背教者ユリアヌス 上 (中公文庫 A 48)

著者 :
  • 中央公論新社
4.16
  • (59)
  • (42)
  • (35)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 479
感想 : 45
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (391ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122001640

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 上中下と3冊の長めの本。この本を読んだ暁には、本をもっと読まねば。と少し自分を戒めることになるでしょう。よい本でした。

  • 高校生の頃に、クラスの子が読んでいたのを横目で見てました。そして最近、ちょっとした課題図書になったので読んでみました(笑)。まず、文庫の装丁がシンプルで美しいです。白バックにタイトルと著書名を黒で。そして、ギリシア語のタイトル(史実としてのユリアヌスの呼び名だからそのまま使える)を茶色で。読者にヘンなバイアスをかけることもない表紙が好きです。

    上巻はユリアヌスの生い立ちです。ローマ帝国が東西正副の皇帝を立てて統治する時代。キリスト教の公認も数十年前の出来事です。ですから、ユリアヌスがどうこうというよりも、コンスタンティヌス大帝後の皇帝の座をめぐる権力闘争があからさまに描かれます。

    今読んで新鮮だな、と思ったのは皇帝の座をめぐる争いにキリスト教関係者がからんでくることです。キリスト教の公認は数十年前に済んでいるとはいえ、まだキリスト教を忌み嫌うものも民衆や皇族の中にはいる。そのような中での立場を磐石なものにしておきたいというあからさまな欲が描かれていることに感心しました。そりゃ、リアルな組織の問題としてそうだよな…とあらためて感じました。

    筆致は清潔で落ち着いた、気品あふれる作品です。ひさびさに大きいボリュームのものに挑戦しているな、という感じを思い起こさせてくれる本です。

  • コンスタンチノポリス

  • 多少、回りくどい表現がありますが、それさえ気にしなければ、その辺のライトノベルやファンタジー小説より余程面白い。

  • よみかけ

全45件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

作家。1925年、東京生まれ。57年から61年までフランスに留学。63年、『廻廊にて』で近代文学賞を受賞。こののち、『安土往還記』『天草の雅歌』『背教者ユリアヌス』など、歴史小説をつぎつぎと発表。95年には『西行花伝』により谷崎潤一郎賞を受賞。人物の心情を清明な文体で描く長編を数多く著す一方で、『ある生涯の七つの場所』『楽興の時十二章』『十二の肖像画による十二の物語』など連作短編も得意とした。1999年没。

「2014年 『DVD&BOOK 愛蔵版 花のレクイエム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

辻邦生の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×