- Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122003514
感想・レビュー・書評
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英国紳士3人のテムズ河ぶらり途中下船の旅(犬はさておき)。
1889年に出版されベストセラーになったイギリスのユーモア小説。小説といってもストーリーらしきものがあるわけでなく、ただただ3人の男と犬1匹が水門(ロック)から水門(ロック)へ、テムズ河を船で下ってゆくというだけの長閑な話。にもかかわらず、船に縁がなく、ましてや紳士でもないぼくが読んでこうも面白いのはどうしたわけか。それはきっと、いかにもイギリス流の笑いにコーティングされてはいるが、万国共通の人間の《本性》が描かれているからにちがいない。いわば、「あるある」ネタ。
「自然に帰れ」とばかりに船旅に出たはいいが、ボートを漕ぐのに疲れたといっては不平をもらし、隙あらばサボろうとし、都合の悪いことが起これば他人のせいにする。そんな「いい大人」の「大人げない」七転八倒ぶりがおかしくてたまらない。そしてまさかのエンディング。晴れた休日の午後のんびり読むのにふさわしい、楽しい本と出会った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
三人の男と一匹の犬がふらりと小さなボートに乗って旅をする。
イギリスでは、舟遊びというのは、なんだか特別らしい。
のんきな旅で、こっちまで休暇気分。
しかも、こいつらは「けったいな」連中で、珍道中を見ているだけで楽しい。
春先、いい天気の芝生で、うつらうつら寝っ転がってるイメージ。
盛衰の激しい文庫の世界でいまだに発行されつづけているみたい(2003年現在)。それだけでも、ファンが多いんだろうなあと思わせる。
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この本はずいぶん昔、旅行中に買った。
小諸のホテルに滞在中だった。
数日そこにいてヒマを持て余していた。
散歩にでかけ千曲川の見える場所でとろとろ読んでいた。
気分にとってもそぐって楽しかった。
読むたびにそのときの気分を思い出す。 -
「がらくたは投げ捨ててしまえ
ただ 必要なものだけを積み込んで
生活の舟を軽やかにしたまえ。
簡素な家庭 素朴な楽しみ
一人か二人の心の友
愛する者と愛してくれる者
一匹の猫 一匹の犬
一本か二本の愛用のパイプ
必要なだけの衣料と食料
それに必要より少し多めの
酒があればそれでよいのだ」 -
知人のブログを見て本書を知る。作者とその知人2人、犬一匹でテムズ川をボートで上っていく。ボートで漂いながらドタバタが繰り広げられ、昔の回想も物語に華を添える。北杜夫風の文体の妙味、可笑しさがあり、車内で読むのにはリスクがある。丸谷才一の訳はこの小説の雰囲気を見事に引き出している。真面目さと対峙したユーモアと言ったところだろうか。
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こんな面白い小説、本当に久々に読みました。
面白いです。多分ここに書かれていることは誰もが経験しそうなことだからでしょうか。特に叔父さんが額縁を掛ける逸話は秀逸です。うちだったらこれは誰、と容易に想像しながら読み進めましたよ。
解説にもありましたがこの小説は速読するのはもったいないですね。ゆっくり、それこそ時間を贅沢に使ってちょっとページをめくるのが似合う本です。
いやあ、面白かった! -
『ボートの三人男』読了。なんとも上品な滑稽小説。やはり英国のユーモアは私には上品過ぎるw
しかし、同時代、切り裂きジャック事件で震撼しているロンドン!のイメージがいっぺんで吹き飛びましたw -
さすがに古いか、訳。
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コニー・ウィリスを読む為の予習
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犬は勘定に入れません」に書いたURLで紹介されてた本。1889年出版のユーモア小説