから特に何かつけ加えることはない。興味が湧く、おもしろいというのはさすが。

  • ここ数年、たまたま面白いと思う本に出会い、関連した本をまた読み、ということを繰り返すうちに頭の中で組み立てられ始めた知識の体系は、結果的に文化人類学と民俗学に近いものだった。
    だから「入門編」くらいはできていたわけで、大体どっかで読んだ話だったけど、ざっと読んで概観できてよい。そしてまたそれぞれの分野に興味が広がってしまう。
    これが上でこれが下とか絶対的な価値観で決められないという考え方とか、意味ないと思しきものにも丹念に意味を見出す姿勢はここ数年で意識するようになった。一方で若くして懐古主義に陥りがちな気もする。
    こうした知識に10年早く出会っていればなあとは思うけど、10年前は高校生で水の中に浮いていたわけだから、そんな贅沢は言わない。

    メモ
    「民族の一番大事な要素は帰属意識」
    「東北半分の農村を「同族型農村」、西南半分の農村を「構組型農村」とよんできた」
    「ドブ島の呪術者たち 呪術なしには成り立たない」
    「妖術という現象はナヴァホの社会の中にバランスを作りだす役割を果たしている」
    「新しい成功者に対する先住者側からの警戒心とその新来者自身とったかもしれない威嚇との衝突による結果として憑き物に関するゴシップが生みだされた」
    「シャーマンと両性具有 両性具有のもつ呪力についての信仰」
    「様々な現象の評価は内部にいる者の立場からみた外部者の立場からみた場合とで異なるし、そして何に力点を置いて評価するかという価値基準によっても色々違ってくる」
    「まったく同じ文化、同じ種族を調査していながら、調査者自身の価値観念が当人の気がつかないうちにその分析の中に反映しているという事実・・・・・・人間である調査者が人間である対象を研究するという文化人類学における宿命的な問題」
    「文化人類学の目的と役割は伝統文化の記録・・・・文化伝播の歴史を知ること・・・・人間とその文化そのもののもつ本質について理解すること・・・・・同じ人間ながら所変わればヒト変わる―慣習や行動と考え方の様式は文化によっていかに違うのかといううことを知る」

    コトバ
    トーテミズム、相対主義、カーゴカルトとゴーストダンス、佐々木雄司、米山俊直氏「祇園祭」、本多勝一「調査される側の論理」

  • 文化人類学に関して全く知識を持ち合わせていなかった私でもよく理解できるような、平易な表現で書かれており、読みやすい。また、理論の抽象的な説明にあわせて具体的な例も多く盛り込まれているので、大変興味を持って読み進める事ができた。
    これが何度も改訂を繰り返しながら長い間読まれている理由であろう。

  • 目次(抜粋):
    第一章 文化人類学の世界
    第二章人間は文化をもつ
    第三章 文化の進化と伝播
    第四章 経済の技術・生活の技術
    第五章 言語―その構造分析
    第六章 婚姻・家族・親族
    第七章 超自然の世界―宗教と儀礼
    第八章 文化・心理・民族性
    第九章 文化の変化がもたらすもの
    第十章 残された諸問題
    付録・文化人類学を学びたい方のために
    参考文献/索 引

  • こういった研究が社会一般の認識を変えていく事が良くわかる一冊。改訂から20年が経ち、驚くような内容はないが、入門書として大変勉強になる。

全51件中 21 - 30件を表示

祖父江孝男の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×